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クラウドファンディングの可能性は尽きない 2023年の支援金額が示す市場の未来

J-CASTトレンド / 2024年3月30日 20時0分

一方、プロダクト開発への支援では、製品の納品が大幅に遅れたり、実現しなかったりする例が相次ぎ、問題となるケースもありました。支援したプロジェクトが、資金不足や技術的な問題により頓挫し、支援者に製品が届かないトラブルが多発したのです。ここに関しては、それを自己責任、つまり自分の目利きの力の問題とすることもできますが、一部には、詐欺的なプロジェクトも存在し、クラファンの信頼性を揺るがす事態となりました。

では、日本では、クラファンはどのように発展を遂げたのでしょうか。

日本のクラファン初期の大きな成功プロジェクトは、映画制作への支援でした。2016年に公開されたアニメーション映画「この世界の片隅に」は、クラファンを通じて製作資金を調達したことも話題となりました。これがきっかけとなって、クラファンの存在を知った人も多いでしょう。なにしろ、クラファンで資金集めをしていた映画が、その後大ヒット作になっていったわけですから。

実は私自身もこのクラファンを支援しており、今の水準では到底考えられない金額で、本編のエンドロールに名前がクレジットとして入りました。

こういった成功のおかげで、クラファンという存在が日本でも広く知られることになり、「モノづくりへのクラファン」もどんどん増えていきました。ただ、海外とは違う動きはありました。

海外のクラファンでは、クラファンにリスクもある部分は、ある程度理解されていました。しかし、日本では、日本人の品質へのこだわりという面もあり「支援したものが届かない」ことに対して海外以上に苦情が相次ぎました。

そのため日本のクラファン市場は、海外のクラファンと比較すると「完成品を届ける」ことを基本とする方向へ舵を切りました。プロジェクト主催者は、製品の品質を支援者に保証することが求められるようになり、未完成の製品や実現可能性の低いアイデアへの支援は集まりにくくなりました。

納期の正確さも、日本のクラファンでは求められるところです。プロジェクト主催者は、製品開発のスケジュールを明示し、進捗状況を定期的に報告することが一般的となりました。これにより、支援者は製品の完成時期を見通しやすくなり、安心して支援に参加できるようになったのです。日本を代表するクラファンMakuakeが、現在はクラファンという呼称ではく「応援購入サービス」という言葉でその事業を説明しているのも、こういった背景があります。

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