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コロナ禍でも絶好調の「シトロエン」 7人乗りミニバンにある唯一無二の魅力とは

くるまのニュース / 2020年11月13日 8時10分

2020年はコロナ禍で輸入車の販売落ち込みが顕著だが、そんななかシトロエンは前年同期比プラスと好調だ。そんなシトロエンのラインナップで唯一の7シーターミニバンが「グランドC4スペースツアラー」になる。久しぶりに試乗してみた。

■シトロエンラインナップで唯一の7人乗りミニバン

 いま、シトロエンが好調だ。

 11月6日に発表された日本自動車輸入組合(JAIA)の統計によると、2020年1月から9月の累計輸入車登録台数は、全体で20万3122台。この数字を昨年の同期で比べると83.3%。つまり16.7%の減少になっている。これは当然、新型コロナウイルス感染拡大による影響といえる。

 輸入車のマーケットが縮小しているなか、昨年よりも台数を伸ばしているブランドも少ないながら存在している。

 そのなかのひとつがフランスのシトロエンだ。1月から10月までの累計台数は3717台と、昨年同期の3349台に比べて111%とプラスの数字。これはちょっとスゴいことかもしれない。

 好調を支えるのが、この2020年8月にカタログモデルとして本格デビューしたMPV「ベルランゴ」だ。後席スライドドアを持ち、多くの荷物を搭載することができるベルランゴは、アウトドアを趣味に持つ人や若いファミリーなどにいま、注目されている。

 そんなベルランゴとともに、ひそかに人気が上がってきたのが「グランドC4スペースツアラー」だという。ファミリー層がベルランゴ目当てにシトロエンのディーラーに足を運んだ際、3列シートを持ち7人乗りのミニバンの存在を知り、あらためて注目されだしたのが要因らしい。

 グランドC4スペースツアラーは、日本では2014年10月に登場したシトロエンのミニバンだ。

 その名前に聞き覚えのない人もいるかもしれない。そう、そのときの車名は「C4ピカソ」。初代が2007年に登場した、あのC4ピカソの2代目モデルだ。まだC4ピカソという名前のほうが馴染みが深い人も多いと思う。

 2代目C4ピカソは、3列7人乗りが「グランドC4ピカソ」、2列5人乗りが「C4ピカソ」として発売されたが、2018年9月に現在のグランドC4スペースツアラーに車名を変更。その後、5人乗りモデルはカタログから消えている。

 現在は「シャイン ブルーHDi」という2リッターディーゼルターボエンジンを搭載するグレードのみ。最高出力は163ps、最大トルクは400Nmと、ディーゼルエンジンらしい力強さを発揮する。

※ ※ ※

 久しぶりに対面したグランドC4スペースツアラーだが、外観デザインは、薄型LEDポジションランプや上下にセパレートされたダブルグリルなど、確かに現行シトロエンラインナップのアイコンを持っている。ただし「C3/C5エアクロス」やベルランゴのようなポップさはなく、むしろシックでおとなしい雰囲気なのが特徴だ。

 3列シートを持つミニバンだが、後席ドアはスライドドアではなくスイングドアを採用。サイドビューはCラインと呼ばれるシルバーのアーチがアクセントになっている。

■まさに“空飛ぶじゅうたん”のような乗り心地

 おとなしい外観とは一転、乗り込むと室内はほかのミニバンにはない雰囲気に包まれる。

シトロエン「グランドC4スペースツアラー」のインパネ。フロントガラスが運転席頭上まで広がり、明るく開放的だシトロエン「グランドC4スペースツアラー」のインパネ。フロントガラスが運転席頭上まで広がり、明るく開放的だ

 室内がとにかく、明るい。運転席に座ると、フロントガラスが頭上まで広がる「スーパーパノラミックフロントウインドウ」で、まるでオープンカーにでも乗っているような気分になる。

 この開放感は、世界で唯一無二のミニバンだと思う。飛び石でフロントガラス交換、なんてことまで考えるとちょっと不安にもなるが、この心地よさには代えられない。

 ダッシュボードの中央上部にはフルデジタルの12インチデジタルメーター、下部には7インチタッチスクリーンを備えた前衛的なインパネは、日本上陸から6年が経ったいまでも少しも色褪せない。

 スタートボタンを押しエンジン始動、ステアリングコラムから生えている細いセレクターレバーを右指先でDにして走り出す。

 初代C4ピカソは、リアのみエアサスを使っていた。このグランドC4スペースツアラーは前後ともにメカニカルなコイル/ダンパーだが、シトロエンらしいフワッとした乗り心地は健在だ。どうやってこの味を表現しているのか不思議でならないが、目をつぶって乗っても、シトロエン車だとわかるオリジナリティがある(当然、実際には目をつぶって運転はしないが)。

 2リッターディーゼルエンジンも低回転から力強いトルクを発生するから、運転がしやすい。400Nmの最大トルクというスペックほどは、強大なトルク感というフィールはなく、どちらかといえば紳士的な印象になる。ディーゼル特有のガラガラ音は室内には届いてこない。

 全高は1670mmあるし、広いガラスルーフを持つから、重心高はそれなりに高いはずだ。にもかかわらず、コーナリングではしっとり滑らかにクリアしていく。ロール感はそれなりにあるのだが、それでも接地感は変わらず、フラットにぺっとりと小気味良い走りができる。

 ADAS(先進運転支援システム)も充実している。ブレーキサポート付きのアクティブクルーズコントロールやレーンキープアシスト、ディスタンスアラートなど、ひと通りの機能は標準装備されている。

 ここら辺、ひと昔前のフランス車は我慢しなければならなかったが、最近ではこのグランドC4スペースツアラーだけでなく、ベルランゴにもC5エアクロスにもきちんと搭載されているから、安心してシトロエンモデルを選んでいい。高速道路走行での安心感は、ADAS搭載前とはまったく異なるはずだ。

 室内は全体的に高級感に溢れている。フロントシートは大ぶりなのにきちんとホールドし、長距離を走っても疲れないもの。マッサージ機能も標準で付く。

 2列目シートは3座独立して前後スライド、そしてリクライニングが可能だ。3列目シートは小ぶりだが、それでも2列目をちょっと前にスライドすれば大人も十分に座れる。その3列目シートは、使わないときには床下に完全に収納できるのもまたいい。

※ ※ ※

 日本でミニバンというと、後席スライドドアのモデルが一般的で、後席スイングドアのミニバンは苦戦しているのも事実だ。

 だがこのグランドC4スペースツアラーには、アル・ヴェルとはまた違う高級感や、ノア・ヴォクにはない優れた乗り心地がある。さらに唯一無二の開放感もある。

 これ、「カーライフを豊かにさせるミニバン」と言い切ってもいいかもしれない。隣の家族とは違う選択肢があってもいい。たぶん、後悔することはない。

シトロエン「グランドC4スペースツアラー」の走りシトロエン「グランドC4スペースツアラー」の走り

CITROEN GRAND C4 SPECETOURER SHINE Blue HDi

・車両価格:420万円
・試乗車オプション込み価格:456万8060円
・全長:4605mm
・全幅:1825mm
・全高:1670mm
・ホイールベース:2840mm
・車両重量:1660kg
・エンジン形式:直列4気筒DOHCディーゼルターボ
・排気量:1997cc
・駆動方式:FF
・変速機:8速AT
・最高出力:163ps/3750rpm
・最大トルク:400Nm/2000rpm
・ブレーキ前/後:Vディスク/ディスク
・タイヤ前後:205/55R17
・WLTC燃費:16.3km/L

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