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総選挙:沖縄政治はどこへ向かうのか

Japan In-depth / 2024年10月22日 17時0分


▲写真 屋良朝博候補  出典:屋良朝博公式サイトより


屋良氏は軍事・安全保障専門の記者であったが、フリージャーナリストを経て政界入りした。軍事の、専門家として知られ、基地反対派を代表する政治家でもある。反面、一般県民の生活に対する関心は薄いとの批判がある。


メディア各社の情勢分析では屋良候補と島尻候補は接戦を演じているとされる。やや不利と見られた屋良氏の善戦は、島尻陣営の気のゆるみが原因との分析が出ている。なお、屋良氏の意外な強さと、普天間の辺野古移設問題との関連は薄いようだ。辺野古工事は現在進行形ではあるのだが、辺野古地域を始めとする北部住民の間には、決着済みとの受け止めが広がる。


■ 「オール沖縄」は県民の関心が薄れている辺野古反対にこだわる


沖縄全体を見てみると、基地問題は、今回の選挙では大きな争点にはなっていない。地価や物価の高騰など、生活問題が最優先課題になっている。それでも、「オール沖縄」は普天間飛行場の辺野古移設反対を大きく掲げる。


先島諸島に自衛隊が次々と展開し、同陣営内にも自衛隊配備反対を打ち出すべきとの意見もあった。だが、知事を始め、日米同盟を支持するグループを抱える陣営の事情もあり、自衛隊問題は封印し、ホットな話題ではなくなった「辺野古反対」を敢えて唱えた。「辺野古問題」だけが、多様な集団を「オール沖縄」としてまとめる唯一の接着材だからだ。


■ 安和での死傷事故は選挙で話題にならなかったが、重要な案件



▲写真 安和桟橋入口でダンプの前に立ちはだかる活動家 24年8月23日撮影  出典:沖縄県民提供


基地問題にからんで、この選挙では大きく取り上げられなかった重要な問題がある。名護市安和地区で起きた死傷事故である。


この件については、すでに本年8月6日に“Japan In-depth”に掲載された「県議選・米兵犯罪・死亡事故で揺れる沖縄政治」というタイトルの拙稿で触れている(注)。ここでは、その後の展開について若干補足しておきたい。(注:目黒博 | "Japan In-depth"[ジャパン・インデプス])


すでにこの記事で述べたように、6月28日午前、辺野古工事に使用される土砂を搬送するダンプの動きを遅らせようと、活動家グループが故意にゆっくりとダンプの前を歩く、「牛歩」戦術を行っていた。そのうちの1人と、その動きをチェックしていた警備員がダンプにひかれ、警備員が死亡、活動家が重傷を負った。


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