OPECプラス加盟国複数が2024年6月末までの追加減産延長を発表(中東、ロシア)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年3月6日 13時25分
OPECは3月3日、OPECプラス(注)の複数の加盟国が、現行の追加自主減産を2024年6月末まで延長することを発表した。
OPECプラスは、2023年11月30日に開催した第36回閣僚級会合で、同年6月の第35回閣僚級会合で決定した2024年末までの生産量調整(2023年6月5日記事参照)を維持することで合意していた。併せて同日には、加盟国のサウジアラビア、イラク、アラブ首長国連邦(UAE)、クウェート、カザフスタン、アルジェリア、オマーンの7カ国が、2024年3月末まで、追加の自主減産を行うことを発表した(2024年2月5日記事参照)。今回の決定で、これら7カ国の追加自主減産が2024年6月末まで延長して実施されることとなる。
OPECプレスリリース(2024年3月3日付)によれば、各国の追加自主減産量は次のとおり。
サウジアラビア:日量100万バレル
イラク:日量22万バレル
UAE:日量16万3,000バレル
クウェート:日量13万5,000バレル
カザフスタン:日量8万2,000バレル
アルジェリア:日量5万1,000バレル
オマーン:日量4万2,000バレル
併せて3月3日には、ロシアのアレクサンドル・ノワク副首相が、2024年4~6月に、原油生産と輸出を合わせて日量47万1,000バレルの追加自主削減を行うことを発表した。この追加自主削減は、ロシアが2023年4月に発表し、その後2024年末まで実施することが決定した日量50万バレルの自主削減と、今回延長が決定したOPECプラス加盟7カ国の追加自主減産に加えて行われることとなる。各月の原油生産と輸出の削減量は次のとおり。
4月:日量35万バレルの減産、日量12万1,000バレルの輸出量削減
5月:日量40万バレルの減産、日量7万1,000バレルの輸出量削減
6月:日量47万1,000バレルの減産
今回2024年6月末までの延長が決定した7カ国の自主減産量と、ロシアによる原油生産と輸出の自主削減量の合計は、2024年3月末までは日量約220万バレル、4月から6月末までは日量約270万バレルとなる。
原油価格は、2024年1月から上昇傾向が続いている(添付資料図参照)。米国エネルギー情報局(EIA)の統計によれば、2月26日時点で米WTIが1バレル当たり78.53ドル、北海ブレントが84.01ドルとなった。
(注)サウジアラビア、UAEなどOPEC加盟国と、ロシア、メキシコなど非加盟の産油国で構成される。
(久保田夏帆)
(中東、ロシア)
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