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ボストン・ウェルネス通信その13 人気の痩せ薬、と同じ効果がある食べ物

Japan In-depth / 2024年10月18日 10時2分

ボストン・ウェルネス通信その13 人気の痩せ薬、と同じ効果がある食べ物


大西睦子(米国ボストン在住内科医師)


【まとめ】


・グルカゴン様ペプチド1(GLP-1)関連のダイエット情報をご紹介する。


・GLP-1ホルモンの分泌を増やすためには、食物繊維やタンパク質を含む食品が効果的である。


・特に、発酵性食物繊維や良質な脂質を摂取し、炭水化物前に野菜を食べることが推奨される。


 


 先日外来で、40代後半の女性Aさんに「更年期になって体重が増えました。なるべく薬を使わずに、食事を変えて自然に体重を減らしたいです。どんな食事がお勧めですか?」という質問を受けました。


そこで今回は、Aさんのような悩みを抱えている人に、最近米国でホットなグルカゴン様ペプチド1(GLP-1)関連のダイエット情報をご紹介します。


 



体内のGLP-1は食事で増やせる?

 世界中に大旋風を巻き起こしている「GLP-1受容体作動薬」。2型糖尿病を患う人の血糖値と体重のコントロール、肥満の人の減量に役立ちます。


 ところで、そもそもGLP-1は、私たちが食べ物を摂取すると、脳や消化管で作られるホルモンです。その信号は、膵臓からのインスリンの放出を刺激し、血糖値を上げるホルモンのグルカゴンの放出を減らすことを指示します。また、胃から腸への食物の消化を遅らせるため、満腹感が早く感じられ、しかも長く続きます。こうしてGLP-1 が増えると空腹感が減り、血糖値が安定し、体重をより適切にコントロールできるようになります。


 GLP-1 の血中濃度は、空腹時は一般に 5 pmol/L から 15 pmol/L の範囲にあり、食後は 2 倍から 4 倍に増えます(1)。より具体的には、GLP-1 の血中濃度は食後 15 分以内に上昇し、約 60 分後にピークに達します。2 時間後には、GLP-1 濃度は次の食事まで徐々に低下し始めます(1)。ただし体が十分な GLP-1 を生成しないと、満腹の合図が体に伝わらず、食べ続けてしまう可能性があります。


 一方、GLP-1受容体作動薬の半減期ははるかに長く、薬剤の種類によって 違いますが、1.5 時間から 5 日間持続します。この安定性で、薬は食欲と渇望を抑えることができます(2)。


 とはいえ嬉しいニュースがあります。食事で体内の GLP-1 生成を増やすことができるのです。


 



白パン VSライ麦パン

 以下、NPRニュースに専門家らが食後のGLP-1の反応を説明しています(3)。


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