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「長期休暇」から「多様な休み方」の時代へ?国・企業・個人の課題を考える

JIJICO / 2018年9月1日 7時30分

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「長期休暇」から「多様な休み方」の時代へ?国・企業・個人の課題を考える


日本の企業は「8月15日前後の数日間の休暇」が昔から多い

日本にはお盆休みという習慣があるため、多くの企業は8月13日から16日を中心とした夏季休暇を設定しています。今年の場合、11日が土曜日だったので週休2日制の企業の場合、11日から16日までの6日間を夏季休暇としているところが多かったようです。

ただし、流通業や飲食・宿泊業のように一斉休暇を取りづらい業種では、昔から7月8月にかけて順番に夏季休暇をとるという方法を採用していますが、休暇日数は3日か4日ということが多いでしょう。
それを裏付ける事実として、マクロミルが今年6月にインターネットを介して全国20~59歳の会社員1,000名を対象に行った調査結果に現れています。
<夏季休暇の時期>
1位 60.0% 8月のお盆周辺
2位  7.8% 8月のお盆周辺以外
3位  4.7% 7月
4位  4.0% 9月
5位  0.90% その他の月
※18%が「夏休みはない、取得しない」

<夏季休暇の日数>
1日 2.2%
2日 1.0%
3日 7.2%
4日 9.1%
5日 24.9%
6日 10.8%
7日 7.2%
8日 2.9%
9日 15.8%
10日 5.5%

変化のスピードが早い世の中になったと言われますが、夏季休暇については、8月15日前後に全社一斉で数日間の休みを取る企業が多い風潮が過去30年以上に渡って継続しています。

フランスでは1回あたり平均日数9.6泊のバカンス

ところで、ここ数年訪日する外国人旅行者数が急速に増加していますが、2018年7月の推計値が前年同月比 5.6%増の 283 万 2 千人。昨年 7 月の 268万 2 千人を 15 万人以上上回り、7 月として過去最高を記録したと、国際観光振興機構から発表されました。

また観光庁発表の「H28年度訪日外国人の消費動向」において、観光・レジャーを目的とした訪日外国人の平均泊数は 5.8 泊で、欧州や米国、 カナダ、オーストラリアからの旅行客は10泊以上であることが報告されています。

夏季休暇を利用して日本を訪れる外国人は、長期間の滞在を楽しんでいるようですが、日本人の多くは、「よく長く休めるな」とか「のんびりと旅行が出来て羨ましい」などの感想を持つのではないでしょうか。

一般的に長い夏季休暇をとるイメージが強い国はフランスですが、具体的にどのような夏休みをとっているのでしょうか。フランス人は、長期休暇のことをバカンスと言いますが、その定義は1ヵ所に連続して4日以上滞在することを指しています。少し古いデータですが、2007年にフランスの経済財政雇用省観光局が発表した調査結果によると、バカンスへ行った人の割合が63.9%で、バカンスの年間平均取得回数が2.4回、バカンス1回当たりの平均日数が9.6泊になっています。こうした数字を見ていると、日本人は諸外国の人々に比べて長期休暇をとっていないと言えそうです。

日本の年次有給休暇の付与日数、アジアでは多い方だが世界的にはそうでもない

日本人が夏季に長期休暇を取っていないことは事実として、そもそも一年間を通じて長短を問わず休暇自体の取得ができているのかどうかが気になります。休暇というと真っ先に思い付くのが有給休暇ですが、これは法律によって定められた休暇で、一般的な正社員の場合、入社半年後に10日間が与えられて、以後いくつかの条件を満たせば、6年6ヶ月後に年間で最大20日間の年次有給休暇が発生します。

また、一年間で消化できなかった有給休暇は翌年に限り繰り越せるので、最大で40日の有給休暇を持つことが出来ます。

さて、この日本の有給休暇日数は、国際的に見て多いのでしょうか、少ないのでしょうか。旅行のオンライン予約サイトを世界的に展開しているエクスペディアが30ヶ国を対象に毎年行っている「有給休暇国際比較調査2017」によると、各国の働き手に付与される年次有給休暇日数は以下のとおりです。

