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米フロリダ州知事、未成年者のソーシャルメディア制限法案に署名(米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年3月29日 1時40分

米国フロリダ州のロン・デサンティス知事(共和党)は3月25日、14歳未満の未成年者がソーシャルメディアのアカウントを保有することを禁止する法案(HB3)に署名した。14~15歳の未成年者がアカウントを保有するには、親または保護者の同意が必要となる。

同法案は、14歳未満の未成年者が保有するアカウントや、親や保護者の同意がない14~15歳の未成年が利用するアカウントに関して、規制対象のソーシャルメディアプラットフォーム事業者にアカウントを停止することを義務付けるとともに、アカウント保有者またはその親や保護者がアカウントを停止させることを認めるものだ。また、未成年者にとって有害なコンテンツを故意にウェブサイトなどで公開または配布する企業に対し、18歳未満の未成年者による当該コンテンツへのアクセスを禁止することも求めている。

規制対象者として特定のソーシャルメディアプラットフォーム事業者名は示していないが、無限スクロールの推奨、「いいね」などの反応指標の表示、動画の自動再生、ライブストリーミングやプッシュ通知といった機能を有するものが対象になるとしている(ロイター3月25日)。また、年齢確認を行う規制対象者が法令上の要件に違反した場合、フロリダ州法務局は1件当たり最大5万ドルの民事罰を科すことができる。

共和党指導者や同法案を支持する民主党議員によると、同規制はいじめ、うつ病、社会的圧力、さらには、ソーシャルメディアへのアクセスと結びついた自殺など、州全体の子供たちを悩ませる深刻な問題を抑制するためのものだという(政治専門紙「ポリティコ」3月25日)。

他方で、同法案に対しては、合衆国憲法修正第1条の言論の自由の保護に違反していることに加え、あらゆる年齢の子供たちのオンライン上の存在については政府ではなく、親が決定するべきだと批判する声も上がっている。また、インスタグラムやフェイスブックを運営するメタは、同法案が親の裁量を制限するほか、年齢認証のために利用者が個人情報を提供しなければならないことから、データプライバシー上の懸念が生じるとして、異を唱えている(ロイター3月25日)。

なお、連邦レベルでも、ジョー・バイデン大統領も議会に子供の安全とプライバシーに関する法案を可決するよう強く促しており、オンライン上で未成年者を保護することを目的とした「子供オンライン安全法(Kids Online Safe Act、 KOSA)」(注)の制定が推進されている。他方で、メタやグーグルなどが加盟する技術業界団体のネットチョイスなどは、KOSAの制定に反対している。これら業界団体は、テック企業に焦点を当てるのではなく、児童略取者を捜査する法執行機関への資金提供を増やす解決策を支持すると表明しており、法案成立への道のりは依然として不透明な状況だ(テクノロジー専門誌「ザ・ヴァージ」3月1日)。

(注)テック企業に、利用者に対するアクセス制限や表示されるコンテンツを管理し、プラットフォーム上のプライバシー保護や保護者による監督機能の強化を定めるもの。

(樫葉さくら)

(米国)

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