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BtoB分野の米プレシードインベスターのアルケミスト、東京で初のデモデー開催(日本、米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2025年1月20日 0時35分

BtoB分野に特化したプレシードインベスターのAlchemist(アルケミスト、本社:米国)が日本進出後初のデモデーを12月19日に東京で開催した。このデモデーは、同社が2024年10月1日~12月19日に実施したエクイティー方式(出資付き)のスタートアップ・アクセラレーション・プログラム「Alchemist Japan」の日本プログラムの一環で、国内外の投資家約150人を招いて開催された。このプログラムでアルケミストから出資を受けた国内外の起業家によるスタートアップ9社(注1)が登壇し、ピッチを行った。

写真 スタートアップによるピッチ(ジェトロ撮影)

スタートアップによるピッチ(ジェトロ撮影)

「Alchemist Japan」の特徴として挙げられるのは、日本プログラムの終了後、米国で行われる6カ月間のグローバルプログラムへの参加資格が与えられることだ。これまで、各社はメンターや専任のセールスコーチとの並走を通し、起業家マインドを育むとともに、集中的な顧客調査とプロダクト・マーケット・フィット(PMF、注2)の検証、トラクション(注3)獲得に向けて活動してきた。今回のデモデーでは、各社が顧客開拓や売り上げ実績などのプログラム期間中の成果のほか、グローバルマーケット進出の展望を投資家にアピールした。

写真 デモデーの集合写真(「Alchemist Japan」事務局提供)

デモデーの集合写真(「Alchemist Japan」事務局提供)

デモデー冒頭で、アルケミスト最高経営責任者(CEO)のラビ・ベラーニ氏は「スタートアップが米国現地で活動し、グローバルマーケットへの進出を目指すフェーズでは、資金提供以上のサポートが必要となる」と語り、現地企業や起業家との連携や、メンターからの支援の重要性を強調した。

パネルディスカッションでは、CICのビクター・ムラス氏、Eight Roads Ventures日本代表のデービッド・ミルスタイン氏、Gojo&Company代表執行役の慎泰俊氏が「Alchemist Japan」マネジングディレクターの眞鍋亮子氏とともに、日本のスタートアップエコシステムの着実な発展や課題、日本での資金調達の現状について議論した。

写真 ラビ・ベラーニ氏によるビデオメッセージ(ジェトロ撮影)

ラビ・ベラーニ氏によるビデオメッセージ(ジェトロ撮影)

また、ジェトロイノベーション部の樽谷範哉次長は「日本で海外のトップアクセラレーターによるプログラムを実施することは、アーリーステージのスタートアップが日本だけでなく、海外でプロダクト・マーケット・フィットを検証する上で非常に重要」と話した。

なお、ジェトロは2021年度からアルケミストとともに、スタートアップ・アクセラレーション・プログラム(出資なし)で計45社のスタートアップ・起業家を支援してきた。ジェトロと三菱地所の協力の下、同社は日本進出を決め、「Alchemist Japan」の実施に至った。

(注1)「Alchemist Japan」では、世界29カ国・地域の応募の中から9社を採択。採択された企業はジェトロの2024年10月4日付お知らせ参照。

(注2)プロダクト・マーケット・フィット(PMF)とは、自社商品(プロダクト)がターゲットとする市場や顧客(マーケット)に適合(フィット)、つまり、満足して利用されている状態を指す用語。優れた商品を持っていても、PMF調査をせず、適切な市場へ提供できなければ、ビジネスは成立しない。

(注3)トラクションとは、ユーザー数や売上高の増加など、ビジネスの進展や成長を示す具体的な指標や成果のこと。投資家にとって事業の可能性を評価するための重要な要素となる。

(園田有沙)

(日本、米国)

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