30日 フランス スペイン ブラジル
28日 イタリア
25日 オーストリア
20日 日本 インド
15日 韓国
14日 香港 シンガポール メキシコ

これを見ると、最大で20日という日本の水準は、アジアでは多い方ですが、それ以外の地域と比べると少ないことが分かります。ちなみにアメリカは、先進国の中で唯一、年次有給休暇を取得する権利を保障する法律がないので、休暇をとった際に賃金を支払うかどうかは雇用主次第になっています。したがって、アメリカの年次有給休暇日数はゼロです。

有給消化率もあわせて考えると日本は世界最低クラス

話を元に戻します。上記の法律で付与される日数に対して、実際に有給休暇を消化した割合は以下のとおりです。
100% フランス スペイン ブラジル オーストリア 香港
93% シンガポール
86% メキシコ
75% イタリア
67% 韓国
50% 日本

したがって、実際に取得した有給休暇日数は以下のとおりです。

30日 フランス スペイン ブラジル
25日 オーストリア
21日 イタリア
16日 インド
14日 香港 シンガポール
12日 メキシコ
10日 日本 韓国
つまり、日本は有給休暇の消化率でも取得日数でも最下位という結果になります。

「有給休暇」以外の「休み」が意外と多い日本の企業

こうした結果を見ると、有給休暇をとらない日本人ビジネスマンは休まずに働き続けているイメージになりますが、そう言い切ってよいのでしょうか。

法定外休暇が多い日本の企業

実は、休暇の中には「法定休暇」と「法定外休暇」の二種類があります。さらに、「休暇」の他に「休日」という種類の休みがあります。有給休暇はこのうち「法定休暇」に属するものなので、「法定外休暇」と「休日」まで視野を一度広げないと、日本人の休み方の実情が浮かびあがってきません。

法定休暇には、年次有給休暇の他に産前産後休業、介護休暇などがあります。そして、法定外休暇とは、法律で付与することが義務づけられていないけれど、企業が独自に設定している休暇です。具体的に言うと、「夏季休暇」「年末年始休暇」「慶弔休暇」「リフレッシュ休暇」「疾病休暇」などがあります。

法定外休暇の中で、特に「夏季休暇」と「年末年始休暇」は、多くの企業が設定しています。夏季休暇の日数は、冒頭の調査結果に基づくと5日から6日が平均値になります。年末年始休暇については、業種や会社によって異なりますが、金融機関のように12月31日から1月3日の4日間という短いところもありますが、12月29日から1月3日の6日間という会社が多いはずです。

私たちが当然と思っているこれらの休暇は、実は日本独自のもので諸外国にはありません。夏に長いバカンスをとるフランス人は法定の年次有給休暇を消化しているだけです。また、多くの国では1月1日は「休日」になっているため休みますが、国中の企業が年末年始に何日も休むということはありません。その代わりに、クリスマスに休むことはありますが、これもキリスト教国では、12月25日が休日になっている国が多く、それに合わせて有給休暇を付け足して何日か休んでいるだけで、会社全体でクリスマス休暇を設けているのではありません。

日本の「祝日」の多さは世界でもトップクラス

次に「休日」についてです。「休暇」との違いは「休日」が労働義務のない日として設定されるのに対し、「休暇や休業」は労働日であるにもかかわらず労働義務が免除される日という違いがあります。具体的には祝日がこれに当たります。

日本には現在年間16日の祝日がありますが、これは国際的に見て相当多い日数です。
18日 インド コロンビア
16日 タイ レバノン 韓国 日本
15日 アルゼンチン チリ フィンランド
・・・
12日 ブラジル オーストリア他
11日 シンガポール フランス イタリア他
10日 ドイツ他

日本の場合、それ以外に「振替休日(ハッピーマンデー)」という制度があるので、暦によって毎年日数は異なりますが、実際には18日から19日が祝日となることが多いので、世界で一番祝日が多い国と言えるかもしれません。

すべてを考慮した「非労働日」の平均はヨーロッパとあまり変わらない?

