低全高ミニバンは減少でも ステーションワゴン人気は再燃!? カローラ&レヴォーグはなぜ人気?
くるまのニュース / 2020年9月14日 9時10分
背が低く後席がヒンジドアになっているワゴン風ミニバン(低全高ミニバン)がかつては多く販売されていました。しかし、最近では2020年7月にホンダ「ジェイド」が生産終了後、トヨタ「プリウスα」のみとなっています。今後、低全高ミニバンが復活する日は来るのでしょうか。
■背が低いミニバンはもう出てこない?
かつて2000年代の国内市場では、背が低く後席がヒンジドアタイプのワゴン風ミニバン(以下、低全高ミニバン)が多くラインナップされていました。
しかし、2020年9月現在ではステーションワゴン・ミニバンのどちらにも分類されるモデルは、トヨタ「プリウスα(2列・3列)」のみとなっています。今後、低全高ミニバンは登場しないのでしょうか。
日本市場では、プリウスαのような低全高ミニバンが減少しています。過去には、トヨタ「イプサム」や「ウィッシュ」、ホンダ「ストリーム」、日産「ラフェスタ」、マツダ「プレマシー」、スバル「エクシーガ」といった、多人数乗車が可能なモデルがありました。
もっとも後発として販売されたホンダ「ジェイド」は、2015年2月に登場。スポーティなステーションワゴンのスタイルでありながら、3列シート6人乗りのミニバンとして新たなジャンルを切り開いたモデルです。
しかし、昨今は背が高くスライドドアを備えたミニバンが主流で、ワゴンタイプのミニバンでは室内が狭く使い勝手が悪いということも影響し、ジェイドは2018年5月のマイナーチェンジでガソリン・ハイブリッドともに2列シート車を追加していました。
当時、2列シート車を追加した理由についてホンダは、「ジェイドのクラスは一定規模の需要があり、走りやデザインの激戦区であるステーションワゴン市場にホンダらしいスポーティなモデルとして2列仕様を投入することを決めました」と説明しています。
しかし、2列シート車を追加した約2年後の2020年7月に、ホンダはジェイドの生産終了を公表し、国内市場で希少となった低全高ミニバンが減ったのです。
また、唯一残るプリウスαにも生産終了の噂があります。現行モデルは、2011年に登場後、2017年の一部改良(衝突回避支援パッケージ「Toyota Safety Sense P」を全車標準装備)以降には、大きな改良を実施していません。
さらに、2018年には北米や韓国市場向けのプリウスαとなる「プリウスV」の販売が終了するなど、徐々にプリウスαの販売網が縮小していることや、トヨタ「カローラツーリング」の人気に押され気味なことなどが生産終了の噂となる要因です。
では、このまま低全高ミニバンは消滅するのでしょうか。国産メーカーのエンジニアは次のように話します。
「背が低いワゴンの3列シートモデルはこの先出てくる可能性は低いと思います。まず、現在のミニバン市場では背が高くスライドドアを備えた3列シート車が主流です。
また、2列シート車においては軽自動車、コンパクトカーといった小さなタイプか、背が高く居住性も高いSUVに分かれています。また、最近では3列シートSUVのラインナップも増えてきました。
一見、3列シートを備えた低全高ミニバンは『丁度良い』ように思えますが、昨今の安全基準を考えるとワゴンに無理やり3列目を取り付けるのは後方からの衝突安全性を考えると難しいのと、3列目自体の居住性も悪いので、中途半端なクルマになる可能性があります。
実際に購入する際も中途半端よりは、どれかに割り切っている方が用途もわかりやすいので、購入されやすく、結果的にユーザーから支持されるのではないでしょうか」
■中途半端よりは割り切ることが大事? 話題のモデルがそれを証明?
低全高ミニバンが減少傾向にあると同時に、2列シート5人乗りのステーションワゴンも年々姿を消しています。
しかし、最近ではその下火となったステーションワゴン市場が再び盛り上がってきているといいます。
そのきっかけとなったのが、前述のカローラツーリングです。現行モデルは、2019年9月に12代目のへとフルモデルチェンジ。「カローラ(セダン)」とカローラツーリング(ワゴン)の2タイプに加え、2018年6月には一足先にハッチバックの「カローラスポーツ」も販売されています。
カローラシリーズは、プリウスよりも低価格・低燃費・高性能ということもあり、最近の販売台数ランキングでも上位を維持するほどの人気ぶりです。
トヨタの販売店は「カローラシリーズのなかでもカローラツーリングは販売比率の多くを占めている」と説明するなど、ステーションワゴンの人気復活の要因となっています。
また、走行性能においても低速・中速・高速など各速度域でも安定した走りが出来る部分などが評価されています。
ステーションワゴン人気を再燃させているカローラツーリングと新型レヴォーグ
そして、もうひとつの要因として、2020年10月15日に発表されるスバルの新型「レヴォーグ」の存在も大きいようです。
初代レヴォーグは「レガシィツーリングワゴン」の後継モデルとして2014年に発売。当初は、適度なサイズで日本専用モデルとして販売されていましたが、のちに欧州などに投入されています。
2代目となる新型レヴォーグは、2020年8月20日より先行予約を開始され、一部のスバル販売店では、3週間ほどで約3000台の受注があったといいます。
また、新型レヴォーグはスバルならではの高い走行性能や高度運転支援システム「アイサイトX」など、クルマ本来の走りと昨今注目される先進安全支援システムが大きな話題となっています。
※ ※ ※
低全高ミニバンが消えゆくなかで、2列シート5人乗りのステーションワゴンのみを設定するカローラツーリングや新型レヴォーグは、クルマとしての基本的な走行性能はもちろんのことながら、先進安全支援といった昨今必要とされる機能も備わっています。
また、直近で販売台数ランキング上位に位置するトヨタ「ライズ」や「ヤリス」、「フィット」などはコンパクトなサイズを活かした特徴を打ち出しています。
あれもこれもという中途半端ではなく、ある程度割り切った方が最近のクルマとしては支持される傾向にあるのかもしれません。
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