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そこじゃない! 田村淳氏の記者会見は闇営業とは違う大きな問題を抱えていた ゆるキャラ業界クライシス

TABLO / 2019年8月5日 11時4分

画像は『即動力 (SB新書)』より

吉本興業騒動が尾を引いているさなか、渦中の人となったロンドンブーツ1号2号の田村亮さんの相方である田村淳さんの近況が、波乱を呼ぶのではないかと話題となっています。

7月26日、田村淳さんはゆるキャラが所属する“(株)がちキャラ”を「起業」したことをツイート。<こんな時に何をやってるんだ! と言われるかもしれないですが>と前置きした上で、<キャラクターを中心とした新会社を起業>するとし、8月1日に記者会見を行いました。

会見の様子は、吉本騒動以降、田村淳さんが初めて公の場に登場したことから、多くのメディアで取り上げられました。その報道の多くは、「5時間半かからないように頑張りたい」「テープをきちんと回していただいて、取材をしていただきたいと思います」といった岡本社長をイジった発言や、吉本興業や田村亮さんについての質問に対する返答ばかりが取り上げられていました。

そうした一般メディアの反応とは裏腹に、ゆるキャラ業界人やゆるキャラファンの方々は、田村淳さんの動きをシリアスに受け止めているのです。

「田村さんの起業、『こんな時に』というより、この企画に以前から疑問視している一人です」
「何これ。“クリブラ”系キャラばかりじゃないですか。たまたま“ちぃたん☆”と共演しただけかと思ってたら、こんなことになってるんですか?」

上記コメントに登場する“ちぃたん☆”とは、今年2月、ゆるキャラグランプリでも優勝経験を持つ高知県須崎市の人気ゆるキャラ“しんじょう君”と、著作権を巡る騒動に発展したゆるキャラ。そして“クリブラ”とは、株式会社クリーブラッツの略称で、ちぃたん☆の所属事務所です。

「元々SNSで人気の“コツメカワウソのちぃたん☆”がいました。あるとき、ちぃたん☆の運営者が、ニホンカワウソをモデルにしたしんじょう君に目をつけ、コツメカワウソのちぃたん☆とのコラボを須崎市に打診。コツメカワウソのちぃたん☆は、須崎氏の観光大使に就任しました」(スポーツ紙記者)

そうして、「コツメカワウソを毎回のイベントに連れ回すのは現実的ではなく、そこで生み出されたのが“ゆるキャラのちぃたん☆だった」(前同)と、しんじょう君と同じデザイナーに依頼して誕生した経緯があります。

当初は仲の良かった両者ですが、次第にちぃたん☆が配信する動画が過激の一途を極め、その苦情が須崎市にも寄せられたほか、海外進出を目指すため商標登録したしんじょう君のあとを追うように、ちぃたん☆も商標登録(特許庁からは、類似性を理由に却下されている)するなど、信頼関係を損ねる出来事が続くと、ついに須崎市市長まで動いたのです。

「権利侵害で訴訟も検討していることや、ちぃたん☆の活動停止を求めるコメントを発表しました。それにともない、写真集は発売中止になり、テレビ東京で放送予定だったちぃたん☆のアニメはお蔵入りになりました」(前同)

しかし、“キャラに罪はない”が大前提のゆるキャラ界。ちぃたん☆は変わらず多くのファンを擁し、騒動以降もマイペースに動画配信を行い、騒動渦中のちぃたん☆の動画にたびたびゲスト出演していたのが、田村淳さんだったのです。

参考記事:くまモン、生放送で「とんでもない悪意」をむき出しにしてバッシングの嵐 被害者は大ヤケドか? | TABLO

だからこそ、今回の起業ツイートには、「ちぃたん☆を救ってください」といったコメントも見られるのです、が。あるツイッターユーザーは、「淳さんがキャラクターに携わることがこの業界の希望だと思うと同時に、危機だとも思いました」と、真剣に警鐘を鳴らします。

いわく、(株)がちキャラのプロモーション映像に登場するゆるキャラの一部は、「狙って頭部を外したり、バッティングセンターで自らの着ぐるみを的にして破損させたり、一般の歩行者に迷惑をかける行為を平然としたり、イベントにゲリラで出没して関係者に迷惑をかけたり」といった行動をしているといいます。

そして、「『笑い』は時には不道徳なものの中から生まれることも多くあると思います」と理解を示しつつも、「彼らのやっていることは許される限度を超えた迷惑行為」と断じ、「なぜそんなキャラクターをバックアップするビジネスに淳さんが携わるのか、私には理解できません」と続け、「どうか、キャラクターの倫理に反するような彼らの行動を世に広めるようなことはしないでください」と、切実に訴えていました。

これには多くのゆるキャラ関係者からの、「この声が届きますように」「声を上げてくれてありがとう」といった賛同の声が集まりました。

さて一方で、彼らが拒絶反応を示すのは、こうした理由だけではないようです。

とあるツイッターユーザーによると、(株)がちキャラの所属ゆるキャラのひとりであるツイッターフォロワー数23万人以上の“もこも”は、「フォロワーが数十万いるアカウントを譲渡されて作られたもの」だとし、元は「VAZ顧問の井川さん」が関わっていたアカウントだったといいます。

“VAZ顧問の井川さん”といえば、2017年、有名YoutuberヒカルさんのVALUインサイダー騒動で黒幕とされた人物で、さらに前述のちぃたん☆騒動でも、「ちぃたん☆は井川氏がプロデュースと聞いていたけど」と、名前が上がっていたひとりでした。

なお、今年5月3日には「がちキャラグランプリ」といったイベントが、「東京ストリートコレクション」なるイベント内で行われ、“あくびちゃん”(現在(株)がちキャラ所属)がグランプリを獲得しましたが、(株)がちキャラグランプリのツイッターアカウントはすでに削除済みで、詳細を追うことができません。

吉本芸人の田村淳さんを巻き込み、混迷を極めんとするゆるキャラ界から、目が離せそうにありません。(文◎じゅる王)

あわせて読む:北方領土問題でロシアを挑発し続けるゆるキャラ「エリカちゃん」がちょっと元気がなくなったワケ |プチ鹿島 | TABLO

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