以上の、法定休暇、法定外休暇、休日に加えて、完全週休2日制を前提とした週休日を加味した年間の非労働日が何日あるかを試算してみると以下のとおりになります。
フランス、ドイツ
(週休日)104日+(休日)11日+(年次有給休暇)30日=145日
イタリア
(週休日)104日+(休日)11日+(年次有給休暇)25日=140日
イギリス
(週休日)104日+(休日)8日+(年次有給休暇)25日=142日
日本
(週休日)104日+(休日)18日+(年次有給休暇)20日+(法定外休暇)8日=150日
フランスやドイツは年次有給休暇の消化率が100%なので、掛け値なしに年間145日休む働き手がほとんどですが、日本は有給休暇の消化率が50%ですから、実際には140日程度休んでいる人が多いことになります。イタリアの場合は有給休暇の消化日数が21日なので、実質的には136日の休暇休日数になります。

日本は休み自体が少ないのではなく「休み方の自由度」が低いという問題がある

細かい数字レベルで、この試算が正確である保証はありません。しかし、日本人は決して休暇や休日の日数が少ないのではなくて、国や会社が一方的に決めた休みのスケジュールに従って、皆が一斉に短い休みをとっている傾向があることは間違いなく言えそうです。つまり、「休み方の自由度」が低いのが日本社会の特徴なのです。

とは言うものの、正社員であれば、入社後7年もすれば最大で20日間の年次有給休暇が発生するのだから、月曜日から金曜日までの5日間を有給休暇として、さらに前後の土日を合わせて9日間の連続休暇を取ることが可能です。それを年2回行い10日間の有給消化をするだけで、1回当たりの平均日数9.6泊の休みを年平均2.4回取るフランス人のバカンスに近い休み方を日本人でも出来そうなものです。しかし、実際にはそんな休み方をする日本人はほとんどいません。なぜなのでしょうか。

ここでは、平成14年という大変古いデータですが、日本労働研究機構が行った「年次有給休暇の取得に関するアンケート調査」の結果を参考にします。この調査結果は、統計学的な分析を緻密に行っている数少ないデータのため価値が高いからです。この十数年間で日本人の有給休暇取得に関する行動の変化が少ないので、原因も変わっていないと推論して差し支えないでしょう。

この調査では、年休未消化の理由は3因子構造だとして、3つの因子をあげています。
第1因子:休暇に対する消極性
お金がかかる/混雑する/家族と休みの時期が合わない/休んでもすることがない
第2因子:人事・処遇への懸念
上司がいい顔をしない/勤務評価等への影響不安/周囲が取らないので取りにくい
第3因子:要員管理・業務量管理上の問題
仕事を引き継いでくれる人がいない/仕事の量が多すぎる/他の人に迷惑

そのうえで、「休暇に対する消極性」は「人事・処遇への懸念」と「要員管理・業務量管理上の問題」との間に相関関係が見られないが、「人事・処遇への懸念」と「要員管理・業務量管理上の問題」との間には相関関係があることを指摘しています。さらに、全く別の意識要因として「病気や急な用事のために残しておく必要があるから」を特記して、労働者の有給休暇取得行動に影響する要素として4つを明らかにしました。
そして、日本の労働者の年休取得状況を以下のようにまとめています。

<以下引用>
日本の労働者は、そもそも自分に付与されている年休をすべて取得することは少ない。それには、病気や急な用事のために一定日数を使わないでおくという意識が強く働いている。しかし、男性で勤務先が卸売・小売業、飲食店、または中小企業に勤務する労働者、職種が管理職や営業販売の場合、及び地域の労働市場の動向が悪化していると、問題はさらに深刻である。こういう特徴をもった労働者の年休取得状況は、それらの特徴を持たない労働者よりもさらに悪い。また年休取得状況の悪い労働者は、残業や休日出勤を含めた実際の労働時間も長く、現在の業務量が十分な年休を取得することもできないほど膨大で、かつ職場の同僚等も同様の状態にあるために、自分だけが年休を取得するという訳にはいかない。さらに、勤務先が卸売・小売業、飲食業だったり、中小企業の場合は、年休を取得することが、自分に対する上司の評価を下げたり、結果的に自分の昇進・昇格等への影響することを懸念している。
<引用以上>

