首脳合意どおりに開かれた数多くの米中ハイレベル対話、ジェトロの米中月例レポート(2024年1月)(米国、中国)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年2月26日 9時30分
ジェトロは2月22日、米国の対中国関連政策についてまとめた2024年1月分の月例レポートを公表した。このレポートは、日本企業が米中関係に関する米国の動向を把握できるよう、2021年7月から毎月分を作成して特集ページに連載している。
2024年1月には、2023年11月にサンフランシスコで行われた米中首脳会談において合意されたとおり(2023年11月16日記事参照)、閣僚間の会合など、ハイレベルの対話の機会が多くみられた。
1月10日には、米国国土安全保障省のアレハンドロ・マヨルカス長官と王小洪・中国公安部長との会談が行われ、同日に、ジョナサン・ファイナー大統領副補佐官(国家安全保障担当)と劉建超・中国共産党中央対外連絡部長の会談も開催された。
続く1月11日には、ジーナ・レモンド商務長官と王文涛・中国商務部長が電話で会談を行い、1月12日には、アントニー・ブリンケン国務長官と劉部長との会談が行われた。
1月18日には、米農務省のトム・ビルサック長官が、農業農村部の唐仁健部長と会談した。米中両国は農業の2国間交流と協力を調整する場として、2003年に農業協力合同委員会を設立したが、同委員会の会合は2015年以降行われておらず、今回の会合は9年ぶりの開催だった。
そのほか、米中間では、第3回金融ワーキンググループ(FWG)が1月18~19日に開催され(2024年1月23日記事参照)、ジャネット・イエレン財務長官が、適切な時期に中国を訪問する意向があることを表明した。さらに1月30日には、米中麻薬対策作業部会の初会合が開かれるなど、実務レベルの会合も行われた。
これらの動きの中で特に注目すべきは、1月26~27日にタイのバンコクで開かれた、ジェイク・サリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)と中国の王毅・共産党中央政治局委員兼外交部長(外相)の会談だろう(2024年1月30日記事参照)。2023年11月の米中首脳会談のフォローアップとして開かれ、2024年1月に行われたハイレベルな米中対話の中でも特に広範な分野を扱い、それらを掘り下げた議論が行われたとされる。同会談の後、米中首脳の電話会談を早期に行うことが発表されたことから、ウクライナや中東情勢の行方が不透明な情勢下であっても、米中間の対話を維持しようとする動きがみえる。
米国の対中政策・措置や米国側から見た米中関係の動向について、行政府、連邦議会、産業界、学会に分けて解説する月例レポートは、こちらの特集ページからさかのぼって閲覧が可能。米中関係に関する中国の動向も確認できる。
(谷本皓哉)
(米国、中国)
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