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総選挙:沖縄政治はどこへ向かうのか

Japan In-depth / 2024年10月22日 17時0分

道路管理者である県土木建築部(土建部)は、車両乗入部の安全対策を十分講じなかったと批判されたが、県土建部としては、車両乗入部はあくまで歩道であり、歩行者の通行に支障が出るようなガードレールなどは設置できないので、安全対策は防衛局などの責任で行うべきという立場をとってきた。ところが、現場の歩道は一般の歩行者がいない場所である。県の言う「歩行者」とは、ほとんどが牛歩などでダンプの走行を遅らせようとする活動家だったことがわかっている。


▲写真 安和桟橋出口での活動家と警備員 24年8月22日撮影  出典:沖縄県民提供


県が安全対策を講じなかったので、2か月近く辺野古工事を中止してきた沖縄防衛局は、8月22日に工事を再開し、安和での土砂搬送も再び実施し始めた。抗議活動の参加者とのトラブルを避けるため、現場にネットフェンスを持った警備員を多数配備し、ダンプが車両乗入部に入る際には、警備員が手で持ったネットフェンスで活動家の動きを制止している。


県はこの件への対応で迷いが見られる。たとえ牛歩を行う活動家であっても歩行者であるという立場を示してきた以上、ガードレール設置は困難という考え方を変えるわけにはいかない。かといって、防衛局がネットフェンスで牛歩活動家などを規制することを違法だとするわけにもいかない。歩行者の安全を確保する責任は、防衛局にあるとしてきただけに、防衛局独自の安全対策を否定できないのだ。しかも、安和の「牛歩」は威力業務妨害に当たる、との指摘さえある。


事故の責任は誰が負うべきか。この問題を検証するには、まずは、現場に設置されている防犯カメラの映像をチェックすることで、事故当日に何が起きたのかを正確に把握する必要がある。沖縄防衛局は県と県議会に防犯カメラの映像を提供し、問題を検証するよう要請した。


今後、この映像をもとに、県議会での審議、県土木建築部と防衛局の協議が進むはずである。ただし、映像には死亡した警備員や重傷を負った女性だけでなく、現場にいた他の活動家や警備員、ダンプ運転手なども写っていると考えられ、プライバシーの問題がからむため、非公開扱いとなっている。


現在のところ、県民の間でこの件は話題になっていない。「どのような経緯をたどって死者が出てしまったのか」という重要な情報が十分公表されていないため、県民も判断できないのだ。


「オール沖縄」のあり方を考える際に、この事故の検証は避けて通れない。危険が伴うような活動や、違法すれすれの活動であっても容認、もしくは支持するのかどうか。いずれにせよ、この問題の真相が明らかになるにつれ、活動家たちのモラルと同時に、「オール沖縄」の象徴でもある知事の責任が問われるだろう。


トップ写真:安和桟橋入口でダンプの前に立ちはだかる活動家 24年8月23日撮影  出典:沖縄県民提供


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