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韓国でのみ公開の駄作映画になぜか「いいね!」6万件...クリックファーム業者の暗躍

TABLO / 2013年10月30日 22時0分

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 あのショーン・コネリーが、今年5月から上映が始まった英国のアニメ映画で、声優を務めているという。タイトルは『ミスター・ビリー ハイルランドの守護者』。しかし、日本はもちろんほかの国でもまったく話題になっていない。

 じつはこの映画、ストーリーは荒唐無稽、コンピュータ・グラフィックも雑、つまり一言でいうと"駄作"で、世界では唯一韓国でのみ上映されたのだ。

 しかし、それにしてはおかしな点がある。フェイスブックの公式ページを見ると、「いいね!」が6万件以上ついているのだ。これは、フェイスブックの「いいね!」やツイッターのフォロワーを人為的に増やす業者によるものだという。英国紙「ガーディアン」によると、映画会社が業者に271.4ポンド(約5万円)支払って、「いいね!」を水増しさせたのだ。

 このような業者はクリックファームと呼ばれており、主に人件費の安い途上国で人を雇っているケースが多い。『ミスター・ビリー』のページはバングラディシュの業者が使われた。

 フェイスブックではその性質上、「いいね!」が多いほど、人目にふれる機会が増え、また信頼度も上がる。ツイッターはフォロワーが多いほど、書き込みが拡散されやすい。最近では、企業が商品の宣伝のためにこういった業者を利用することが世界中で増えているのだ。

 韓国ではフォロワーの多いツイッターアカウントを売る業者が存在する。フォローされると、そのままフォロー返しすることが多いので、無作為にフォローを続ける方法で、「フォロワーの多いアカウント」を作り上げるのだ。購入した企業は、そのままアカウント名を自社名に変更すればよい。韓国のツイッターでは個人が数千、数万人をフォローするのも珍しくないので、アカウントの一つが知らぬうちに別のものに変わっていても、気がつかれないのだ。政治家が選挙の宣伝用に購入することもある。

 日本のフェイスブックでも、だれが見ても怪しげな企業ページに多くの「いいね!」がついているケースが少なくないが、このような業者を利用している可能性が高い。

 騙されない方法は、日本のページであるにもかかわらず「いいね!」をつけているアカウントの大半が外国人だった場合は、作為的なものと判断してよいだろう。ただし、最近では自国民のアカウントを利用するケースも多いので、万全な方法ではない。

 人と人をつなぐSNSとはいえ、相手の顔の見えない空間である。それを忘れてはいけないのだ。

Written by 李ソヨン

Photo by ミスター・ビリー ハイルランドの守護者/韓国版ポスター

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