最近人気の「働き方改革」という経営課題には、一見するといろいろな側面があるように思えます。その原因は、目的と手段を混同しているところにあるのです。最も大きな働き方改革のゴールへの誤解は、同じ仕事をより短時間で行う効率化にあると考えることですが、人間にしか行うことが出来ないインテリジェンスの高い仕事へシフトしていくことに真のゴールがあることを見誤ってはなりません。

そのため方法論として、無駄な業務を減らして労働時間を短縮する、働き手の属性の多様性を高める、働く時間の自由度を高める、あるいは働く場所の自由度を高めるなどの取り組みがあるのですが、その中の一つに「休み方の自由度を高める」ということも含まれます。ところが、同じような時期に1週間に満たない日数しか休めていない夏季休暇の現状を見ると、日本人ビジネスマンに休み方の自由度があるとは言えません。

しかし、「日本人の有給休暇消化率を高めるために何をすべきか」という狭い視野で考えて、フランスやドイツのように罰則規定を設ける是非を検討することは問題解決になりません。会社側は、人手不足で業務多忙な状態で有給休暇の消化促進に積極的になれないだろうし、働き手にしても、休みが増えても過ごし方が分からないし、そもそもお金がないという状況があります。こうした両者の本音を無視して、建前としての正義だけを主張しても総論賛成各論反対になるのが目に見えています。

国、企業、個人がそれぞれ取り組むべき課題

そこで、各レベルにおいて取り組むべき課題を整理してみます。

国レベルの課題:祝日を減らし有給の支給日数を引き上げる

日本には祝日が多い理由は、善意に解釈すれば、昔から休みづらい風潮で仕事をしている日本人に大手を振って休めるように祝日を増やしたということになります。しかし、祝日が増えても、細切れの休日が加わるだけで「休養・休息」のための休日にはなり得ません。しかも、週休2日制でかつ祝日が多いために、さらに有給休暇を取得しようとすると会社側だけではなく本人も休んでばかりで仕事が捗らないという認識になり、「休暇への消極性」を生み出す結果になっています。

そこで、今後これ以上祝日を増やさないだけではなく、既にある祝日も半分程度に減らすことを考えるべきです。当然振替休日の制度も不要です。実際、多くの祝日が制定された理由すら、多くの国民は知らないし知りたくもないのだから、国全体で休日にしている意味がありません。そのうえで、年次有給休暇の取得条件を緩和し、最大支給日数を30日までに引き上げる法改正を行うことが望ましいと考えます。

有給の「連続取得」を法律で定めるフランスやドイツ

フランス人やドイツ人が長期休暇をとることが出来るのは、法律が定めているからです。そのベースになる考え方は、ILO(国際労働機関)が定めている年次有給休暇についての第52号条約と第132号条約にあります。
それぞれの条約は、主に以下のことを定めています。
<第52号条約>
・1年以上継続して働く全ての労働者は、連続した最低6労働日の有給休暇を享受する。
<第132号条約>
・労働者は1年間の勤務につき3労働週(5日制なら15日、6日制なら18日)の年次有給休暇の権利を持つ。
・休暇は原則として継続したものだが、事情により分割も可。
・ただし、分割された一部は連続2労働週を下回ってはならない。

第52号は1936年に制定され、フランスやドイツなどヨーロッパを中心に54ヶ国が批准しています。第132号は時代遅れになった第52号を置き換えるために1970年に制定され、32ヶ国が批准をしています。この数が少ないのは、労働協約が条約の基準を上回り、かつ国内法が整備されている国が加わっていないからです。日本は、第52号第132号ともに批准をしていません。
その理由は、いくつかあります。

・労基法において年次有給休暇の取得条件に「出勤率8割以上」の要件を入れていること。
・1年間の勤務につき最低で18日という付与日数の基準がクリアできないこと。労基法では、6ヶ月後に10日、以後1年毎に1日か2日しか付与日数が増えないため。
・労基法では、有給休暇は「継続し、又は分割した」取得が行えると定められていますが、第132号条約の有給休暇は基本的に一定期間連続して取得されるべきものという考えに沿わない。

