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能町みね子が日体大相撲部齋藤一雄監督に聞く 相撲の稽古・技術・そして大相撲 第1回

TABLO / 2021年11月15日 6時0分

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能町みね子さんが日体大相撲部齊藤先生を訪問。

2021年11月14日に大相撲九州場所が始まりました。コロナ禍、日常が失われつつある中、テレビやネットを付ければ大相撲が見られる幸せみたいなものを感じる人もいたのではないでしょうか。そういう意味で相撲は国技と言えるでしょう。今回は好角家として著名な文筆家能町みね子さんと日本体育大学相撲部監督で相撲論を研究している齋藤一雄教授に、その相撲の魅力について対談して頂きました。数回にわたって掲載していきます。

――齊藤先生は日本体育大学(以下・日体大)相撲部の監督ですが、かつてはアマチュア相撲の横綱として活躍。現在は日体大の教授としても相撲を研究されています。
大学相撲部監督として相撲部の活動について、また、研究者として相撲の技術や大相撲全般について、色々伺いたいなと思っています。最終的に、相撲はこう見たらもっと面白いんだよ、みたいなことが読者に伝われば良いなと思っています。

齋藤一雄先生(以下・齋藤先生) 私も分からないことはいっぱいあるんで(苦笑)。

 

 第1回★日本体育大学の相撲部

 

●相撲は力比べではない~日体大出身の大相撲の力士たち

能町みね子さん(以下・能町さん) 日体大から来た大相撲の力士って、押し相撲が多いイメージがあります。それは先生の教え方なんですか?

齋藤先生 学生時代は基本的に押し相撲を教えてます。まわしを取ったあとの技術はいっぱいあるんですよ。でも、そこで焦ってしまうと結果を残すのは難しいなと考えています。今はわりと高校時代に実績がある子も入って来てくれているんですけど、そういう子が少なかった時代は……。

能町さん 押しのほうが伸ばしやすい。

齋藤先生 相撲というのは、四つに組んで力の出し合いというイメージがあると思うんですけど、私の相撲理論は違っていて、強い人は「相手に相撲を取らせない」人です。朝青龍関(元横綱)も、まわしを先に取らせないし、いつも自分の得意な形で相撲を取っていました。白鵬関(元横綱。現・間垣親方)も強かった時代はほとんど同じなんですよ。だから「力比べ」ではなくて、いかに相手の力を出させないかということが大切なんです。
その、「力を出させない」を考えると、四つ相撲でそれを覚えるのは非常に大変なんです。4年間という限られた時間の中で押し相撲はわりと教えることが出来ると思っていますし、そのあとプロに行くとしても、押し相撲が取れれば。四つ相撲は(その後)時間をかければ覚えられるものです。その代わり四つ相撲をやっていた人が押し相撲に特化するのはまず無理です。

能町さん 確かに、押しの人が押す力が弱くなって四つ相撲になるパターンはたくさんありますけど、逆は見ないですね。日体大出身のお相撲さんは、嘉風関(元関脇。現・中村親方。平成16年卒)なんかもそうですが、高校ぐらいまではそこまでの実績じゃないような人を伸ばしていくようなイメージがあります。

齋藤先生 そう言って頂くと有難いですね。千代大龍(平成23年卒)なんかも、今はちょっと伸び悩んでいますけど、そういう感じの子でしたね。ウチは正直、一流校ではなかったんです。たとえば日本大学みたいな強い大学というのは卒業生が埼玉栄高校や鳥取城北高校、熊本の文徳高校の指導者になっていたり。全国に名だたる指導者がいっぱいいたんです。
でも人間、才能の有る無しも本気になったら大して変わらないと思っています。本気になってくれる子やまだ原石の子を預かることができると、結果を残せることもあると思っています。
今、うちにいる子で将来大関、横綱になれるのではないかという選手は2人います。花田(秀虎選手。2年生。第99回全国相撲選手権個人戦準優勝)と中村(泰輝選手。3年生。第97回全国学生相撲選手権大会個人戦優勝)という子です。この2人はホントに強いですよ。

能町さん うわーっ、それは楽しみですね。

齋藤先生 稽古に取り組む姿勢も、今の子はアスリートですね。

能町さん 体のどこがどうなってるか把握しながら?

