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県内エリート男子高で“性教育”の名の下セクハラにあった図書館司書46歳女性、教職員カーストで圧された声とは/2024年2月トップ5

女子SPA! / 2024年3月28日 8時47分

その高校の生徒は、比較的裕福な家庭に育った子が多かった。父親は地方議員や開業医、士業。母親は専業主婦というのが典型だと思われる。そんな環境で育まれた“文化”のもとでは、いい年齢をした男女が結婚しないのは、常識外れとみなされるのだろう。

セクハラをめぐる学校との話し合いは、回を重ねても平行線をたどった。「もう無理だ」と思い、ミユキさんは職を辞した。

一連の出来事をとおしてミユキさんには、気づいたことがある。

この学校だけではない。「男子校文化」の影響は、地元、ひいては県全体に及んでいる。

有名男子校は県内にほかにもあり、その生徒の多くが都市部の有名大学に進学する。大学卒業後、彼らにとって郷里に戻っての就職や起業はとても有利で、公、民ともに世代を問わず、エリート職には男子校出身者が名を連ねている。

「男子校出身者が自分の職場にも“伝統修練”の文化を持ち込んでいるんですよね。そうやって、県内の大事なことを動かしているのでしょう」

◆女子たちの進路

先述したように、マッチョな文化に適応できず離れていった男子生徒もいる。「勝ち残った男たち」が作る地元の空気は、女性だけでなく彼らにも息苦しいものだろう。

では、女性はどうしているのか。ミユキさんは自身のことを、こうふり返る。

「兄がいるのですが、身体がちょっと弱くて。それもあって母は、将来のために少しでもいい大学に行かせないと、と非常に教育熱心でした。教育にかけられるコストの多くは兄に回され、私はずっと『家から通える学校にしなさい』といわれてきました」

似たような境遇のクラスメイトは少なからずいて、「女の子が大学に行ってもしょうがない」と言われた友人もいる。ミユキさんは学校図書館司書として女子校に勤めたこともあるが、そこの生徒たちも親や周囲の大人から同じことをいわれていた。

そんななかで自分の進路を決め、資格を取り、子どものころから憧れていた職業に就いたミユキさんだったが、図書館司書は決して待遇がよくない。

専門性の高い仕事でありながら非正規雇用が多く、賃金も低いという報道を、昨今は頻繁に見聞きするようになり、なかには、その手取りがたった18万円、という記事もあった。

図書館員のうち8割は、女性だ。女性が多いから賃金が低く設定され、賃金が低いから男性のなり手がいない。悪循環が起きている。

◆居場所はどこにある?

「さらに学校図書館司書は、学校組織のなかでいちばん下に置かれます。図を見ると一目瞭然ですが、校長や教頭など管理職の下に教諭がいて、次は養護教諭、つまり保健室の先生……ここまでは“教諭”です。司書はさらにその下で、用務員さんと同じポジション。お給料にも歴然とした差があります」

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