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デジタル経済の推進に向けて国家戦略策定(スリランカ)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年5月7日 0時20分

スリランカ技術省は4月5日、国内でのデジタル経済の推進に向けて「国家デジタル経済戦略2030」を世界銀行の協力の下で策定したと発表した。同省は本戦略について、「デジタルトランスフォーメーションを含む新たな経済モデルや、現在進行中の経済的課題に対処するための関連施策を実施するとともに、包括的で強靭(きょうじん)な経済回復の一環として、デジタル技術や新興技術の広範な利点を活用できるようになることが期待される」と説明している。

同戦略では、2030年までに目指すビジョンとして「イノベーション、包含、そして持続可能な成長に向けてデジタル技術で強化されたスリランカ」を掲げ、具体的な成果として経済成長や競争力の向上、すべての人に尊厳や適切な生活の質を与える雇用の創出、安全で信用できるすべてを含んだサービスの提供を目指すとしている。それらの目標のために、「インフラ、接続性、アクセス」「技能、識字率向上、産業、雇用」「連結されたデジタル政府」「サイバーセキュリティー、安全、プライバシー」「デジタル金融サービス」「あらゆる産業の中小企業を含むデジタル化」の領域で、「法や規制の整備」「デジタル・アイデンティティ(デジタルID)」「制度的なガバナンス」「データガバナンス」「利害関係者の関与」「民間投資」の推進を掲げている。

具体的には、次を例とした取り組みを進める予定だ。

通信環境整備に向けた、ブロードバンドに関する認可制度の見直し
デジタル能力に関する国家資格の整備や教育の確保を通じた人材開発
イノベーション・ハブとしての認知度向上による投資や研究開発、専門人材の誘致
公共サービスの統合と効率化を目的とした、デジタルID、決済ゲートウェイ、データ交換プラットフォームを含むデジタル公共インフラの開発
革新的なサービス提供のために、データや人工知能(AI)など先端技術を活用
効果的なサイバーセキュリティー・エコシステムを構築するために、地域的・世界的なパートナーシップを構築
革新的で、手頃なデジタル金融サービスの推進
産業界と連携した主要部門でのデジタル化ロードマップの策定や、中小企業でのデジタル技術の導入支援
デジタル戦略実施にかかる、大統領や内閣委員会によるハイレベルのオーナーシップや議会の監督

ITやビジネス・プロセス・マネジメント(BPM)分野の業界団体「スリランカ・ソフトウェア・サービス協会(SLASSCOM)」や「スリランカ情報通信連盟(FITIS)」は、同戦略の策定を歓迎する声明を発表している。

スリランカはオフショア開発やIT、BPOのアウトソーシング先として欧米企業からの評価が高く、複数の海外大手企業が拠点を構える。ジェトロが作成した「南西アジアのデジタル人材調査報告(スリランカ)(2024年3月)」によると、現地進出企業の多くがスリランカのデジタル人材について、英語が堪能であり、職場での協調性が高い一方で、比較的安価な給与水準で確保できると評価されている。

(大井裕貴)

(スリランカ)

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