トヨタ「ハイエース」の広さはなぜ「尺」表記? 古い単位をあえて使う理由とは

くるまのニュース / 2020年4月5日 18時10分

トヨタ「ハイエース」や日産「キャラバン」といった商用バンでは、広さを表す表記として「尺」がいまだに使われていることがあります。尺という古い単位は一般ユーザーにはあまりなじみがありませんが、なぜ尺がいまだに使われているのでしょうか。

■1尺は何ミリ? 古い単位をあえてつかう理由とは

 トヨタ「ハイエース」などの商用バンでは、荷室の広さを表す表記としてミリ以外に「尺」という単位が併記されていることがあります。尺という単位は、一般ユーザーは普段あまり見かけません。

 なぜ、日常生活であまり用いられない尺という単位が、ミリという単位に加えて記載されているのでしょうか。

 そもそも、尺とはどのような長さの単位なのでしょうか。

 尺とは、尺貫法における長さの単位で、東アジア地域にて広く用いられています。日本では大宝元年(701年)より、尺が導入されたといわれています。

 尺の導入後は、日本各地でさまざまな種類の尺が誕生し、尺の種類によって表す長さも異なりましたが、現在では1尺で約303mmの長さを表します。しかし、1951年の計量法(旧計量法)によって、尺貫法を取引や証明の用途で使うことが禁止されました。

 しかし、ハイエースなど商用バンのカタログでは、依然として尺という単位が併記されています。

「ハイエースバン」のスーパーGLの荷室長は約9.9尺(3000mm、カタログ上は約9尺と表記)、リアシート通常時荷室長は約6.1尺(1855mm、カタログ上は約6尺と表記)、荷室高は約4.4尺(1320mm、カタログ上は約4尺と表記)、荷室幅は約5尺(1520mm)です。

 なぜ、尺がクルマのカタログに使われているのでしょうか。ハイエースなどの商用バンを販売している営業マンは、次のように話します。

「日本には、尺貫法の時代のサイズで作っている商品がまだまだあります。畳やコンパネなどがその一例です。

 ハイエースなどの商用バンの場合、建設現場など、こうした商品を運ぶ場面で使用されることも多く、お客さまが積める量を計算しやすくなるように、尺という単位もミリと併用してカタログに記載しています」

 不動産で使われる「坪」も尺貫法に関係する単位のひとつですので、現在の暮らしのなかにもしっかり息づいていることがわかります。尺という単位ひとつの工夫ですが、建設現場で働く人など、商用車ユーザーの気持ちを考えられた対応といえそうです。

■よく似ている「ハイエース」と「キャラバン」は何が違う?

 日本を代表する商用バンとして、ハイエースのほかに日産の「キャラバン」もあります。両車はどのような点が異なるのでしょうか。

日産「キャラバン」(現行名:NV350キャラバン)日産「キャラバン」(現行名:NV350キャラバン)

 ハイエースはトヨタが販売しているキャブオーバー型の商用バンです。「ハイエースワゴン」という乗用モデルも存在します。1967年に初代モデルが登場して以来、日本そして世界中で愛されているクルマです。

 一方、日産が販売しているのがキャラバン(現行名:NV350キャラバン)です。1973年から販売が開始されており、こちらも長い歴史を持ちます。

 具体的なスペックの違いは何があるのでしょうか。ハイエースとキャラバン、それぞれのバンモデルを比較します。

 荷室の広さは、ロングボディ同士で比べると、荷室幅は1520mmで共通ですが、最大荷室長はハイエースが3000mm、キャラバンは3050mmです。荷室高は、ハイエースが1320mm、キャラバンは1325mmという数値となり、若干の差ですがキャラバンの方が空間に余裕があります。

 続いてはエンジンです。ハイエースのエンジンは2リッター(6速AT/5速MT)/2.7リッター(6速AT)のガソリンエンジンと、2.8リッターディーゼルターボエンジン(6速AT)の3種類を設定。

 一方でキャラバンは、2リッター(5速AT/5速MT)/2.5リッター(5速AT)のガソリンエンジンと、2.5リッターディーゼルターボエンジン(5速AT/5速MT)が用意されています。

 気になる装備面はどうでしょうか。ハイエースにもキャラバンにも、時代に沿った安全機能が備わっています。

 代表的な装備を紹介すると、ハイエースには「トヨタセーフティセンス」を採用。衝突被害軽減ブレーキのセンサーには、ミリ波レーダーと単眼カメラが用いられていて、歩行者の検知も可能です。

 一方でキャラバンに搭載される衝突被害軽減ブレーキ「インテリジェントエマージェンシーブレーキ」は、ミリ波レーダーのみを用いるシステムで、歩行者は検知できません。

 しかし、キャラバンには上空から見下ろしているかのような自車の映像を見て駐車できる「アラウンドビューモニター」の設定があります。運転席からでは直接確認しにくい左前方や後方の状況もひと目でわかるように工夫されています。

 最後に車両価格(消費税込、特別仕様車含む)を比較すると、ハイエースが232万7600円から410万7400円(特別仕様車含む)。キャラバンは、217万6900円から417万8900円です。

 よく似ているハイエースとキャラバンですが、細かい部分まで比べると意外と違いがあるようです。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング