新興EVメーカーのNIOが「NIO day 2024」を開催、幅広い価格帯のモデルを発表(中国)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2025年1月8日 0時30分
中国上海市に本社を置く新興電気自動車(EV)メーカーの蔚来汽車(NIO)は2024年12月21日、広東省広州市で「NIO Day 2024」(以下、「イベント」)を開催し、同社を設立した2014年から10年間の技術を集約したスマートEV「NIO ET9」を発表した。
この車は、同社が開発したAI活用の車両総合オペレーションシステム「SkyOS天枢」を搭載し、31個の高性能センサーを装備する。また、高速道路のサービスエリアに設置されたバッテリー交換ステーションまでのパイロットアシスト、車線の中央付近の走行を維持する車線維持支援システム、リモートパーキングアシスト(注1)などの運転支援システムを備える。900ボルト(V)の高電圧アーキテクチャーをベースに開発されており、最長航続距離は650キロ、価格は78万8,000元(約1,655万円、1元=約21円)からで、納車は2025年3月から行う予定だ。
同イベントにおいて、NIOの小型EVブランド「Firefly(蛍火虫)」の初モデルとなるコンパクトなハッチバック(注2)EVも併せて公開し、予約販売を開始した。価格は14万9,000元で、NIOとしては初の小型かつ低価格帯の車種となる。
NIOは2024年9月にも、新ブランド「ONVO(楽道)」の初モデルとなるミドルサイズスポーツ用多目的車(SUV)タイプのEV「ONVO L60」を発売している。販売価格は、これまでのNIOブランドと比較すると中価格帯に位置し、20万7,000元からとなっている。今回のイベントで発表したブランドにより、低価格帯の車から高級車までをそろえたかたちになる。
イベント後の記者会見で、李斌創始者兼最高経営責任者(CEO)は「自動車産業は不確実性が高い。中国におけるトップ10企業も10年前と現在では間違いなく変わっている」と述べるとともに、2035年には世界自動車企業のトップ10のうち、少なくとも5社が中国企業になると強調。中国自動車企業が世界市場の40%以上のシェアを占めるだろうとの見方を示した(「新浪財経」2024年12月22日)。
(注1)スマートフォンの専用アプリで車両を遠隔操作することを指し、狭い場所での駐車や出庫をサポートする。
(注2)ハッチバックは自動車の分類の一種で、独立したトランクルームがない車を指す。トランクルームと乗車スペースの仕切り壁(バルクヘッド)がないため、スペースを広く使うことができるという利点がある。
(神野可奈子)
(中国)
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