3児の母・上戸彩「結構厳しいんだね」とママ友に言われる子育て論と、譲れない公私における信念
週刊女性PRIME / 2024年3月1日 11時0分
「配信作品はいつか出演してみたいと思っていましたので。今回、ドラマ&映画という『沈黙の艦隊』の壮大なプロジェクトに参加できて光栄です」
日米政府が極秘裏に造った原子力潜水艦“シーバット”。しかし艦長・海江田四郎(大沢たかお)は核ミサイルを積載して乗員76名を率いて反乱逃亡、独立国“やまと”を宣言する。追撃を決めた米国政府、同盟締結のために日本へ向かう海江田、日本政府が出す答えとは……?
3児の母・上戸彩の役との向き合い方
2月9日からプライム・ビデオで世界配信が始まったのは、昨秋公開された映画に未公開シーンを盛り込み、それに続く物語も描いたドラマ。上戸彩は、日本政府の対応を訝しむ報道ニュースキャスター・市谷裕美を演じている。
「私は3児の母なので、自分の役との向き合い方やメンタル、生活リズムが一致しないとお引き受けがなかなか難しくて。今回“お母さんの役者さんが働きやすい現場づくりを”と言っていただいたことはうれしかったです。市谷裕美は自分の職をまっとうする、芯が強くてブレない女性です」
かわぐちかいじによる原作は約30年前に描かれたものだが、
「今の時代に合った作品になっていると思います。仲間との絆、信念を持った生き方。戦争や世界平和もしっかりとテーマとして描いています。日本の立ち位置がシビアに問われる物語です。映画ではわからなかった海江田の真意が、このドラマシリーズで明らかになっていきます」
シーバットの核ミサイルと非核三原則。市谷は揺るぎない信念のもと、取材を進めていく。上戸に公私における信念を尋ねてみると、
「仕事に私情を持ち込まないことです。仕事でも、子どもより先に家を出ることはしたくない。それは譲れない部分です。親としては、人に迷惑をかけない人間にちゃんと育てたい。だから挨拶やお金の使い方には、厳しくしています。何でもかんでも与えることはありません」
と、やや意外な答え。子どもに怒ることなど皆無なのかと思いきや、
「そう思われがちなんですが、ママ友からは“結構、厳しいんだね”と言われます(笑)」
物語の終盤、真相にたどり着いた市谷はキャスターとして大きな決断をし、そして実行に移す。上戸が今までに下した大きな決断は?
「やはり結婚です。当時、みなさんが持たれていたイメージとはきっと違ったでしょうし。でも結婚が自分の成長につながって、仕事や役柄の種類が変わるきっかけになりました。あと、出産ですね。私生活でも大きく変わったなと思います」
人の心や社会を動かせる作品に向き合いたい
昨年6月に第3子を出産している。
「もうキャパを超えていて、いっぱいいっぱいです。3人目が夜なかなか寝ないので、とにかく眠たい、眠りたい!」
ちゃめっ気たっぷりの愚痴は、とても幸せそうだ。
「やっぱり上に2人いるので。上の子が下の子を可愛がる貴重な瞬間を見られる幸せはありますし、一緒に育てている実感もあります。“あなたたちが小さいときはこうだったんだよ”って3人目を見ながら伝えることもできますし。すごく“家族”という感じがします」
特に長女は、よく手伝ってくれて助かるのだそう。そんな母親業との両立は大変そうだが、今後の女優としての展望を聞くと、
「特に1人目のときは、子どもを預けることに対し“ごめんね”という気持ちで仕事に行っていました。家を出る間際に泣かれてしまうと、ずっとその顔が頭から離れなくて。でも今はスマホでビデオ通話もできるので“もうこんな笑顔だよ”とかもわかる。今は、預けることに罪悪感がなくなってきました。もちろん、心配はしますけど」
母親になってから、スイッチを切り替えないとできないような重い役は避けてきたという。
「だから、等身大の自分に近い役を選ぶことが多かったと思います。でも、だんだん“いけるんじゃないか?”と思えてきて。逆に、切り替えて演じたい。もっともっと人の心や社会を動かせる作品や役に向き合っていきたい。今回の市谷は、まさにそんな役だったと思います」
ということは今後、女優としてのギアを上げていく?
「そうですね」
と、ニッコリ。さらに多くの作品で、その熱演が見られそうだ。
大沢たかお、玉木宏、江口洋介
「主演&プロデューサーの大沢さんとは(『大阪ガス』の)CMで共演したことがあって。またお会いしたいなと思っていました。現場で大沢さんはピタッとしたジャージを着ていて、お尻がプリッとされていて。触らせてもらいました(笑)。海江田の阻止に動く深町洋役の玉木さんとは、子育ての話をたくさんしました。官房長官・海原渉役の江口さんは、デビュー作(『涙をふいて』'00年)以来、23年ぶりにお会いして。うれしかったです。江口さんには“14歳のころに見える”“時間がたってないみたい”と。感慨深かったです」
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