安倍政権が中国の「一帯一路」構想に巨額な金を出す!? 世界で報じられた日本人だけが知らないニュース 米国は懸念を表明

TABLO / 2019年11月25日 9時10分

2018年10月26日 北京で安倍首相の講演の様子 写真:首相官邸

中国、「一帯一路」の高速鉄道をタイで建設 その資金を日本の国際協力銀行が出す!?

東南アジアの親日国のタイで、10月24日に高速鉄道建設の調印式が行われた。

この高速鉄道の建設は、タイ政府が肝いりで行っているものだ。

10月24日に調印式が行われたこの路線は、タイの首都バンコクの二つの空港と、タイ東部のラヨーン県の空港との三つの空港を結ぶ、総延長約220キロの路線だ。

沿線にはセタヒップの軍港や日本人街のシラチャ、国際都市のパタヤを含む重要路線で、日本企業の生産をになう工業団地も多数存在する、日本にとっても重要な路線だ。

このタイの高速鉄道、建設の発注主はSRT(タイ国鉄)で、受注者はタイの大手財閥でタイのセブンイレブンなどを運営するCPグループが率いるコンソーシアム(企業連合)。

このコンソーシアムはタイの企業と中国鉄道建設公司などが参加しており、鉄道については実質的に中国政府が主導して中国式の高速鉄道を、東南アジアの親日国であるタイで建設するプロジェクトとなっている。

中国の共産党政府は、この高速鉄道を中国の「一帯一路」の一環と明確に語っており、今年の3月6日に中国のマクロ経済政策を統括する国家発展改革委員会の寧吉哲副主任は、この路線は「一帯一路」の発展に向けた施策として「中国と日本がタイで(第三国のタイでの)協力を開始した」ものだと明確に語った。

この中国の「一帯一路」の一環のタイの高速鉄道。

中国の軍事利用にも簡単に転用できるもので、軍事網の覇権の拡大を狙う中国共産党の思惑を察し、米国などは非常に注視している。

 

しかし、ここで不思議なニュースがあった。

ロイター通信が、この高速鉄道の建設資金を、日本の銀行が融資する事で合意していると10月24日に報じたのだ。

Reuter:
Thailand’s $7 billion airport rail project off the ground after months of dispute(https://www.reuters.com/article/us-thailand-railways/thailands-7-billion-airport-rail-project-off-the-ground-after-months-of-dispute-idUSKBN1X31J5)

(※上記ニュースの“Some Japanese banks have also agreed to provide part of the financing for the link”の箇所)

 

中国の一帯一路の一環の高速鉄道を、親日国のタイで建設するのに、なぜ日本の銀行が融資で金を出す事になっているのだろうか? しかも日本は尖閣諸島はじめ、中国共産党政府に領土まで脅かされている最中にあるのに、である。

 

この状況となった経緯は、昨年10月の安倍首相の訪中にさかのぼる。

 

 

昨年10月、安倍首相は中国を訪れた際に、このタイの高速鉄道路線を日中間での協力を行う第三国での案件と位置づけた。政権としては、協力事業によって中国との関係の安定化を狙い、加えて日本のビジネス機会を拡大しようとしたものだった。

中国共産党政府側も当時、米国との貿易戦争が過熱する中で、牽制の意味で日本とは関係を一時的には良くしたかった。加えて、タイの高速鉄道の建設は「一帯一路」のコンセプトにも合致する事から、中国側にもメリットがあり、この路線は日中政府の協力を象徴する案件となったのだ。

そして入札の結果、主に中国の鉄道会社が参加する企業コンソーシアムが受注し、その契約が10月24日に行われたのだ。そのため、中国政府も明確に、これは「一帯一路」の一環だと述べている。

そして、その「一帯一路」の高速鉄道をタイで建設する資金を、ロイター通信によると日本の銀行が出すという事になってしまっているのだ。

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タイに中国の「一帯一路」の一環の高速鉄道を建設するというニュースに米国政府も非常に注視

尚、このロイターの伝える「日本の銀行」とは、これまで同路線についてタイ政府側とも協議をしてきた日本の政策金融機関であるJBIC(日本国際協力銀行)の事だと考えられている。

 

 

タイは米国の軍事同盟国であり、米国が日本と共に展開するインド太平洋の戦略上においても非常に重要な東南アジアの拠点である。

そのタイに、中国の「一帯一路」の一環の高速鉄道を建設するというニュースには、米国政府も非常に注視しているという。

事実、タイだけでなく東南アジア各国で中国の一帯一路の開発は加速しており、この動きに米国政府は再三にわたり軍事利用の懸念を表明している。

資料記事『NHK WEB特集:中国が軍事利用? 東南アジア巨大開発』https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191029/k10012154591000.html)

 

そのタイの高速鉄道を、日本の政策金融機関の公的な資金を融資して建設するというのは、日本の国益にかなうものなのだろうか?

 

加えて、現在本編集部では再三にわたり報じている通り、タイの高速鉄道の建設沿線では汚職などの問題が蔓延しており、この改善の取り組みがタイ政府に行われている最中にある。

参考記事:本サイトが報じたタイの違法民泊騒動 ついにタイ政府機関が汚職取り締まり捜査に動いた 渡航時は注意を!

これが改善しなければ、賄賂を支払う事ができない日本の政策金融機関が投資しても、投資した後に権利が正当に守られる事も考えにくい。

 

この投資、本当に日本のためになるのだろうか?

本ニュースは続報の予定だ。(取材・文◎編集部)

 

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