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2024年の沖縄政治を振り返る(下)4区の「オール沖縄」分裂とミニ政党などの存在感

Japan In-depth / 2025年1月19日 23時0分

れいわの山川候補はその隙を突くように、自衛隊の南西シフトへの反対を打ち出し、「オール沖縄」票を切り崩した。









▲写真:新編行事において栄誉礼を行う第7地対艦ミサイル連隊の隊員(2024年3月)出典:防衛白書





<社会大衆党の動きをめぐる「オール沖縄」内のあつれき>





ローカル政党、沖縄社会大衆党(以下、社大党)の一部がれいわを応援したとの批判が出て、陣営内に不協和音が生じたことも金城氏にはマイナスになった。





愛知15区でれいわから出馬した辻恵氏は、旧民主党代議士時代(2期目)に、沖縄4区から同党公認で初当選した瑞慶覧長敏氏をサポートしたという。瑞慶覧氏の次男、長風氏は、社大党公認を得て、今年6月の県議選で初当選したが、今回の総選挙で恩義のある辻恵氏の応援のために愛知県を訪れた。





金城氏を落選させた、れいわの山川氏は、瑞慶覧長敏代議士(当時)の秘書だった。辻恵氏、瑞慶覧長敏・長風父子、山川仁氏の間の関係が親密であるがゆえに、長風氏がれいわの山川氏を応援したと見られたようだ。





また、もう一人の社大党県議、平良識子(さとこ)氏は、れいわの東海比例の単独候補だった上村英明氏を応援した。平良氏が恵泉女学園大学大学院生時代の恩師が、上村氏だったからだ。その流れで、同じ東海選挙区の比例に重複立候補していた辻恵氏をも応援した。





立民などは、瑞慶覧、平良亮県議がれいわを応援したとして社大党を批判するが、両氏がれいわの候補を応援したのは、「県外」の東海地方においてであり、沖縄県内では金城候補を応援した、という。立民などからの社大党批判は空振りだったようだ。





<なぜれいわは共産党を上回ったのか>





今回の衆議院議員選挙の特徴の一つは、れいわと参政党が既存の政党や勢力の基盤に食い込んだことだ。特に、れいわは、比例復活とは言え、初めて沖縄選出の国会議員が誕生させた。





今回の総選挙の比例九州で、れいわは共産党を圧倒した(約1.7倍)。沖縄においては、1区以外では、れいわが共産の約2倍の票を獲得している。





沖縄1区で、れいわが候補を擁立しようとした際に、同区を重視する共産党が激怒し、れいわは歩み寄って、候補擁立を諦めた。しかし、れいわ幹部(共同代表や幹事長)が出馬した選挙区に、共産党はことごとく「刺客」を立てる。結果は、れいわは全員比例復活し、共産党は惨敗した。





確立した組織を持ち、野党内では抜きんでた情報収集能力を持つ共産党が、山本太郎氏の個人商店のような小さな政党を攻撃する姿は、同党の強硬な体質を印象づけ、多くの革新系支持者が離れた。





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