齋藤先生 相撲という枠から出ているのかも知れません。大谷翔平選手の影響もあるかも知れませんが、一生懸命ウェイトトレーニングをやったり。昔だったら「ウェイトトレーニングやるな」「もっと投げ込め」「もっと走れ」とか、そういう理論が普通だったし、「喝!」ってやっていた人もいますし(苦笑)、それはそれでよかったのかもしれません。が、今は時代が違うんで、多くの情報が入ってきてるから、色んなトレーニング方法をやってます。

能町さん プロ(大相撲)はどうしても、まず「四股、鉄砲、すり足をしろ」から始まり、ウェイトトレーニングはそういうことやってから余裕があればやれ、という指導方針のイメージがあります。そのへんを自分でバランス取って考えてやれる人が増えてきたっていうことですかね。

齋藤先生 四股も鉄砲もすり足も大事です。確かに筋肉が増えたときに根っこであり幹であるのは四股とか鉄砲とかすり足とかぶつかり稽古。これが基本。相撲に適した体の使い方というのは相撲の伝統的な稽古を用いることが非常に大切だと思うんですけど。

能町さん 染み込ませなきゃいけない。

齋藤先生 そうですね、習慣ですね。そういう体の使い方を覚えて、枝葉に関してはウェイトトレーニングをやってもらったほうが、単純な筋肉をつけるのであれば非常に有効ですね。

 

●アスリートとしての力士

能町さん 私は大学相撲に関しては全然詳しくなくて恐縮ですが、普段はどんな感じで稽古のプランニングをされてるんですか?

齋藤先生 普通の大学は1週間のうち6日間稽古すると思うんですけど、ウチはやって休んで、やって休んでみたいな感じです。

能町さん そうですか! 休む日はホントに休みなんですか?


齋藤先生 いや、完全オフは週に1回です。トップクラスの子は相撲取ったら次の日は取らない。だから大相撲とは違います。大相撲の人には「そんなの甘い」って言われるかもしれないけど、今はそれでいいのかなと思っています。なぜそうしているかというと、例えば大学なんかでも、1日50番、100番稽古するっていうところはあるんですよ。でも、私もそうだったんですけど、50番取る人は最初の1番から本気でやらないんですよ。マラソンランナーも最初から本気で走らないじゃないですか。だから50番取れる稽古しかしないんですよ。

能町さん なるほど。

齋藤先生 それよりも本気になって相撲を取ってもらって、自分で良いと思ったら終わってもらうようなスタイルを取っているんです。今日なんかは、割と今日に稽古を合わせているから、相撲を取らない子は少ないと思うんですが、でも普段だったら10人ぐらい「今日はできません」と言ってくる。それでいいんですよ。私が学生に言ってるのは、「私も神様じゃないし、君たちの体を君たち以上に分かる子はいないから、自分ができないと思ったらやらなくていい。代わりにできることをやりなさい」と言っています。

能町さん 部として全体が休んでるというわけではなくて、個人個人で上手く調整するというか。

齋藤先生 大相撲の記事を見ても、「何々関は誰を相手に20番取りました」とか書いてあって、数が増えれば良いのかなと思うかもしれないですけど、YouTubeなんかで稽古を観ると、こんな稽古でいいのかなと感じる人もいっぱいいると思います。

能町さん 大相撲だと「あいつは稽古が嫌いだから」みたいなことを言われる人もいますけど、それは本人の中では納得いく形でやってる可能性もありますか?そういう力士が増えてきたんですかね。

齋藤先生 そこは分からないですけど。とにかく、私は大学相撲の監督として見た時に、私自身もそうだったんですけど、ゴールが見えないと本気で走らないんです。相撲の稽古って、例えば幕下以下なんかだといつ終わりになるか自分で決められないんですよ。ずっとやっていて、親方が「いいよ」って言ったら兄弟子が出てきて終わるような形じゃないですか。
ウチは自分で終わりたいと思ったら終わっていいよって言っているんです。基本的には自分でゴールを決める。試合前とかは、「今はちょっと休んでもう少し頑張れ」みたいな言い方をしますけど、基本的にはどんな子も「先生、もう終わります」「はいどうぞ」です。自分でゴールを決められるから、そこまでは本気で走れますよね。そういう発想です。

能町さん 今、活躍してる花田さんとか中村さんとか、ああいう選手は「よく稽古する」と監督はおっしゃってましたが、先生としてはどういうことを「よく稽古する」というふうに思っていらっしゃるんですか?

