「スマホに子守り」育ちをゆがめる危険
JIJICO / 2015年1月9日 17時0分

「スマホに子守り」育ちをゆがめる危険
子どもを静かにさせるため、スマホを与える保護者が続出
今、子どもを静かにさせるという目的で、保護者がスマホを与えるという場面をしばしば目にします。「スマホに子守をさせないで!」は(社)日本小児科医会によるポスターのタイトルです。
その中で「×」として、次のことが挙げられています。
(1)むずかる赤ちゃんにアプリで応えることは、赤ちゃんの育ちをゆがめる可能性があります。
(2)親子の会話や体験を共有する時間が奪われてしまいます
(3)親がスマホに夢中で赤ちゃんの興味、関心を無視しています。赤ちゃんの安全に気配りができていません。
また、「〇」として、次のことが挙げられています。
(1)赤ちゃんと目と目を合わせ、語りかけることで赤ちゃんの安心感と親子の愛着が育まれます。
(2)親子が同じものに向き合って過ごす絵本の読み聞かせは、親子がともに育つ大切な時間です。
(3)散歩、外遊びなどで親と一緒に過ごすことは 子どもの体力・運動能力、五感、共感力を育みます。
日本小児科医会、メディアへの接触総時間は2時間までと提言
さらに この(社)日本小児科医会では2004年に“「子どもとメディア」の問題に対する提言”を発表しています(メディアとは テレビ、ビデオ、テレビゲーム、携帯用ゲーム、インターネット、携帯電話など)。この中ですべてのメディアへの接触総時間は、2時間までとしています。
この提言は、医療の現場において「心身の発達の遅れや歪みが生じた子ども」を診察されている事実からなされたものです。10年前のものですので、当時、スマホはまだありませんでした。スマホが普及して、メディアに接する機会が一層増えたことを考えると、この提言は生きているものと考えます。
また、仙台市は東北大学と協力し、平成25年に仙台市標準学力検査、生活・学習状況調査を市内2万4千人の中学生対象に行いました。その結果報告から作られた家庭向けのパンフには「スマホや携帯の使用時間は1時間以内」とあります。
「親との温かい関わり」が無いと、後で様々な症状に苦しむ
子どもの脳は、生後数年間の間に著しく発達します。その時期に入る情報は記憶の神経に蓄えられます。私はトラウマ治療をする中で 小学生から60代までの人々に会いますが、子ども時代に得られるはずの「親との温かい関わり」「安全で安心できる居場所」が無かったことが、様々な苦しい症状につながっています。
ゲームやアプリの内容によっては、子どもの言葉、知識、意欲を育てることにつながります。使用時間と内容の検討を、10年後、20年後という「子どもの未来」に思いを馳せてお願いしたいと思います。
(福田 育子/心理カウンセラー)
この記事に関連するニュース
-
「ちゃんとしなさい」と叱る親の子ほどできない訳 言葉がけは「ロジカルに」「フルセンテンスで」が基本
東洋経済オンライン / 2023年12月1日 15時30分
-
【家庭内感染実態調査】感染症を持ち込むのは大人!?小児科医と母親では感染源と対策方法の意識に乖離が
共同通信PRワイヤー / 2023年11月30日 18時0分
-
子どもの「斜視」…病気?それとも遺伝?治療法について眼科医が解説
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2023年11月28日 15時0分
-
福井県あわら市が『産婦人科・小児科オンライン』を導入
PR TIMES / 2023年11月21日 12時15分
-
「がん治療を中止して下さい」親の苦渋判断で退院し3カ月後に旅立った3歳男児に担当医の心が"青空"だった訳
プレジデントオンライン / 2023年11月10日 11時15分
ランキング
-
1“キレやすかった”31歳交際男を逮捕 18歳遺体を「山奥まで運び遺棄した」
日テレNEWS NNN / 2023年12月2日 7時17分
-
2「島を返せ」北方領土の元島民ら500人 東京・銀座でデモ行進
毎日新聞 / 2023年12月2日 9時32分
-
3オスプレイ飛行 米は「安全上の懸念ない」 停止の日本は安全性優先
毎日新聞 / 2023年12月2日 15時31分
-
4薬物発覚も 「澤田副学長がもみ消すと…」 日大アメフト部員が初公判 “廃部”は結論持ち越し
日テレNEWS NNN / 2023年12月2日 7時9分
-
5女性は失踪当日に死亡か 交際相手の男が生存偽装の疑いも 山梨死体遺棄事件
産経ニュース / 2023年12月2日 12時32分
記事ミッション中・・・
記事を最後まで読む

記事ミッション中・・・
記事を最後まで読む

エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
