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ガストロノミー国際会議「イデンティタ・ミラノ」で日本産水産物・酒類をPR(イタリア、日本)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年4月12日 0時20分

イタリアの大規模なガストロノミー国際会議「第19回イデンティタ・ミラノ2024」が3月9~11日にミラノで開催された。トップシェフやレストラン関係者、輸入業者などの業界関係者が一堂に会し、業界を代表するシェフなど155人が講演したほか、85のマスタークラス(専門家によるワークショップ)が開催され、食品関連企業などが70以上のブースを設けた。

ジェトロは今回で4回目の参加となり、ジェトロブースの出展とマスタークラスを開催。ブースでは、欧州でも希少な日本産マダイをはじめ、既にイタリア市場にも流通する日本産のホタテ、ハマチの市場拡大のため、在ミラノ日本人シェフ考案のフィンガーフードの試食を行った。ホタテのバタートリュフ、マダイの刻みわさびのマリネ、ハマチのハラペーニョソースのカルパッチョなどを提案した。また、イタリア人バーテンダーが日本産酒類を使って考案したカクテルの試飲も実施。イタリアで好んで飲まれるカクテルのネグローニには日本産のジンや梅酒を合わせたほか、日本産のゆずリキュール、泡盛、日本酒などを使ったカクテルも提案した。いずれも、イタリア人の食文化に合わせたメニューで、来場者に違和感なく受け入れられ、日本産製品への関心を高めた。

見どころの1つとなったブースデザインは、在ミラノのアーティストの長尾智子氏が監修し、世界に向けて情報発信力の高いミラノで、来場者に対して日本産食品のみならず、日本の文化やフィロソフィーもアピールすることを狙った。

シェフやホテル経営者の来場が多い最終日の11日には、2つのマスタークラスを実施。水産物セミナーでは、国際すし知識認証協会理事・事務局長の小川洋利氏を講師に招き、高度に発達した日本の水産コールドチェーン(注1)の仕組みを説明したほか、うまみや鮮度をできるだけ落とさずに魚を処理する日本の生け締めの技術について解説し、「大事な命をいかにおいしく食べるかという日本人の魚への尊敬意を込めた」手法について熱弁。カクテルセミナーでは、人材派遣事業を行うSGグループ創設者で数多の受賞歴を持つバーテンダーの後閑信吾氏が日本の「國酒(こくしゅ、注2)」を使ったカクテル作りを実演した。日本の高い酒類製造技術や特徴を交えながら、焼酎、日本酒、梅酒をベースとしたオリジナルカクテルの試飲を行い、参加者には併せて提供された日本産マダイのフィンガーフードとの相性の良さも伝えた。総勢200人が参加し、「漁獲物への敬意と、天から与えられたものを尊重し、その特性を最大限高めて感謝し、消費するというメンタリティーは日本ならでは」「國酒と他の蒸留酒のハイブリッドカクテルを洗練されたクオリティーで実現している」といったコメントがあった。

世界的にも人気のあるイタリア料理やカクテルに日本産食材を浸透させ、イタリア市場のみならず、日本から世界への農林水産物・食品の普及、販路拡大を期待したい。

写真 イベントの様子(ジェトロ撮影)

イベントの様子(ジェトロ撮影)

写真 さまざまな酒類の試飲(ジェトロ撮影)

さまざまな酒類の試飲(ジェトロ撮影)

(注1)コールドチェーンは、生産から販売までのサプライチェーンを低温管理のもとで行うプロセスや技術。低温物流体系。

(注2)日本酒、焼酎、泡盛、本みりんの総称。

(山本千菜美)

(イタリア、日本)

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