10連休中に予想される「空前のリスク」 急激な円高や株価の暴落が起きても“見ているだけ”の地獄が来る!?
TABLO / 2019年4月25日 11時45分
もうすぐやってくる10連休を目前に、世間はウキウキしたムードでいっぱいです。ちなみに今回の連休は、祝日法が定められた1948年以降で最長のもの。ほとんどの社会人にとって、お盆や年末年始の休暇よりも長いわけですから、そりゃウキウキもしようというものですね。
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しかし、間もなく始まるゴールデンウィークの10連休は、先述したように〝空前〟の出来事というわけで、いろいろなリスクが懸念されていることも事実。そのなかでも、とくに心配なのが株式市場や円相場などの金融市場に与える影響です。
でも、経済メディアは別ですが、一般的なニュースだとそこまで大きく報じられていない印象もあって、いまひとつ理解していないという人は多いのではないでしょうか。
まず、日本の株式市場は10連休中、完全にオフります。つまり一切のトレードができなくなるわけで、何らかの世界情勢が急変したとしても、連休が明けるまで全く動けません。売らないとヤバイじゃんと思いながらも、損していくのを見つめるしかないなんて状況になることも考えられるわけです。
とくに短期間で売買しているトレーダーや信用取引メインなんて人は、連休前に一度、リスクを再確認しておくといいんじゃないでしょうか。ちなみにFX取引については基本的に、通常の土日休みで平日は取引できます。仮想通貨取引所も一部サービスの休止がありながらも、通常どおりに取引できるところが多いようです。
また、10連休中の日本は当然ながら薄商いになるわけで、それを見越したヘッジファンドや投機筋が何らかの仕掛けを行うことも考えられます。
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実際、2018年から2019年にかけての6連休では、急激な円高が起こりました。年末に1ドル108円前後だったのが、2019年1月3日午前に1ドル104円後半を付けたときもあり、瞬間的に約4円も動いちゃったんです。この急激な円高は日本の個人トレーダーたちを愕然とさせました。
ものすごく端的に状況を言うと、日本の金融機関やトレーダーが〝お休み〟していたことで円取引が減少していたなか、アップルが1月2日に業績の下方修正を発表。そのニュースをもとに海外のヘッジファンドなどが「円」を爆買いして連鎖的な円買いを引き起こして莫大な利益を上げたと見られています。
ちなみに、なんで連鎖的な円買いが起こるかというと、
一般的にFX取引は損失が大きくなると、一定の水準で自動的に清算する「ロスカット」というシステムがあるんです。つまりヘッジファンドによる円買いで円高が進んだとき、ドルを買って保有していた投資家は急激な円高を受けて自動的にドルが売られてしまい、さらに円高に拍車がかかることに。そして、最初に円を買っていたヘッジファンドや投機筋が大儲けするというカラクリです。
まさに「日本の個人投資家、狙われてるやん」という話です。ヘッジファンドの仕掛けに対して〝なすがまま〟というか、指をくわえて見ているだけなんですから、もう負け確定という話じゃないですか。
この動きたくても動けないという状況は、投資している人にとって致命的です。また、日銀を始めとする銀行もお休みですから、ヘッジファンドの売りに対して買い支えするみたいなことも即座に行動できないんじゃ…。
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まあ、国も連休中の〝対策〟をしているとは言ってますが、それでも安心感よりリスクへの不安が大きいです。ヘッジファンドからすれば、これほど美味しい状況はないわけで、静観しているということは考えにくいような気がします。“お金”に関してはハゲタカみたいなやつらというイメージなので、いまから舌舐めづりしてるんじゃないでしょうか。
そして、この連休中には世界中で金融や経済に関連する発表が行われます。
まず、米国の金融政策を決めるFOMCが5月1日に発表。同日にアメリカで4月のADP雇用統計、4月のISM製造業景気指数も発表されます。5月3日には米国の4月雇用統計と4月ISM非製造業景気指数が続きますが、そのどれもが日本の株や円相場などの金融市場に大きく影響するものです。
そのほかにも、英国のブレグジットや中国でピークを迎えた成長バブル、破綻がほの見えるドイツ銀行など、世界情勢を見渡してみると、何らかの動きが出たときに金融や経済が激変しそうな材料はけっこうあるんですよ。
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これらはあくまで予測なんですが、楽観視できるかといえば、間違いなくできません。投資をしている人なら、連休前に自分なりのリスクヘッジを考えてみる必要があるのではないでしょうか。(文◎百園雷太)
【編集部注】
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