駐車マス不足どうなる? SA/PAはなぜ立体式でなく平置き駐車場ばかりなのか

くるまのニュース / 2020年8月5日 7時10分

高速道路上のサービスエリアやパーキングエリアでは、近年利用者の増加や不適切な利用方法によって駐車マス不足という問題が起きています。しかし、ほとんどの場所では平置き駐車場が一般的ですが、なぜ多くの収容台数を見込める立体駐車場を導入しないのでしょうか。

■駐車マスが足りないのに立体式がほぼ無い理由とは

 近年、高速道路に併設されるサービスエリアやパーキングエリア(SA/PA)の駐車マス不足により、各地で混雑が多発しています。
 
 そもそもなぜSA/PAの駐車場は、商業施設などにある立体式ではなく、平置き式ばかりが導入されているのでしょうか。

 駐車マスが不足するおもな原因は、1台の占有時間が長いことです。深夜帯を中心に休憩を目的として大型車の混雑が目立っており、NEXCO東日本によると、東名高速の海老名SAでは6時間以上の長時間駐車が、全滞在量の6割を占めていることが公表されています。

 また、大型車マスに普通車が駐車をする、普通車マスに大型車が駐車する、といった各駐車マスの不適切な利用も不足につながる理由のひとつです。駐車できる車両が利用できないことで、本来の機能が発揮できない事態に陥っています。

 これらの問題を解消するため、NEXCO東日本・NEXCO中日本。NEXCO西日本の3社連盟による駐車マスの拡充に取り組んでいます。兼用マスおよび普通車マスを含め、2019年は約1350台、2020年は約810台の拡充が決定されました。

 しかしながらSA/PAの駐車場は、アクアラインの海ほたるPAを除き、平置き駐車場がほとんどを占めています。一般的に平地スペースに限りがある場合、商業施設やマンションなどでは立体式の駐車場を併設しています。

 なお、東京湾アクアラインの海ほたるパーキングエリアでは、人工島に建設している関係上、複合的な立体構造を用いています。

 海ほたるのように立体駐車場を導入すれば、より効率的に駐車マスを拡充できるとも考えられますが、なぜほとんどのSA/PAは平置き駐車場が多いのでしょうか。NEXCO東日本の広報担当者は、次のように話します。

「用地の取得、建設費用、維持管理の費用、休憩施設の利用面など、さまざまな面に配慮した結果、平置き駐車場が適切であると判断されています。このように、すべてを考慮したうえで平置き駐車場が一般的であると判断されています。

 アクアラインなど一部のサービスエリアにおいては、立体駐車場を設けている場所もあります。こちらも同様に、あらゆる面を考慮のうえで設計されています」

 また、NEXCO3社連盟で取り組む駐車マスの拡充において、いま現在のところ立体駐車場の導入は検討していないということです。

 しかし、海ほたるのように、場合によっては立体駐車場が適しているケースもあるため、今後において平置き駐車だけになるといったことはないと、NEXCO東日本は話します。

 平置き駐車場のメリットは、クルマの出し入れに時間がかからないことです。また、クルマの高さにおける制限もありません。

 したがって、トラックをはじめとする大型車の出入りが頻繁にあるサービスエリアでは非常に適した駐車場といえます。

 一方、立体駐車場は屋根が付いている分、天候に左右されることなく利用できるほか、セキュリティ面においても平置き駐車場に比べて充実しています。その分、設置費用が大幅にかかる問題は残ります。

■満車でクルマが停められない場合どうする? 場内をぐるぐるするのはNG?

 移動中に寄ったSA/PAが満車で駐車できない場合、空いた駐車マスを見つけるために隣の区画へ移動したり、駐車場の入り口まで戻る行為は「逆走」とみなされるためNGです。

 高速道路は原則一方通行となり、SA/PAも同様なため、逆走行は非常に危険な行為です。また、空いている駐車マスを見つけるために、駐車場内をぐるぐる回る行為も重大な事故に繋がりかねません。

 クルマを停めることができなかったときは、駐車場内の矢印方向に従って出口へ向かい、次の休憩施設を利用してください。

 なお、事前にSA/PAの混雑状況を把握する方法として、NEXCO各社では本線上の電光掲示板で「空(空きあり)」、「混(混雑)」、「満(満車)」などの文字で表示しています。

NEXCOが発表した駐車エリアの混雑に対する駐車マス拡充の取り組みについてNEXCOが発表した駐車エリアの混雑に対する駐車マス拡充の取り組みについて

 また、ウェブサイトではエリア内駐車場のライブ映像を提供しており、リアルタイムで混雑状況を確認することも可能です。

 ただし、電光掲示板の表示について「満」と表示されているものの、実際には駐車マスに空きがあったというケースも報告されています。この件について、前出のNEXCO東日本は、次のように話します。

「電光掲示板に表示される混雑状況は機械で自動的に検知されています。リアルタイムでの表示をおこなっているものの、多少のズレが生じる可能性も十分にあり、クルマの出入りによる入れ違いによって満車表示でも空きが生じることがあるのです」

※ ※ ※

 とはいえ、満車表示であるにも関わらず、「空いているかもしれない」という思いから利用を試みる行為は混雑の原因になります。

 機械による多少のズレはあるものの、基本的には正しく作動しているもののため、満車である以上はあきらめて次の休憩施設へ移動しましょう。

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