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イスラエルVCファンドの2023年の組成総額は前年比74%減(イスラエル、米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年4月3日 0時10分

イスラエルのハイテク分野に特化した調査会社IVC、ゴルンツキー GNY法律事務所、KPMGイスラエル、イスラエル・イノベーション庁(IIA)は3月20日、イスラエルのベンチャーキャピタル(VC)、外資系VC、コーポレート・ベンチャーキャピタル(CVC)などの投資家による2023年のハイテク分野への投資動向を分析したレポートを公表した。

イスラエルにおけるVCファンドの2023年の組成総額は大幅に減少した。VCファンドの組成年別の組成総額をみると、2023年に組成されたファンド数は21本、組成総額は15億2,000万ドルで、2022年と比較してファンド数は66.1%減、組成総額は74.3%減となった。組成総額は2015年以降の最低で、ファンド数は2015年、2017年と同程度だった。2023年は上位3位のファンドで組成総額の51%を占め、それぞれ2億ドル以上を組成した。

IVCの推計によると、イスラエルのVCファンドには、まだ投資に回していない待機資金(ドライパウダー)として101億ドルあり、そのうち23.6%は新規企業への投資に、76.4%は既存の投資先企業への追加投資に充てられるという。

外資系VCによる新規投資件数をみると、米国系VCが上位を占め、サムスン・ネクストが13件で最も多く、ロンジェビティ・ベンチャー・パートナーズが7件、NFXが6件と続いた。イスラエル国内のVCでは、2023年の投資件数は新規投資よりも追加投資の方が多かったが、外資系VCでは、2023年の新規投資と追加投資の件数、金額はほぼ同程度だった。

外資系CVCによる2023年の新規投資件数は前年比39.6%減の87件で、イスラエル国内CVCの新規投資件数は5件(前年比82.8%減)にとどまった。CVC別の新規投資件数をみると、ともに米国系のインテル・キャピタルとペイパル・ベンチャーズがそれぞれ4件で最多となった。

2023年のイスラエル国内の機関投資家によるハイテク分野への投資額は1億4,300万ドルで、前年比70.5%減少した。投資件数をみると、2023年の追加投資件数は30件で、2021年(38件)と2022年(39件)の水準からほぼ変わらなかったものの、新たなリスクに対する投資家の意欲を反映する新規投資件数は2023年には7件(前年比83.3%)と低調だった。そうした中で、IIAは2024年1月に、イスラエルの機関投資家がイスラエルのVCファンドに投資することを奨励する投資ファンド「ヨズマ・ファンド」の設立を発表している(2024年1月17日記事参照)。

なお、IVCは2024年1月に、2023年のイスラエルのハイテク企業の動向をまとめた「2023年イスラエル・テックレビュー」を公表している(2024年1月23日記事参照)。

(アリサ・ノスキン、中溝丘)

(イスラエル、米国)

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