齋藤先生 今日、後で稽古を見てもらうとわかると思いますけど、ずっと体動かしてますよ。あと花田はおそらく朝から坂道ダッシュとかやっていたと思います。

能町さん なるほど。みなさん、寮住まいなんですよね?

齋藤先生 そうです。ここから自転車で10~15分ですね。

能町さん 普段は何時ぐらいに集まるんですか?

齋藤先生 いまはコロナ禍なので別ですけど、普段だったらこの時間(註・取材時は昼過ぎ)はもちろん稽古できないです。学生で、授業中なので。

能町さん ああ、そうですよね。

齋藤先生 今日は何でこの時間にできるかというと、今は常に対面授業してるわけではないので、みんなの2限が授業がなかったのでやっています。

能町さん リモートだから、ってことですね。

齋藤先生 通常はだいたい4時過ぎです。

能町さん そこから、どのくらいで終わるんですか?

齋藤先生 2時間ちょっとです。私自身、自分がやりたかった稽古をやってもらってるつもりなんです。私も現役時代に自分がもうやめたいと思ったら終わりたかったし、毎日毎日やりたくなかったですし。

能町さん 稽古内容は、三番稽古(※1)とか、申し合い(※2)みたいな感じのものもあるんですか?

齋藤先生 ありますよ、日によって。

能町さん 土俵上で取り組む稽古があり、その他は皆が自主的な形でやりたいことややるべきことを探しながらやってるような感じですね。

齋藤先生 そうです。ただウチのぶつかり稽古(※3)は特殊かもしれないです。ご覧になった事はあると思うんですけど、ぶつかり稽古って稽古の仕上げで、キツくなるものだし、最後に1回だけやるのが普通だと思います。ウチは相撲を取り終わった後、軽いのをスススッと押したり、頭つけたまま押したり、離れて押したり、2回も3回もやっています。
1年生にも言ってるんですけど、1年生ってどうしても稽古を「させられる」という感覚を持ちやすいんですよ。「1週間に3回ぐらいでいいからぶつかり稽古を、これ以上できないところまでいかなくて良いから、その一歩手前で、キツかったら休んで良いからやりなさい。それを積み重ねていくと強くなるから」というように言っています。やらされると「どうしたら楽できるか」を考えるんですけど、ギリギリの手前でやめて良いよって言われると、何とか頑張ろうかなって気持ちになるんです。

能町さん ぶつかり稽古、見たいですね。

齋藤先生 是非。あと、他の大学と違うのは、ウチは今年の4月から、雑用や洗濯や掃除は基本的に3年生、4年生がやっています。食事当番も基本的に3年生がやります。

能町さん そうですか! へぇーっ!! それはどういう考えで?

齋藤先生 ラグビーでそういう学校があって、成績残してるって聞いて(註・帝京大学ラグビー部が有名)。特に1年生が入ってきた時に、普通はまず新しい環境に慣れなきゃいけないですよね。先輩の世話や雑用をしなければいけないし授業に出なきければいけない、となると、強くなろうという気がなくなっちゃうんですよ。生きていくのに必死で。

能町さん なるほど! それはすごく斬新ですねえ。考えたこともなかった。

 

●ビデオ導入が技術の向上を助ける

齋藤先生 去年もウチは強かったんですけど、それこそ学生横綱も出たし、アマチュア横綱も出ました。(学生横綱を決める)全国学生相撲選手権大会も(アマチュア横綱を決める)全日本相撲選手権大会も、優勝しただけじゃなくてベスト8に4人ずつウチの学生が残っていたんです。
なおかつ、開催されたリーグ戦とかほとんど勝ったんですけど、全国学生相撲選手権大会の団体で負けたんですよ。何で負けたんだろう、もっと変えられることがあるかなと考えた末に、自分が相撲を取っているシーンが10秒遅れで流れるモニターを相撲場に3つ付けました。

能町さん すごいですね! 3つあるというのは、カメラの角度が違うんですか?