さらにフランスやドイツで導入されている長期休暇には、もう一つの側面があります。それは、分かりやすく言うと、フランスやドイツでは労働者が勝手に有給休暇の取得時季を決めることが出来ず、使用者が決めるか、労使協定により定められることになっていることです。

労働者が好き勝手な時季に長期休暇をとってしまうと、会社としては要員手配がままならず業務が停滞してしまうので、働き手は会社側が提示する希望休暇期間見て決めていく方法を取っています。その点、有給休暇の時季指定権(会社側は時季変更権)を有している日本の労働者の方が自由度は高いと言えます。

まずは1週間程度の連続休暇を取得する労働者を増やそう

したがって、日本も一足飛びに20日間の長期休暇を取ることを考えることに意味はありません。先ずは、1週間程度の連続休暇を多くの働き手が取得出来ることを目指すべきです。
そのためには、全員が同じ時季に休む現状を改める必要があります。例えば、フランスでは、国内を3つの地域に分けて、冬休みや夏休みの開始を1週間ズラしています。ドイツも16州の学校の夏休み期間をズラしています。これは日本でも検討してもいいのではないでしょうか。

企業レベルの課題:法定外休暇を実質的に機能させる

お盆を中心とした夏季休暇を会社全体で取るのは、「お客さんも休むから」とか「全員一緒だと休みやすい」などの理由があるのでしょうが、決められたスケジュールに従って粛々と仕事を進めていくというスタイルそのものが創造性の低さに繋がっている可能性があります。

会社も働き手一人ひとりも、どのような仕事の進め方をするかを考えて実行する能力を培うことが大切であり、その中には休み方を決めることも含まれます。それが仕事をデザインすることになるのです。

また、制度としては私傷病休暇があるけれど、実際に怪我や病気になったときに、多くの社員が有給休暇を優先的に使用しているのが実態です。それは、適用条件が健康保険の傷病手当金の支給条件「連続した3日を含む4日以上」を就業規則でも準用している場合が多いからではないでしょうか。しかも、医師の診断書提出を必要としていることも多い。つまり、1日2日寝込む風邪には使えない制度になっているため、急な病気や怪我のために有給休暇を温存しておくという人が多いのですが、これは本来の有給休暇の趣旨に沿わない使用です。

法定外休暇を実質的に機能させることが、年次有給休暇の取得促進のために必要です。長時間労働をする人は偉い。ローコストで長時間働かせたら得だ。などというような、人材をコストと見なす感覚が残る風土を持つ企業が、残念ながら、まだまだ多く存在します。しかし、今と同じベクトル上で頑張っても既に限界が来ているのだから、思い切って方向転換をして、人が高い付加価値を生み出すビジネスへシフトしていくためには、人はコストではなく投資だと認識を改めることが第一歩です。
そのためには、クリエイティビティの高い優れた人材が働きたい会社になるために、働き方の一つとして、多様性の高い休暇制度のあり方を真剣に考える必要があります。

個人レベルの課題:時間を持て余さないために仕事以外の自分を確立していく

休暇を何に使うかは、法律が定めていないため当然個人の自由ですが、仮に制度が変わって連続した長期休暇が取得出来るようになったとしても、今の働き手のマインドのままだと、時間を持て余す人が多くなります。

これまで細切れの短い休日に慣れている人の多くは、「仕事の疲れを癒やすこと」が休日の目的で、「寝だめ」や「何もしない」という時間の過ごし方をしていたでしょう。しかし、今後長い休みを楽しんでいくために、独身の方は、仕事以外の人間関係がより大切になるでしょうし、家族を持っている方は、今まで以上に家族と向き合うことが大切になるはずです。ロールモデルとして、仕事以外の自分をどう確立していくかが働き手にも求められているのです。

最後に、これからの日本人の休み方改革は、期間の長いほど良いという単純な話ではなく、多様な働き方と一対である休暇や休日などの非労働時間の多様性をいかに実現していくかに主眼を置いて、国、企業、個人のレベルでより良い姿を求めて実現することが重要であることを強調しておきます。

(清水 泰志/経営コンサルタント)

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