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総選挙:沖縄政治はどこへ向かうのか

Japan In-depth / 2024年10月22日 17時0分

この選挙区では有力な候補者は社会民主党の新垣邦男氏と自民党の宮崎政久氏である。維新の赤嶺昇氏は、かなり強いとの予想もあったが、伸び悩んでいるようだ。



▲写真 新垣邦男候補  出典:新垣クニオ公式ページより


新垣氏は社民党本部副党首であり、衆議院では同党の唯一の議席を有する。社民党九州は弱体化し、比例復活が難しいので、背水の陣で小選挙区での勝利をめざす。同氏にとっての懸念材料は2つある。まず、立憲民主党と社会民主党の対立がくすぶり続け、陣営内の結束がないことだ。さらに、赤嶺昇候補が保守票をかなり奪うことを期待したが、現実には宮崎候補を苦しめるほどではないとの見方が出ていることである。


新垣候補は、自治労出身ではあるが、北中城村長を4期務めるなど、行政経験が豊富であるため、「オール沖縄」系の中では現実主義者として知られ、人気も高い。しかし、浦添や宜野湾のような都市部における「オール沖縄」の低迷がマイナス要素である。同候補の選対本部長が、元宜野湾市長で強硬な基地反対派と言われる伊波洋一参議院議員であることも、プラスになるとは言えない。



▲写真 宮崎政久候補  出典:宮崎候補公式サイトより


宮崎氏は、弁護士出身で当選4回。2019年には、辺野古埋め立てに関する県民投票を阻止しようとする保守系市長などの指南役を務めたと言われ、物議を醸した。同性婚や女系天皇に反対し、保守色が強いように見えるが、夫婦別姓と女性天皇には賛成するなど柔軟な面も持つ。これまで小選挙区ではすべて落選し、比例復活や比例繰り上げなで、しぶとく生き残ってきた。新垣、宮崎両候補とも乙つけがたく、どちらが当選しても不思議ではない。


3区には中部の沖縄市やうるま市、名護市などの北部市町村が含まれる。自民党公認の島尻安伊子氏、立憲民主党から出馬する屋良朝博氏の一騎打ちになっている。事前の予想では、島尻候補の優勢が伝えられたが、現在では多くのメディアが互角と報じている。



▲写真 島尻あい子候補  出典:島尻あい子公式ページより


島尻氏は、沖縄選出自民議員団を、辺野古移設への反対から容認への方針転換を先導したことで、一時は非難にさらされた。仙台市出身(夫が沖縄県人)ということもあり、沖縄の県民感情に無理解だ、との反発も受けた。だが、安倍政権では菅官房長官との近い関係を築き、保守系、経済界からは、政府との太いパイプを通しての地元への貢献が評価されている。早い段階から、沖縄における「子どもの貧困」に着目するほか、夫婦別姓に賛成するなど、現実的でリベラルな面もある。


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