ガソリン車の販売禁止!? 米国で巻き起こる車の環境問題 大統領選が鍵を握るか

くるまのニュース / 2020年9月24日 18時54分

米国のカリフォルニア州知事・ニューサム氏は2020年9月23日に「2035年までに州内で販売される全ての新車を排出ガスを出さない『ゼロエミッション車』にするよう義務づける」と明かし、事実上のガソリン車の販売を禁止することとなり、大きな話題を呼んでいます。この問題の行方は、米国での大統領選挙の結果で大きく変わるとされますが、今後の北米新車市場はどうなっていくのでしょうか。

■2035年までにガソリン車の新車販売禁止!? カルフォルニア州知事の発言の真意は?

 2020年9月23日、カリフォルニア州のニューサム知事は、大規模森林火災に見舞われたシリコンバレーでの記者会見中、突如「2035年までに州内でガソリン車の新車販売を禁止にする」とコメントしました。

 要するに新車を買うなら二酸化炭素を出さないZEV(ゼロ・エミッション・ヴィークル)にしなさいということです。知事の命令を受け、カリフォルニア州大気資源局(CARB)は規制作りを始めた模様。

 本当にこの法規は実現するだろうか。

 CARBは全米で最も自動車排気ガスに対し、厳しい対応を取ってきました。1970年のマスキー法に始まり、1990年代は元祖ZEV法を施行。

 この法規に対応すべく「大気より綺麗な排気ガスしか出してはならない」というSULEVも生まれました。現在のクリーンなクルマはCARBが作ったといって良いでしょう。

 一方、トランプ大統領によれば「環境問題なんか存在しない!」。そう考えるのは経済活動の足を引っ張るからです。

 実際、トランプ政権になってアメリカの環境意識は極端に薄くなってます。いまや燃費を気にしないでクルマ作りが出来るのはアメリカくらい。電気自動車を一定割合販売しなさいというZEV法の流れも事実上止まってしまっています。

 加えてトランプ大統領は「州単位の独自環境政策を禁止する」という令を出している。当然ながらニューサム知事のガソリン車販売禁止令も認めないでしょう。

 すでに訴訟問題になりそうな雰囲気となっているようで、いまやアメリカは主張が完全に二分しています。

 この「環境問題など存在しない」を支持する人も驚くほど多い(トランプ支持層と重なる傾向)。

 興味深いことに次期大統領候補になっているバイデン氏は環境問題を重視している。バイデン政権になったならヨーロッパと連携し、さまざまな地球温暖化ガス対策を始めるといわれているほど。

 今回の政治劇、ニューサム知事によるバイデン政権を見据えた動きだという話も出ているほど。カリフォルニア州は民主党の牙城といわれるほどで反トランプ層が多い。

 ニューサム知事は同時に主として火力発電用に使うシェールガス(天然ガス)の水圧破砕法を制限するという方向も打ち出しています。

 環境汚染を招く水圧破砕法により、シェールガスの採掘量が飛躍的に増加したのだった。これまたトランプ大統領の感情を逆なでにする発言です。こうなってくると政治問題。次期大統領次第といった状況なのです。

■日本の自動車メーカーはどう対応する?

 さて、問題は日本の基幹産業になっている自動車業界の対応です。

 幸いトヨタや日産、ホンダなどは1990年代からZEV対応を進めており、アメリカのGMやフォード、ステランティス(旧クライスラー)より柔軟に動けると思います。

 2035年までには現在よりググッと性能を向上させた新世代電池も実用化していることでしょう。

 バイデン政権がカリフォルニア州の決定を支持したら、本当にガソリン車の販売は禁止に持ち込む可能性は大きい。

 前述の通り2035年になれば電池性能向上により、ガソリン車と大差ない総合コストも可能。新車を買えない収入層の人達は2035年以前に販売された中古車が大量に出回っているから、2050年くらいまでは余裕で乗れることでしょう。

米国ではテスラが2012年から「モデルS」を販売。最近では、世界中のメーカーがEVシストを進めている米国ではテスラが2012年から「モデルS」を販売。最近では、世界中のメーカーがEVシストを進めている

 いずれにしろ2020年11月3日に決まる次期大統領次第と考えるべきです。

 トランプ大統領再選なら2024年まで現状維持。バイデン大統領になると2035年のガソリン車販売禁止は現実のモノになるかもしれない。

 ただし施行されたとしても、加州や東海岸など環境意識の強い知事のいる州に限られると思います。

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