齋藤先生 いや、土俵が3つあるからです。センスがある人は、自分が思うとおりに体が動いている人なんですよ。自分が理想としている体の使い方、動きができて、後はパワーさえ備われば相撲って強くなるんです。だから自分はどういうふうに体を使ってるのか、客観的に見てもらう。人間って自分は上手く体を動かしてるつもりでも、実際は動かせていないケースが往々にしてあります。また、どういう相撲を取ったかを、直後に確認して指導することもできます。

能町さん それは大相撲でも見たことがあって。モニタがあるわけではないんですけど、荒磯親方(元横綱稀勢の里)がiPadで稽古の取組を撮っては本人に見せながら「ここはこうで……」って説明されてました。

齋藤先生 ウチも昔それやってたんですよ。それじゃ、ダメです。

能町さん ダメですか!?

齋藤先生 iPadだと、たとえば土俵が3つあったら、私はひとつずつ指導できないんですよ。タイムラグが生じる。鉄は熱いうちに打てじゃないけど、すぐ(自分で)見たほうがいいです。ウチのこれ見たら、絶対導入しますよ、あの人は頭柔らかいから。いちいち見せる必要ないんですよ。

能町さん なるほど、なるほど。今の動きをすぐに自分で見る、と。

齋藤先生 そうです、すぐやって自分ですぐ改良しなきゃいけない。ウチが土俵を3つ作り出してから、(ほかの大学相撲部でも)2つずつ作るのが普通になってきましたからね。私はホントは5つぐらい欲しかったんですけど、大学がどうしても……まあ3つもすごいんですけど(笑)。

能町さん スペースの問題もありますしね(笑)。

齋藤先生 でも、5つぐらいあったほうが良いんです。稽古時間を短くしたかったので。人間の集中力ってそんなに続かないです、私が続かないんで。稽古4時間なんて大学もあるけけど、4時間もやって何をどうやって教えるの?と思って(苦笑)。

能町さん 大相撲の部屋の稽古を見ていても、土俵が1面しかないと、壁際で何もしようがない子はどうしてもたくさん生まれますよね。ずっと同じ人がやっていると疲れてきて、だんだん立ち合いが弱くなってきたりするのも見ます。

齋藤先生 大相撲の稽古スタイルは、強くなる人は強くなれるんですよ、土俵を独占出来るから。でも、相対的に見た時にはダメな人がいっぱい出てくる訳です。大学は4年と限られてる中で、なおかつ彼らはお金を払って来てくれています。強い人が自分の才能を引き出してもらうっていうことでは、私はそのやり方はダメだと思う。皆に強くなってもらいたいんですよね。
実際、今年の東日本体重別選手権で、一番下が65キロ未満から、75キロ未満、85キロ未満、100キロ未満、115キロ未満、135キロ未満、135キロ以上、無差別って8階級あるんですよ。8階級中、うちは6階級獲りました。

能町さん すごい!

齋藤先生 過去48回の歴史で、6階級獲ったのはウチだけです。預かっている子に相対的に強くなってもらうのは大事なんです。

能町さん そうなると、新しい子がどんどん日体大を目指して来ますよね。

齋藤先生 そうですね、ありがたいいですね。でも、軽いクラスで優勝した子は高校時代全然たいしたことなかったんですよ。人間、本気になったら大して変わらないってことです。

 

●日体大相撲部の生活

能町さん 寮で、ご飯は3年生が作ると伺いましたが、具体的にはどんな感じですか。

齋藤先生 朝は3年生がご飯を炊きます。卵と豚肉とタマネギはいくらでもあるので、あとは自由に自分たちで料理してもいいし。昼は外で食べたり自由にやって、夜は食事当番が作ります。

能町さん それは、いわゆるちゃんこ番的な感じで。

齋藤先生 そうです。ちゃんこ番って、よその大学は決まった子がやるんですけど、ウチはみんなで。ただし、レギュラーはやらないです。レギュラーは、日曜日の食事当番が月に1回ぐらいまわってきます。日曜だけはみんなで回してやるので。レギュラーも、ちゃんこの作り方ぐらい知らないといけないですから。まあ、楽しくやってますよ。

能町さん 寮の中も気になります。私は相撲部屋しか見たことがないので。食堂みたいなものがあるんですか?

齋藤先生 そうです。

能町さん 部員の皆さんは、ご飯食べたあとは自由時間なんですか?

