「嫌い」「危ない」で消える学校の風景、過保護の代償
JIJICO / 2015年2月7日 17時0分
「嫌い」「危ない」で消える学校の風景、過保護の代償
ジャポニカ学習帳から昆虫の表紙が消える
「ジャポニカ学習帳から昆虫の表紙が消えた」。学習帳を愛用していた親の世代なら、このニュースに驚いた人も多いかもしれません。「娘が昆虫写真が嫌でノートを持てないと言っている」「授業で使うとき、表紙だと閉じることもできないので困る」など、保護者だけではなく、教師からも「気持ち悪い」という声が上がったそうです。
子どもからすると、ノートを使う機会は多く、学校の授業や家に帰ってからの宿題、翌日の準備などにも関わってきます。学校の先生も、ノートを集めたり、添削したりと、目に触れる機会は少なくありません。
確かに、都心部を中心に昆虫の姿は昔ほど多くは見られなくなりました。しかし、それでも全く生息しなくなったわけではないのに、こうした声が上がってくるようになったということは、昆虫に対して嫌悪感を示す人が増えてきた、虫に接する機会が減った、ということかもしれません。
「危ない」という理由でアルコールランプも消えた
そのほか、「危ない」という理由で消えている学校用具に驚く人も多いことでしょう。例えば、理科の実験でおなじみのアルコールランプです。
危険の理由は、「児童・生徒が実験机から落とす可能性がある」「アルコールが気化し、爆発する可能性がある」「アルコールランプが傾いて液が芯の近くまでいって燃えあがる可能性もある」というものです。
さらに、今どきの子は「家庭でマッチを擦る経験をしていない」ため、アルコールランプに火を付けるという実験以前の段階で時間がかかってしまうという理由もあるようです。学習時間が限られる中、実験をスムーズに進めるためには、より安全で、管理や指導しやすい器具に変えていくということは合理的といえるでしょう。現在では、アルコールランプにかわり、ガスバーナーやガスコンロが一般的となっています。
自然から学ぶ機会が損なわれてしまう
少し言い過ぎかもしれませんが、私たち人間が自然に対して関心を払わなくなってきているのではないでしょうか。
雄大な山や美しい草花、生き物からは感動を覚え、災害からは人の力が到底及ばないことを身を持って学ぶことができます。
気持ち悪い、危険という過保護的な見方では、ますます自然から学ぶ機会が損なわれてしまいます。自然と共に私たち人間があるということを自覚するためにも、自然とたくさん触れ合う機会を設け、自然と遊ぶ楽しさを子どもたちに伝えていかなければならないと思います。
(田中 正徳/次世代教育プランナー)
この記事に関連するニュース
-
広尾学園小石川中学校が10月19日に授業体験会・学校説明会を開催
Digital PR Platform / 2024年10月4日 20時5分
-
“魔の七歳”の事故削減を目指す「もしかもプロジェクト」を題材にした授業を渋谷区立臨川小学校で実施
PR TIMES / 2024年10月4日 19時40分
-
自然災害からくらしを守る 桜島桜峰小学校など14校が防災授業
KYTニュース / 2024年9月27日 12時1分
-
なぜ「逆走ママチャリ」がここまで炎上したのか…自転車が絶対に「右側通行」で走ってはいけないワケ【2024上半期BEST5】
プレジデントオンライン / 2024年9月22日 8時15分
-
悠仁さまの文化祭ピザ模擬店で目撃された“お姿”、おそれ多くも浮かんだニックネームとは/辛酸なめ子
女子SPA! / 2024年9月19日 8時46分
ランキング
-
1「もう一度政権交代を実現してもらいたい」立憲・菅直人元総理が引退会見
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年10月8日 14時6分
-
2「裏金議員」続々非公認 それでも比例出馬目指す「政界渡り鳥」杉田水脈氏に大ブーイング
J-CASTニュース / 2024年10月8日 12時25分
-
3速報 ダンプカー2台など車3台が絡む玉突き事故 男性3人が病院搬送 現場は片側1車線の国道 北海道森町
北海道放送 / 2024年10月8日 12時31分
-
4「ひもで首を絞めた」逮捕された15歳男子中学生が供述 親子は2か月ほど前に現場アパートに引っ越してきたか 札幌市白石区
北海道放送 / 2024年10月8日 13時16分
-
5【10.27総選挙289全選挙区緊急予測】最大の焦点は“裏金議員”への審判 統一教会問題と併せてW逆風に晒される萩生田光一・元政調会長、立民は有田芳生氏が刺客候補に
NEWSポストセブン / 2024年10月8日 6時58分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください