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米東海岸の港湾労使交渉で暫定合意発表、労働者側が批准投票へ(米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2025年1月10日 11時20分

米国東海岸港湾の労使交渉を巡り、雇用者側の米国海運連合(USMX)は1月8日、労働者側の国際港湾労働者協会(ILA)と新たな6年間の労働協約で暫定合意に達したと発表した。今後、労働者側の組合が賃金表(Wage Scale)委員会を開いて批准投票を行い、組合員が最終契約の条項を批准するまで現行の契約に基づいて事業を継続する。なお、新たな暫定協約の内容は、双方が最終文書を検討・承認するため、現時点では詳細は公表されていない。

両者は同日の共同声明で、「この協約は、現在のILAの雇用を守り、東海岸とメキシコ湾岸の港湾を現代化することで、より安全で効率的なものにし、われわれのサプライチェーンを強力に保つために必要な能力を創出しながら、技術導入の枠組みを構築し、より多くの雇用を生み出すものだ」と述べた。

2024年10月1日に東海岸とメキシコ湾岸で始まった大規模ストは、USMXが新たな6年間の労働協約で62%の賃上げを提示したことにより、3日間で終結した。その後、現行の基本契約は2025年1月15日まで延長されたが、港湾での自動化問題を中心とした対立で労使交渉が決裂していた(2024年11月19日記事参照)。

事情に詳しい関係者によると、新たな労働協約では、港湾ターミナルの運営者と海運業者が、コンテナ処理の効率向上に必要な自動化技術を導入するための広範な権利を得る一方、組合側は導入された設備を構成する各所に特化した新規雇用の保証を得ることになり、双方が求めていた契約条件に合意した(フレートウェーブス1月8日)。

ILAのハロルド・ダゲット委員長は、2024年12月にドナルド・トランプ次期大統領の私邸で行った会談で、自動化技術導入に対するILAの組合員の保護を勝ち取ったことが、今回の暫定的な基本協約の合意に至る交渉ができた主な理由としている。トランプ氏は12月中旬に、自身が設立したSNS「トゥルース・ソーシャル」への投稿で、「(自動化によって)節約できる金額は、米国の労働者に与える苦痛、傷害、損害には到底及ばない」と、自動化に反対する労働者側の主張を支持していた。また、外国企業が米国市場へのアクセスを通じて記録的な利益を上げつつ、米国の労働者の雇用を犠牲にしている、と非難していた。

(樫葉さくら)

(米国)

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