「春休みの宿題は『桃鉄』を10年以上プレイ」“教育版”も存在、全国7000校以上が導入するスーパー学校教材に
週刊女性PRIME / 2024年3月30日 7時0分
Xに《春休みの宿題》と書かれた印刷物の画像が投稿された。そこには、題名のとおり教科ごとの“宿題”が記されているが、ある一文に注目が集まっている。
《国語 学習漢字ノート》
《社会 おいしそうな地方の郷土料理を1つ選んでレポートにまとめる》
といった言葉に続き、《可能な人のみ》の注釈付きでこう書かれていた。
《桃太郎電鉄を10年以上プレイする》
『桃鉄』の“教育版”
『桃太郎電鉄』とは、1988年に発売されてから現在に至るまで、多くの人に親しまれているテレビゲーム。通称『桃鉄』と呼ばれ、日本中を電車で移動しながら各地の名物や特産品などの“物件”を購入し、最終的に資産の多寡を競うボードゲーム形式のコンピューターゲームだ。
下校のチャイムが鳴ったら一目散に自宅へ戻り、ゲーム機のコントローラーを握った人も多いはず。しかし、夢中になっているときに母親から「勉強しなさい」と言われるゲームが、学校現場で使われているとは、どういうことか。
「もともと原作者である、さくまあきら先生が『桃鉄』を教育に活用したいという思いを持っていました。そこに『桃鉄』シリーズ最新作の制作を2019年に発表をしたところ、立命館小学校の先生から“教育現場に使えないか”というご提案をいただき、具体的な検討と制作が始まりました」
こう話すのは『桃鉄』シリーズを販売する『コナミ』プロモーション企画本部の担当者。実は『桃鉄』に“教育版”が存在するというのだ。
ただ、同社担当者は冒頭のXの投稿も確認したうえで、こんなことを言う。
「おそらくXに投稿されている内容は『ニンテンドースイッチ』でプレイできる商品を指していると思われます」
『桃鉄』は、ゲームをスタートする際、最終的に勝敗を決めるまでの“期間”を1年ごとに設定できる。冒頭の印刷物には《10年以上プレイ》と書かれているが、“教育版”は3年までしか遊ぶことができないという。
とはいえ、学校の宿題になるぐらいなのだから、子どもたちにとっては学習効果があるはず。SNSでは、
《確かに桃鉄やっていると都道府県を覚えられる》
《桃鉄で地名覚えた人はけっこういるはず》
《特産品は覚えるかもね》
《桃鉄で各地方の特産品・グルメを知れるから、旅行に行ったときでも、その知恵は活躍する》
《息子は桃鉄で地理や歴史、人間関係の勉強もできた》
などと、自身の体験から“勉強になった”との声が。
『ボンビー』はなし!?
日本全国には、長万部(おしゃまんべ)、十六島花(うっぷるいばな)、吹田(すいた)、学文路(かむろ)、豊見城(とみぐすく)などの難読地名が山ほどある。これに加え、各地の名物や特産品も一緒に学ぶことができるのだ。
「“教育版”は、ニンテンドースイッチで発売されたソフトをWEBブラウザで動作させるための制作などを経て、2023年初頭から提供を開始しています」(コナミの担当者、以下同)
“教育版”と“通常版”の違いは?
「“教育版”には管理ツールが実装されていて、先生がプレイ時間、中断や再開などをコントロールすることができます。北海道から九州・沖縄までを7つのエリアに分類しており、授業のカリキュラムに合わせて一部地域を指定してプレイすることが可能です」
通常版ではプレイヤーの物件を勝手に売ってしまうなどの妨害をする憎き貧乏神『ボンビー』が登場する。これに悔し涙を流した人もいるのでは。
「子ども同士のトラブルに発展する可能性のある要素は排除しており、“教育版”に『貧乏神』は登場しません。アイテムを使って、誰かを指定して攻撃することもできないようになっています」
導入は7000校以上で
学校現場からの評判は?
「当初は、小学校の地理の授業での活用を想定していましたが、難読地名の読み書き教材として国語の授業でも使っていただいております。さらに、物件の収益率の計算をする数学の授業、金融教育の入口、修学旅行先の情報収集にも。さまざまな教科や用途で幅広く取り入れてくださって、先生方の創意工夫には感激しています。
“教育版”をきっかけに、不登校や保健室登校の生徒が授業に来るようになったというケースも聞いています。学習以外の面でポジティブな効果があることも、大変うれしく思います」
子どもとゲームの親和性は高い。楽しく学べるだけでなく、学校生活における人間関係の“潤滑油”にもなっていた。結果、導入する学校も増え続けている。
「導入校は全国で合計7000校以上となりました。このうち小学校はおよそ4000校で、これは全国の小学校のおよそ20%に相当します。自治体や教育委員会からの申込みは、75団体となっています」
公式ホームページによれば、学校機関への導入は無料。ただ、当初は受け入れられるのか不安もあった。
「ゲームを授業で使うことにお叱りの声をいただくことも覚悟していましたが、発表直後から、こちらの想定を超える大きさで、ポジティブな反響をいただけたことに驚きました」
私たちが遊んだゲームが、今や学校教材になっている。時代は変わり続けるのだ――。
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