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韓国総選挙「タマネギ男」政党の人気がなぜ高いのか 「法難」訴え曺国元法相の新政党が選挙戦の目玉に

東洋経済オンライン / 2024年4月7日 17時0分

2024年4月4日、ソウル市内で選挙活動を行う祖国革新党の曺国(チョ・グク)氏(右、写真・Kim Jae-Hwan/SOPA Images via ZUMA Press/共同通信イメージズ)

韓国は、いま選挙モード一色だ。総選挙の投開票が2024年4月10日に迫っており、ソウルはじめ全国各地で候補たちが朝から晩まで走り回っている。日本の選挙戦よりずっと熱い。

どの国でも選挙の争点はもっぱら生活に身近なイシューであり、外交は脇役だ。とりわけ今回は大統領選挙ではなく国会議員を選ぶ4年に1度の闘いで、候補たちの遊説を聴いていても「この地区に新たな交通網を整備します!」といった身近な公約ばかりだ。

野党勝利なら対日政策に影響も

だが、そうして内政課題が問われた選挙の結果が、往々にして外交にも大きな影響を与えることになる。この韓国総選挙はその典型例になりそうな雲行きで、外交で最も影響を受けそうな国は日本だ。

各種世論調査は進歩系の野党がリードしていると伝えており、尹錫悦大統領を支える保守系与党「国民の力」が大敗を喫すれば、日本との関係改善に踏み切った尹政権の外交にもブレーキがかかることが予想される。

政権・与党に対する批判の急先鋒は、日本でも一時期、むいてもむいても不正が出てくるとされ「不正のタマネギ男」として日本のワイドショーでも紹介、注目を集めた曺国(チョ・グク)元法相だ。

彼は選挙の直前に新党「祖国革新党」を結成して比例代表のみ(300議席のうち小選挙区が254、比例が46)に候補者たちを立て、自身も比例名簿の2番目に載せた。

話題沸騰となったのが、その政党名だ。「祖国」も「曺国」も、ハングルでは同じ「チョグク」と発音する。個人の名前を政党の名称にするのは禁じられているのだが、同音異義語であることから「チョグク革新党」は選挙管理委員会に認められた。

つまり、「祖国を革新するぞ!」とアピールする政党だといいつつ、事実上、曺国氏の名前が連呼されるという前代未聞の党名が登場したわけだ。

限りなく「曺国革新党」に近い「祖国革新党」は、すっかり選挙の台風の目となった。比例代表での支持率は29.5%という世論調査結果も出ている。

これは、進歩系の最大野党「共に民主党」が少数政党に有利な比例代表制の「抜け穴」としてつくった「衛星政党」の19%を上回り、「国民の力」のミニ政党の30.2%に迫る勢いだ。議席数にすると10前後を獲得することになり、2大政党が拮抗した場合、「祖国革新党」が国会でのキャスティングボートを握りそうだ。

しかし、なぜ曺国氏が日本のワイドショーを賑わせたか、思い返してみたい。前の文在寅政権で法相に就任したものの、娘の大学不正入学をはじめ家族のスキャンダルが噴出。彼は就任して1カ月ほどで辞任に追い込まれた。

韓国ドラマのような選挙戦

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