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タイ水産局、輸入冷凍水産物の全量検査を試験的に実施(タイ)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年4月3日 10時0分

タイ水産局(DOF)は2024年3月22日、コンテナで輸入する冷凍水産物の全量検査を4月1日から試験的に半年間実施すると発表し、輸入業者や通関業者などに通知した。違法な輸入による動物伝染病のまん延やタイ国産水産物の価格下落を防ぐためとしている。4月2日には、実際の検査の様子をDOFウェブサイトで公開した

現在、タイ国内の漁業者からは、輸入水産物の過多などよりタイ国産水産物の価格が下落しているとして、政府に対策を求める声が上がっている。今般発表された輸入冷凍水産物の全量検査についても、この対策の一環の可能性がある。

水産物輸入に係る手数料徴取も検討

DOFが属する農業協同組合省(MOAC)では、輸入水産物の過多によるタイ国産水産物の価格下落および違法漁業に関する問題を解決するため、2月13日に第1回海の漁業問題解決委員会会議を開催し、輸入水産物から手数料を微収することを承認した。

手数料の額についてはDOFが関係者と協議しているが、現地報道によれば、手数料の額に加え、水産物のトレーサビリティ確保や輸入検査の強化といった手数料以外の対策をめぐってもさまざまな意見が出ている。

3月7日には第3回海の漁業問題解決委員会会議が開催されたが、DOFが提案した手数料の額に対して、水産物の製造業者、販売業者および輸出業者で組織するタイ冷凍食品協会(Thai Frozen Foods Association)からは高額すぎる旨の意見が発表されるなど、決着はついていない。

タイ輸出支援プラットフォームがDOFに問い合わせたところ、関係者との意見を反映させ、手数料の額の設定の調整を行っていると回答を得ており、今後の動向に注視が必要だ。

(谷口裕基)

(タイ)

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