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2024年の沖縄政治を振り返る(上)宜野湾市長選挙と総選挙

Japan In-depth / 2024年12月19日 22時56分

▲写真 当確時の新垣邦男氏 出典:同氏事務所提供





新垣氏は、典型的な革新系ではない。北中城村長を4期務め、行政手腕には定評がある。さらに空手七段で、空手道振興会理事長も務めるなど、関心の幅が広く、保守層にもファンが多い。余裕をもって当選したのもうなづける。





一方の宮崎氏は、企業法務に詳しく、県内の有力企業の顧問を務める弁護士である。同候補は、日本維新の会公認の赤嶺昇・県議会議長と参政党の今野麻美候補に、保守票を大量に奪われ、苦戦を強いられた。赤嶺氏は自身の基盤である浦添市を中心に約23,000票以上、今野氏も約12,000票を集めたうえに、「2,000万円問題」もあり、宮崎氏は約47,000票にとどまった。選挙区では落選したが、同氏はしぶとく比例九州の最下位で復活した。」









▲写真 比例復活で挨拶する宮崎政久衆議院議員(2024年10月28日)出典:同議員Facebook





<3区は思わぬ接戦になった>





中部から北部に広がる3区では、自民党公認の島尻安伊子候補と、立憲民主党公認で「オール沖縄」が推す屋良朝博候補との対決は、激戦になった。屋良氏は軍事や基地問題を専門とする元ジャーナリストで、経済や生活への関心は薄いとのイメージが強かった。対照的に、島尻氏は、早くから「子どもの貧困」問題に警鐘を鳴らし、沖縄担当大臣時代に子育てや妊産婦の支援策を実現してきたので、同氏が優勢と見る人が多かった。









▲写真 島尻安伊子候補(2024年10月19日 名護市)出典:同氏Facebook









▲写真 比例復活で当選した屋良朝博氏 出典:屋良事務所提供





だが、選挙戦最終盤で表面化した「2,000万円問題」で島尻陣営は推進力を失う。また、この選挙区でも参政党の新城司候補が12,000票以上保守層に食い込み、島尻候補の苦戦の原因となった。さらには、県外(仙台市)出身で、南部の那覇市の市議だった島尻氏の経歴などから、北部では「よそ者」だと考える人もいたと言われる。





また、同氏は、沖縄選出の自民党国会議員の中で、いち早く辺野古移設容認を打ち出しただけでなく、菅義偉元首相のお気に入りであることで、反感を抱く人も少なくない。菅氏が、辺野古移設を「粛々と進める」と無神経に発言し、沖縄の困難な歴史を軽視する態度を見せたためだ。





反面、主婦の感覚を前面に打ち出して、「若年妊産婦の居場所」を設けるなど、地道に実績を積み上げ、若い層や女性たちの共感を呼んだ。





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