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メキシコ大統領、選挙制度改革案で議員定数の大幅削減を提案(メキシコ)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年2月14日 1時45分

メキシコのアンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール(AMLO)大統領は2月5日に18の憲法改正案を含む20の改正案を国会へ提出した(2024年2月7日記事参照)。中でも11番目に記載された選挙制度改革は、議員定数の大幅削減など抜本的な改正案となっている。

その主な変更点は次のとおり。

1. 通常の政党活動および選挙活動における政党助成金を半減させる。
2. 選挙活動におけるラジオ・テレビなどメディア利用に関する政党、無所属候補、国家選挙国民投票庁(INEC)の時間配分を明記する。
3. 国家選挙庁(INE)を廃止し、INECに改編し、地方選挙管理委員会(OPL)を吸収した単一の選挙機関を創設する。
4. 連邦司法裁判所(TEPJF)の裁判官とINECの選挙管理委員の候補者を下院、上院、最高裁判所、連邦行政府から各10人ずつ提出し、国民投票によって、TEPJFの裁判官7人、INECの理事7人を選出する。
5. 下院を500人から300人に削減し、上院は128人から64人に削減する。ただし、下院は1つの州の議席が2人を下回らないようにし、上院は各州2議席ずつとする。
6. 投開票のために情報通信技術の利用を保障し、電子投票の実施を可能とする。
7. メキシコ市を含む地方議会において、各州の人口に応じて議員数を規定する。人口100万人未満の州では議員数は15人を超えてはならず、50万人増ごとに1人ずつ増やし、最大45人までとする。
8. 国民投票が効力を有するため最低投票率を有権者リストの40%から30%に引き下げる。

これらの改正案は同大統領が以前に国会に提出し、否決された内容(2022年5月9日記事参照)と類似しており、政党助成金や議員定数などは前回の改正案よりも大幅に削減された。

同改革案で与党に権力集中がする可能性を示唆

改革案に対して専門家から、2024年の総選挙への影響や与党への権力集中につながる可能性を懸念する声が目立つ。政治アナリストのホルヘ・アルコセル氏は、この改革案について、「2024年の選挙における議論に干渉し、自身の政党および同党の候補者を有利な立場に置くつもりであることを宣言したようなものだ」と非難した(「アリステギ」紙2月7日)。また、メキシコ競争力研究所(IMCO)は2月6日にプレスリリースを発表し、「特に議員定数の削減は、選挙で優位に立つ政党の力を再認識することになり、議席数の少ない政党は発言権を失うことになる」と主張し、この改革案は「この国の民主主義の後退につながる」と強く批判した。

(阿部眞弘)

(メキシコ)

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