齋藤先生 稽古が終わったら自由時間ですよ。ホントは授業ある子もいるはずなんですけど。

能町さん 基本的に夜ごはんは全員揃って?

齋藤先生 順番です。そんなに広くないんで。今は、1年生が先に食べてます。

能町さん そうなんですね! そこも大相撲と違いますね。

齋藤先生 1年生から先に帰れって言って、風呂も1年生から入るんですけど、それには大きなメリットがあります。3、4年生って、稽古が終わってもダラダラしてすぐ帰らないんですよ。タオルもいっぱいあるんですけど、1年生がタオル当番をすると、3、4年生は適当に使っちゃうんですよ。いっぱい洗濯ものが出る。でも、3年生がそれをやるとなると、最小限しか使わない。

能町さん なるほど(笑)。1年生は1年生でちょっと遠慮もあるから、バランスもよく。

齋藤先生 (笑)。それはあって当たり前ですから。あと、ウチは最近、タオルを個人個人で使うようにしました。コロナのこともあるので。ウチはおかげさまでクラスターも起きていないんですけど、より良い対策ということで、タオルも共有しないように。

能町さん 確かにそれがいいですね。名前を書いて使う感じですか。

齋藤先生 はい、刺繍してあるんで。で、1〜4年生で色を替えてるんです。

能町さん わかりやすいですね。

齋藤先生 どうやったらいいか試行錯誤してる最中なんですけど。タオルに関しては、4年生は4年生のタオルを洗濯しようってことに最近なりました。3年生は3年生、2年生は2年生。各自の学年でやろうってことで、洗濯機あるんで。

能町さん コロナ禍の今は別として、相撲部屋に行って稽古するとなると、どこに行くんですか?

齋藤先生 私は玉ノ井親方(元大関栃東)が高校(明治大学付属中野高校)の後輩なので、栃東のところに行ったり。どこでも行かせてもらいますよ、「行っていいですか?」って言うとだいたい「いいですよ」って言ってくれるので。寺尾さん(元関脇。錣山部屋)のところにも行きました。

能町さん そういうときはみんなで車で行くんですか?

齋藤先生 はい。車で連れて行きます。では、そろそろ向こう(稽古場)に行きましょうか。(第2回に続く)

能町みね子が日体大相撲部齋藤一雄監督に聞く 相撲の稽古・技術・そして大相撲 第2回 | TABLO 

 

※1 実力が拮抗した2人が、2人で何番も続けてやる稽古方式。

※2 何人かが土俵周りに集まる。まず誰か2人が対戦し勝負が付くと、勝った者に対し周りの者が「次は自分が」と対戦を申し込み、勝った者がその中から相手を指名し、また対戦。このようにして順繰りに続く稽古方式。

※3 2人が受ける側とぶつかる側に分かれる。ぶつかる側はぶち当たって土俵際まで一気に押し、また向きを変えて一気に押し、というのを何度も繰り返す。最後に、受ける側は相手を転がして受け身を取らせる。この方式の稽古。たいてい、すべての稽古の仕上げに行う。

■プロフィール

齋藤一雄
昭和六十三年、全日本相撲選手権において優勝する。翌年、平成元年の全国学生相撲選手権では団体優勝を果たす。日体大の教員を経て平成十六年から学友会相撲部の監督に就任。平成十九年・二十年・二十三年・二十六年と監督として全国学生相撲選手権で本学相撲部を学生日本一に導く。また、個人戦においては平成二十年から七年連続決勝進出者を輩出し、数々の横綱に輝いている。日体大からの学生横綱 垣添徹(後に小結「垣添」)、明月院秀政(現幕内「千代大龍」)、中村大輝(現幕内「北勝富士」)、一ノ瀬康平、中村泰輝(現3年生)、デルゲルバヤル(現幕下「欧勝馬」)。日本体育大学教授。医学博士(日本体育大学相撲部ホームページより)

能町みね子
北海道出身。文筆業。著書に、『くすぶれ!モテない系』(文春文庫)、『雑誌の人格』シリーズ(文化出版局)、『お家賃ですけど』(東京書籍)、『そのへんをどのように受け止めてらっしゃるか』(文春文庫)、『私以外みんな不潔』(幻冬舎)、『結婚の奴』(平凡社)など。NHK「シブ5時」出演の際は、その場所の相撲の見どころなどを紹介・解説する好角家。

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