選手で選抜優勝、家庭科の先生に…異色の監督、甲子園へ 21世紀枠で横浜清陵が初選出 県立校71年ぶりの聖地
カナロコ by 神奈川新聞 / 2025年1月24日 20時20分
「21世紀枠」で今春の第97回選抜高校野球大会(3月18日から甲子園)出場を決めた神奈川県立横浜清陵高。率いるのは就任5年目を迎える野原慎太郎監督(42)。東海大相模高で日本一を経験し、横浜国大、大学院で学んで家庭科教諭となった異色の指導者だ。
春の選抜を制したのは2000年。野原監督は背番号10のピッチャーだった。東海大相模は門馬敬治前監督(55)の2年目。就任早々に全国優勝を成し遂げた名将の黎明(れいめい)期を支えたのが、当時の野原監督たちだ。
だが「自分はたいした選手ではなかった」と野原監督。選抜優勝後の夏にメンバーから外れる挫折を経験し、横浜国大への進学を目指した。「絶対に無理だと言う先生もいました。でも門馬監督は言わなかった」。東海大相模野球部から現役での横浜国大進学は初めてのことだった。
国大時代は推薦入学の選手が大半を占める神奈川大、関東学院大、横浜商大とたびたび互角の勝負を演じた。当初は小学校の先生になりたかったという野原監督が、県立高校で野球部の指導に取り組む原点はこの頃にある。
「公立校のハンディなんてない」というのが持論。思えば、そのスタートをつくってくれたのも門馬前監督だった。20年、横浜清陵の監督になったことを報告すると、「練習試合やろう。明日と明後日は空いてるぞ」。訪れた東海大相模でAチームと対戦し、結果は0-10。だが「0点に抑えられた回はあったし、ヒットも何本か出た」と野原監督。「これを続けられれば(相模にだって)勝てる」。選手たちにそんな意識が芽生えた。
昨秋のベンチ入り選手の背番号は名前の五十音順。これもエースやレギュラーといった、選手の中にある先入観を拭い去るためのもの。選手たちは「同じルールで勝負している。公立も私学もない」と当たり前に口をそろえる。
目指してきたのは「神奈川で勝っての甲子園」、そして「甲子園で勝つこと」。21世紀枠で選ばれてもその思いは変わらない。選抜出場の吉報を伝えたグラウンドでのミーティング。選手たちに笑顔はなく、「(選抜まで)時間が無い」という言葉が相次いだ。
「神奈川で勝とうと思ってやってきた野球を、そのまま(甲子園で)発揮する準備をしたい」と野原監督。神奈川の県立高の甲子園出場は71年ぶり。歴史的な挑戦が始まった。
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