周囲に「ありがとう」を伝えてる? 「サンキューハザード」の上手な使い方とは

くるまのニュース / 2021年2月14日 9時30分

ハザードランプは、夜間に駐車や停車をするときなどに使用されますが、ほかにもさまざまな使い方があるようです。ハザードランプの使い方には、どういった方法があるのでしょうか。

■ハザードランプの機能や使い方とは?

 クルマを駐車する際や走行中のトラブル時に点灯されることがある「ハザードランプ」。
 
 巷ではお礼の代わりとして「サンキューハザード」として使用されることがありますが、実際にはどのような使い方が適切なのでしょうか。

 ハザードランプとは、左右の方向指示器を両方同時に点滅させる灯火のことで、正式名称は「非常点滅標示灯」といいます。

 スイッチには二重の三角マークが表記されており、メーカーや車種を問わず同じマークを採用しているため、どのクルマに乗ってもハザードランプのスイッチを認識することができます。

 ハザードランプの使い方に関して、道路交通法施行令第18条の第2項では、「自動車は夜間、道路の幅員が5.5メートル以上の道路に停車し、又は駐車しているときは、車両の保安基準に関する規定により設けられる非常点滅表示灯又は尾灯をつけなければならない」と定められており、道路上で駐車や停車をするときのハザードランプの使用方法が明記されています。

 また、道路交通法施行令第26条の3の第2項では、「通学通園バスは、小学校等の児童、生徒又は幼児の乗降のため停車しているときは、車両の保安基準に関する規定に定める非常点滅表示灯をつけなければならない」とされています。

 さらに内閣府大臣官房政府広報室では、高速道路上での渋滞によって減速・停車する場合や道路上の異常事態が発生したときに、ハザードランプを点滅させ、後続車に異常事態を知らせるよう呼びかけています。

 このように、ハザードランプは一般的に道路に停車、駐停車する際に事故回避をするために周りに知らせるランプとして推奨されますが、実際のユーザー間では、異なる使用方法が定番化しています。

 一般的に「サンキューハザード」と呼ばれる行為は、一般道路や高速道路などにおいて進路を譲ってくれた時に数回点滅させて「ありがとう」を伝える意思表示です。

 これは、法律で定められていないものの、常識的なマナーとして使う人が多く見受けられます。

 ただし、地域によっては受け取り方が変わってくるため、むやみな点灯は控え、交通マナーの範囲でおこなうのが良いといえます。

 また、サイレンを鳴らしている救急車やパトカーなどの緊急自動車を優先する際にもハザードランプを使用します。

 緊急自動車が近づいてきたときの対応は、道路交通法第40条に「交差点又はその附近において、緊急自動車が接近してきたときは、路面電車は交差点を避けて、車両は交差点を避け、かつ、道路の左側(一方通行となつている道路においてその左側に寄ることが緊急自動車の通行を妨げることとなる場合にあつては、道路の右側。)に寄って一時停止しなければならない」と定められています。

 道路交通法ではハザードランプを使用する義務は定められていませんが、走っているクルマが突然停止すると周囲の交通に危険を及ぼす可能性が高く、道路交通法第70条の安全運転義務違反として摘発されてしまう場合があります。

 周囲の交通の安全を確保するためにも、緊急自動車を優先させるときは、ハザードランプを使用して停車した方が良いといえるでしょう。

 ハザードランプの使用方法について、ある警察署交通課の担当者は以下のように話します。

「通常、ハザードランプは事故回避のために用いられます。

 ただ、法律で決まってはいませんが、道を譲ってもらった際にハザードランプを点灯させる『サンキューハザード』は一般的に使用する人が多いです。

 ほかにも脇にクルマを寄せる際、周りに知らせるためにハザードランプを点灯させておくと良いと思います」

■使い方によっては違反の可能性があるハザードランプ

 非常事態を周知させるハザードランプは、使い方を間違えてしまうと、交通違反になる可能性があります。

 道路交通法第70条では、「車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない」と定められています。

渋滞や事故など前方の異変を知らせる合図としてハザードランプを点灯される行為も一般化している渋滞や事故など前方の異変を知らせる合図としてハザードランプを点灯される行為も一般化している

 また、道路交通法第53条の第1項では「車両の運転者は、左折し、右折し、転回し、徐行し、停止し、後退し、又は同一方向に進行しながら進路を変えるときは、手、方向指示器又は灯火により合図をし、又は同一方向に進行しながら進路を変えるときは、手、方向指示器又は灯火により合図をし、かつ、これらの行為が終わるまで当該合図を継続しなければならない」とされており、第2項では交差点についても同様の記述があります。

 続いて第4項では、「車両の運転者は、第一項又は第二項に規定する行為を終わったときは、当該合図をやめなければならないものとし、また、これらの規定に規定する合図に係る行為をしないのにかかわらず、当該合図をしてはならない」と定められており、必要がない合図は禁止されているということが分かります。

 とくに一般道の路端から発進する際に、ハザードランプを消し忘れ点滅させた状態で走行し続けていると、必要のない合図だと判断される場合があります。

 加えて、ハザードランプを点滅したまま走行を続けると、周囲のドライバーから停車するのか、発進したばかりなのかということを正しく判断されないため、事故につながる危険性があります。

 ハザードランプはあくまで、事故を回避するための非常時のランプであるため、点灯し続ける行為は控えた方が良いといえます。

 前出の警察署交通課の担当者は次のように説明しています。

「特別ハザードランプを点灯し続けて違反になるということはありません。

 ただ、ハザードランプを点灯させたままでいると、ウィンカーランプも同じランプを使用しているため、ウインカー点灯が分からなくなるといったことがあります。なので、ハザードランプは用途を絞って使うようにしたほうが良いです」

※ ※ ※

 ハザードランプの使い方には、法律で定められている方法と、意思を伝えるための使い方があります。

 意思を伝えるためのサンキューハザードなどは違反行為ではないため、使用しても問題はないですが、使い方を間違えると道路交通法違反になる可能性があるため交通の状況に応じて上手に使うようにしましょう。

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