完璧なSUV!? トヨタ「ヤリスクロス」 オーナーが感じる「良し悪し」とは
くるまのニュース / 2020年11月5日 11時10分
好調な販売を見せるトヨタ「ヤリスクロス」ですが、実際に購入したオーナーは、どこが気に入ってどこが気になるのでしょうか。
■落ち着いた印象でも4WD性能や低燃費はクラストップレベルのヤリスクロス
2020年8月31日に発売されたトヨタ「ヤリスクロス」は、同社コンパクトカー「ヤリス」の派生モデルとして誕生しました。
実際のオーナーは、どこが気に入り、どこがイマイチと思っているのでしょうか。
日本自動車販売協会連合会が発表した普通車の新車販売台数ランキングでは、ヤリスの販売台数とまとめられてデータが算出されているため、ヤリスの台数から逆算してみていきます。
ヤリスクロス登場後、2020年9月のヤリスは2万2066台となっており、前8月のヤリス単体の販売台数1万1856台より1万台以上も増加しました。
これには、ヤリスクロスと9月に発売された「GRヤリス」も含まれますが、増加したほとんどはヤリスクロスだと考えられます。
実際にヤリスクロスは2020年8月上旬から先行予約受注を開始しており、8月中には約1万2000台を受注。
さらに、トヨタによると正式発売となった8月31日から9月30日の1か月間に約3万9000台を受注したといい、月販目標台数4100台の9倍超となるなど高い人気を誇っているといえます。
ヤリスクロスは、洗練されながらも力強いコンパクトSUVの新しいスタイルを実現。スタイリッシュなデザインでありながら、黒い樹脂製パーツを多用することでSUVらしい力強い存在感を示しました。
ボディサイズは、全長4180mm×全幅1765mm×全高1590mmと、ヤリスより全長を240mm、全幅を70mm拡大し、3ナンバー車となります。
ヤリスでは後部座席の狭さが指摘されがちでしたが、ヤリスクロスではそれを解消することに成功。
また、後部座席は4:2:4分割式を採用したことで、真ん中だけを倒せば後部座席にも人を乗せた状態で長物を積載出来ます。
さらに、荷室には6:4分割式アジャスダブルデッキボードを採用。2段階の高さ調整と左右の分割により、背の高さの違う荷物を積載するのも楽におこなえます。
搭載されるパワートレインは、1.5リッターのガソリン車とハイブリッド車の2種類が設定されています。
駆動方式は2WDと4WDが設定されており、4WDにはガソリン車に「ダイナミックトルクコントロール4WD」、ハイブリッド車に「E-Four(電気式4WDシステム)」を採用。
燃費性能は、WLTCモードでガソリン車が17.4km/Lから20.2km/L、ハイブリッド車が26.0km/Lから30.8km/Lと、クラストップレベルの低燃費を誇ります。
グレードは大きく3種類に分かれており、ベースモデルの「X」、16インチアルミホイールや本革巻きステアリング、分割可倒式リアシートが採用されている「G」、18インチアルミホイールやLEDヘッドランプ&リアコンビネーションランプが備わる「Z」が設定されています。
価格(消費税込)は、ガソリン車で179万8000円から244万1000円、ハイブリッド車は228万4000円から281万5000円。
比較対象とあるライバル車と比べて、エントリー価格が抑えられているほか燃費性能や安全性能といったほかに、このクラスで重要視される使い勝手でも工夫されていることで評価されているのが販売台数に反映されているようです。
■ヤリスクロスに乗っている人はどこが良くてどこがダメ?
ヤリスクロスに乗っているオーナーは、どこを気に入って、どこが気になるのかダメなのでしょうか。
重量感のある安定した外観デザインは「角度によって平面的・立体的に見えたりして、車格にとらわれない存在感があるスタイル」、「決して大きくはないが、結構目立ち存在感があります」と、「C-HR」のように主張が激しいデザインでないことが好評の様子です。
ただし、「フロントマスクがもう少し尖ったデザインだったらカッコいいと素直にいえるかも」という人もいれば、「ウルトラマン顔がカッコいい」「フロントマスクはポルシェマカン風」など、フロントデザインに関しては、好みが分かれるようです。
また、内装の評価は、やや辛口な評価が目立ちます。「フロントドア内側の不織布の耐久性がとくに気になった」、「シートやドアパネルのマテリアルにもう少し高級感が欲しい」など、細かな指摘が多く、質感に関しての意見が多いようです。
ヤリスクロスは、あくまでヤリスやホンダ「フィット」などと同じクラス(Bセグメント)のクルマとして作られたモデルですが、最近のSUVは高級路線へシフトしている車種が多いため、どうしてもミドルサイズSUVなどと比べられ、安っぽく見られてしまうのではないでしょうか。
質感を気にするユーザーも存在するが、100万円台からの価格設定やBセグメントSUVという観点からすると十分な質感だといえる
走行性能に関しては「剛性が高くガッチリしているので運転が楽しい」「ハンドルを切るとかなりクイックに感じた」など、GA-Bプラットフォームが快適性や運動性能に大きく貢献しているのがわかります。
とくに多かったのは、ハイブリッドシステムへの評価です。「静かでしっかり走る。小さなプリウスと思っていれば全くその通り」「モーター走行中は本当に静か。ヤリスよりも静かかも」など、ネガティブな評価がほとんどありませんでしたので、トヨタのハイブリッド技術の高さも感じられます。
※ ※ ※
ヤリスから派生したヤリスクロスは、どうしても名前のイメージが強いヤリスを連想してしまいますが、まったく別物のクルマと考えたほうがいいかもしれません。
オーナーの反応をみる限り、ヤリスが持っているスポーティな走行性能はそのままにし、悪路走破性能を持たせ、収容能力や住居空間もかなり改善したという印象を受けます。
このクラスのSUVは人気が高まりライバル車が増えてきましたが、ヤリスクロスは欠点らしい欠点がないオールラウンダーなSUVとして幅広い世代に受け入れられているため、今後もヤリスクロスは売り上げを伸ばしていくのではないでしょうか。
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