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バイデン米政権、商用スパイウエア対抗の共同声明への参加国拡大を発表、第3回民主主義サミット(米国、日本、韓国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年3月22日 13時0分

米国のバイデン政権は3月18日、韓国ソウルで開催された第3回民主主義のためのサミット(会期:3月18~20日)で、商用スパイウエア(注1)の拡散と悪用に対抗する取り組みに関する共同声明に、日本、韓国、フィンランド、ポーランド、ドイツ、アイルランドの6カ国が新たに参加したと発表した。

共同声明には、前回サミットで米国を含む11カ国が署名済みで、これに今回6カ国が加わり、合計17カ国が参加する(注2)。共同声明への参加国は、商用スパイウエアの拡散と悪用は国家安全保障に重大な懸念をもたらすとの共通認識の下、前回サミットで発表されていた「監視技術の政府使用に関する指導原則」(注3)と「輸出管理と人権イニシアチブ(ECHRI)」の行動規範(2023年3月31日記事参照)で策定された取り組みを各国の法的枠組みの下で実施する。具体的には、既存の輸出管理制度に従って、悪意のあるサイバー活動に関与する可能性のあるエンドユーザーに対するソフトウエア、技術、機器の輸出を防止するほか、これらの特定と追跡を含む商用スパイウエアの拡散と悪用に対する情報共有などを行う。

なお、ジョー・バイデン大統領は2023年3月に、商用スパイウエアに関する大統領令(E.O.14093)を発出し、安全保障上の脅威がある商用スパイウエアの拡散や不適切な利用リスクを防ぐため、米国政府が運用上使用しない方針を定めた。当該大統領令で示された方針に沿って、米国財務省外国資産管理局(OFAC)は3月に、米国人を標的とする商用スパイウエアの開発・運用・配布に関与したとして、ギリシャのソフトウエア開発会社インテレクサと関連企業5社、創業者など個人2人を金融制裁対象の「特別指定国民(SDN)」に指定(注4)するなど、商用スパイウエアの悪用に対抗する取り組みを強化している。また、中国企業による携帯端末や港湾荷役機械などを通じて情報が窃取される懸念から、共和党が多数派を占める連邦議会下院を中心に、対抗措置を求める動きが活発化している(2024年3月12日記事2024年3月14日記事参照)。

(注1)コンピュータに記録されている情報を外部に送信するソフトウエア。合法的な捜査の一環として利用されることもあるが、悪用される懸念もある。

(注2)米国、日本、カナダ、コスタリカ、ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、デンマーク、ポーランド、ドイツ、フランス、スイス、英国、アイルランド、オーストラリア、ニュージーランド、韓国。

(注3)指導原則は、政府の監視技術の悪用による人権侵害を防止することを目的に策定されたもので、前回サミットで48カ国が承認している(米国国務省の記者発表資料参照)。

(注4)SDNに指定した事業体・個人は、在米資産の凍結や、米国人との資金・物品・サービスの取引禁止が科される。SDNが直接または間接的に50%以上所有する事業体も当該制裁の対象となる。なお、米国人には、米国市民、米国永住者、米国の法律に基づく、もしくは司法権が及ぶ域内に存在する法人(外国支所も含む)、もしくは米国内に存在するあらゆる個人が含まれる。

(葛西泰介)

(米国、日本、韓国)

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