【海外発!Breaking News】食の不毛地帯で美味探訪 スペインシェフが起こした革命・実食レポ<動画あり>
TechinsightJapan / 2018年11月21日 18時14分
二品目は『PAN MARRORQUIN』(5.25ポンド=約785円)。日本のピザにも似たこのブレッド。とろりと溶けたチーズの下には、スペイン・マヨルカ島産の生ハム『ソブラッサダ(Sobrassad)』が敷き詰められている。スペインの生ハムといえばイベリコ豚が思い浮かぶが、こちらソブラッサダはイベリコ豚からではないものの、マヨルカ島の伝統的な食材としてお祝いの席などに用いられる非常に縁起の良い一品である。
三品目はお待ちかね、本場スペイン産の生ハムの盛り合わせ『JAMON SERRANO GRAN RESERVA SELECTA』(5.95ポンド=約860円)だ。『セラノハム(SerranoHam)』と呼ばれるこの生ハムは前述の『ソブラッサダ(Sobrassad)』同様、イベリコ豚から作られたものではないが、栗の実を与えられた豚をおよそ2年間にわたって乾燥熟成させたもの。記者はイベリコ豚の生ハムは以前口にしたことがあるが、いわゆる“超地元密着型”のこのセラノハムは初めての食体験であった。イベリコ豚と比較するとやや油味に欠けるものの、文字通り塩の塩梅も絶妙で、食感は硬すぎず写真に写っている小さなブレッドに巻いて一口で口に放り込むのが地元流の食べ方だという。
ここまでは日本でも馴染みのある小皿が続いたが、一転イギリスでもあまり見かけることのない一品がここで登場した。四品目となる『POLLO EN PEPITORIA』(6.25ポンド=約935円)は鶏肉とアーモンドのシチューだ。意外であったのは、味付けにクミンやサフランといった香辛料が使われていること。これまでにもいくつかのスパニッシュパブを訪れたが、こういった中東やインドの香辛料で味付けされている料理には今のところお目にかかったことがない。不思議に思い、オーナーシェフのオマール氏に尋ねてみたところ、彼の父親がインド出身であり、『TAPAS REVOLUTION』にはこうした香辛料が多くの料理に使われているということだ。オマール氏のルーツを辿っていくとヨーロッパという大きなくくりを越えて、中東やアジアまで味覚の世界が広がっていく。
五品目は『CHORIZO A LA SIDRA』(5.95ポンド=約860円)である。一見するとミートボールのようであるが、品名にもある通り『チョリソ(CHORIZO)』と呼ばれるオーストリアのソーセージをミンチし肉団子状にしたもの。味付けはトマトソースかと思いきや、これまたオマール氏の遊び心なのか、イギリスではサイダー(CIDER)として親しまれているリンゴの発泡酒でじっくりと煮込まれているという。チョリソと聞くと、メキシコの辛いソーセージを思い浮かべてしまうが、もともとはスペイン・イベリア半島を発祥とする豚肉の腸詰のことを指す。スペインではチョリソは人々の生活に深く根付いた食材であり、そのまま炒めるのはもちろんのこと、この『CHORIZO A LA SIDRA』のように、腸詰の中身を取り出し肉団子状にしてスープの具材にしたり、生のまま薄く切ってパンに挟んで食べることも多いそうだ。
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