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2024年の沖縄政治を振り返る(上)宜野湾市長選挙と総選挙

Japan In-depth / 2024年12月19日 22時56分

事前予想を覆した選挙結果の背景には「2,000万円問題」があった。裏金問題で党公認を得られなかった無所属候補の自民党支部に党本部が巨額の政治資金を支給していた事実は、投票日の直前、10月23日に共産党機関紙『赤旗』によって暴露され、自民党への不信感が強まった。





沖縄では該当するケースがなかったため、本土ほど大きな影響はなかったが、自民党関係者によると、選挙戦の最終盤で勢いがなくなったという。





他方、自公と対決する「オール沖縄」陣営もまた、退潮傾向に加えて内紛を抱え、協力体制を築けなかった。かろうじて「引き分け」に持ち込んだにすぎず、後退の流れが止まったわけではない。





以下、総選挙の沖縄1区~3区の結果を見てみよう。





<1区と2区では自民は苦戦した>





那覇市を中心とした1区では、赤嶺政賢候補が追い上げムードの國場幸之助候補に、8,000票近くの差をつけて勝利した。全国で共産党唯一の小選挙区での議席を守ったのだが、実情は「辛勝」であった。









▲写真 赤嶺政賢候補(中央)出典:同候補事務所提供





國場氏は、知念覚那覇市長や経済界など保守本流の支持を得た。加えて、以前はまとまりを欠いた國場組グループや、かつては故翁長雄志前知事を支えた有力企業グループ「金秀」などの応援もあり、赤嶺氏と接戦を演じると思われた。國場候補本人も手ごたえを感じる流れであった。









▲写真 國場幸之助候補当確で喜ぶ候補者と支持者(2024年10月27日深夜)出典:同候補事務所提供





ところが、選挙戦最終盤に「2,000万円問題」が発覚し、支援者の動きが鈍る。保守系から中道にまたがって固い支持基盤を持つ下地幹郎氏が、29,000票獲得したことも痛手であった。参政党が奪った保守票の9,000票は、國場氏と共産党の赤嶺氏との差8,000票より多く、致命傷になったと言える。國場氏は、今回も悲願の小選挙区当選はかなわなかったが、九州比例4位で復活した。





赤嶺候補の得票は、前回より約11,700票も減った。同候補の当選は、保守票の分散に救われたものである。共産党と「オール沖縄」の支持層の先細りは深刻だ。れいわ新選組との軋轢もマイナスになった。この点については、本稿の(下)で述べる。





沖縄県の2区は、浦添市や宜野湾市、中部西海岸、同西海岸である。伝統的に革新系が強かった選挙区である。





「オール沖縄」が推す社会民主党公認、新垣邦男候補は背水の陣で戦った。社民党の衰退で、比例復活が望めなかったからだ。実際の得票は61,000票余り。自民党公認の宮崎政久候補に約14,000票の大差をつけ、社民党全国唯一の衆議院の議席を守った。









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