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三海域イニシアチブ、新たな戦略的パートナーとして日本を迎える(リトアニア、中・東欧、EU、米国、ドイツ、日本、ウクライナ)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年4月22日 0時5分

三海域イニシアチブ(3SI)第9回首脳会合が4月11日、リトアニアのビリニュスで開催された(2024年4月19日記事参照)。3SIは、バルト海、黒海、アドリア海地域の中・東欧13カ国の経済協力枠組みで、2016年から首脳会合を毎年開催している。今回の会合では、米国、ドイツ、欧州委員会に続く4番目の戦略的パートナーとして日本が加わったことが発表された。

ホスト国リトアニアのギターナス・ナウセーダ大統領は「日本の参加により、三海域地域と世界のサプライチェーン、特にインド太平洋地域とのつながりが強化されるだろう」と、日本の参加を歓迎した。また、日本の上川陽子外相は3SIに寄せたビデオメッセージの中で、日本は欧州諸国、特にバルト3国における連結性強化を重視しており、地域内外の国々と連携しながら、3SIへの関与を強化していくと述べた。

会合後の共同声明では、ロシアによるウクライナ侵攻を引き続き強く非難した。ロシアがウクライナからすべての軍隊を即時かつ無条件に撤退させることを求めたほか、3SI地域における輸送および物流インフラの強化がウクライナ復興の鍵であると強調した。その上で、ウクライナの輸送・物流インフラの再建のために、国際交通フォーラム(ITF)の加盟国によりウクライナ共通利益グループ(CIG4U)が立ち上げられたことを歓迎し、関係国への参加を呼びかけた。また、3SIは、ウクライナとモルドバとのEU加盟交渉を開始するという欧州理事会(EU首脳会議)の決定を歓迎するとともに、ロシアによるウクライナ侵攻の文脈の中でモルドバが直面している法秩序を損なう威圧行為を非難した。

2024年進捗報告書によると、3SIは輸送、エネルギー、デジタルの主要3分野においてこれまでに合計で143のプロジェクトを発表しており、推定投資額は1,110億ユーロに達した。共同声明では、既存の3SI投資ファンドが達成した成果を賞賛するともに、欧州投資基金(EIF)と協力してスタートアップ向けの新たなイノベーションファンドの開発が進んでいることを明らかにした。

首脳会合と同日、3SIビジネスフォーラムが開催された。30カ国以上から約1,000人が参加し、3SI地域の交通インフラの発展や、ウクライナの復興に焦点が当てられた。日本からは民間企業のほか、国際協力銀行(JBIC)、経済産業省、ジェトロの代表者が参加した。

3SI加盟13カ国は、エストニア、ラトビア、リトアニア、ポーランド、チェコ、スロバキア、オーストリア、ハンガリー、スロベニア、クロアチア、ルーマニア、ブルガリア、ギリシャとなっている。前回の会合では、ウクライナとモルドバに準メンバーの地位が付与された(2023年9月12日記事参照)。次回2025年の3SI首脳会合およびビジネスフォーラムはポーランドで、2026年はクロアチアで開催される予定だ。

写真 リトアニアのイングリダ・シモニーテ首相(左から2人目)(3SIビジネスフォーラム会場にて、ジェトロ撮影)

リトアニアのイングリダ・シモニーテ首相(左から2人目)(3SIビジネスフォーラム会場にて、ジェトロ撮影)

(柴田哲男、坂口良平、柴田紗英)

(リトアニア、中・東欧、EU、米国、ドイツ、日本、ウクライナ)

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