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第1四半期のCPI上昇率、前年同期比3.77%、直近は上昇傾向(ベトナム)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年4月5日 14時45分

添付資料PDFファイル(262 KB)

ベトナム統計総局は3月29日、2024年第1四半期(1~3月)の消費者物価指数(CPI)上昇率(推計値)を前年同期比3.77%と発表した。原油価格の高騰などを背景に、2023年1月に前年同月比4.89%まで上昇していたCPIは、ベトナム国家銀行(中央銀行)の主要政策金利引き下げや、高騰していたエネルギー価格の一服などで、2023年2~6月に大きく低下していた(添付資料図参照)。しかし、2023年後半から再び上昇して3%台が続いており、2024年2月は3.98%、3月は3.97%と、4%近くまで上昇した。

第1四半期のCPIを財別にみると、穀物は16.51%と最も上昇率が高かった(添付資料表参照)。統計総局の分析によると、世界最大のコメ輸出国インドがコメ輸出を2023年7月に禁止したことなどを背景に、コメの輸出価格だけでなく、ベトナム国内のコメやその他の穀物価格が同年後半から高騰している。加えて、ベトナムの旧正月に伴う需要増加が価格を押し上げた。

次に上昇率が高かった教育は9.02%だった。一部の省・市での授業料引き上げが影響した。続いて、薬・医療は6.51%で、保健省による医療サービスの価格見直しが影響した。住居(費)・建築材は5.40%で、セメントなどの資材価格の高騰や、2023年5月と11月の2度の電気料金引き上げ(2023年5月15日記事参照2023年11月20日記事参照)などが上昇要因となった。

政策金利据え置き方針で、ドル高ドン安が進行

足元でインフレが加速しつつあり、中央銀行と金融監督機関双方の役割を担うベトナム国家銀行は、物価と金融システムのバランス維持に苦慮している。同行は、2023年に引き下げた政策金利を2024年上半期は据え置きし、銀行の貸し出しを後押しするなど、経済回復を優先する方針を明らかにしている。4月3日時点のディスカウントレート(公定歩合)は年3.0%、リファイナンスレートは年4.5%だ。

しかし、米国との金利差も現行水準が当面続くため、ドル高ドン安が加速しており、資源や原材料の輸入価格の上昇をはじめとするさらなるインフレの誘発も懸念される。ベトナム国家銀行は3月11日から公開市場操作で金融市場の資金を吸収する売りオペを行っていたが、4月2日に金融市場に資金を供給する買いオペに転じたため、ドン安圧力はさらに強まりそうだ。

2023年末に1ドルは2万4,300ドン付近で推移していた為替は、4月に入って2万5,000ドンに達した。2023年6月までは2万3,500ドン付近だったことから、10カ月でドン安が約6%進行したことになる。

(萩原遼太朗)

(ベトナム)

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