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「青信号の意味ないじゃん!」 なぜ矢印が全方位に点灯するのか? 信号機のややこしい意味

くるまのニュース / 2021年11月23日 11時50分

「右折・直進・左折」すべて進める矢印信号機が存在するといいます。なぜ単純に「青信号」ではなく、矢印を点灯させているのでしょうか。

■矢印を全方向に表示!?交通の安全と円滑のための秘策

 街中の道路に設置されている信号機のなかには、矢印信号が併設されている場合があります。

 矢印信号は、基本的に決められた方向のみの交通の進行を促すものですが、なかには右左折と直進、すべての矢印が表示されることもあるようです。

 青信号ではなく、矢印で全方向への進行を促すのには、どのような意義があるのでしょうか。

 矢印信号は、決められた方向の交通に対して「進行することができる」という意味合いで点灯するもので、主に幹線道路などの交通量が多い交差点で見られます。

 運転者が進行方向を誤ることのないように配列も決まっており、横型信号機と縦型信号機では、ともに、青と左折・黄色と直進・赤と右折が、それぞれ近くなるように設置されています。

 矢印の種類は、基本的に右左折と直進の3つですが、分岐の多い五叉路や六叉路などでは、斜め方向を指す矢印があるなど、進行方向に沿ったパターンのものが設置されます。

 前述のように、矢印信号は決められた方向の交通を促すためのものであり、基本的には、右折のみだったり、直進と左折のみだったりと、点灯する進行方向はさまざまです。

 一方で、信号が黄から赤に変わったかと思えば、右左折と直進、3方向すべての矢印信号が同時に点灯するといったこともあるようです。

 すべての方向に進むことができるのであれば、青信号と意味は相違ないと感じる人も多いかもしれませんが、全方向へ進行できる矢印信号にはどのような意義があるのでしょうか。

 神奈川県警警察本部交通規制課の担当者は、全方向へ進める矢印信号について、以下のように説明します。

「全方向の矢印信号は、ほかの信号機との距離感や交通の流れを考慮して、その地点の交通だけを促したいときなどに活用しています。

 また、停止位置の関係で信号機の色が分かりにくい場合に、誤認を防止するという目的もあります」

 では、その地点の交通だけを促したい場合とは、一体どのような状況でしょうか。

 例えば、クルマ用の信号機が青の場合、基本的には同じ進行方向の歩行者用信号機も青に点灯し、両者が進める状態となっています。

 このような状態では、一度に多くの交通が流れるというメリットがある一方で、右折車と歩行者が交差する可能性があり、接触事故の危険性などが考えられます。

 そこで、一度すべての信号機を赤にしたうえで、全方向の矢印信号を点灯し、歩行者は赤、クルマは青の状態をつくり、両者が交差しないように流れを制御することが、全方向矢印の役割のひとつです。

 前述したように、全方向の矢印信号は、幹線道路など、車線が複数ある道路に設置されていることが多く見られますが、これは、右折車が複数の車線をまたぐことで自動車に気をとられ、歩行者への安全確認が薄くなりがちであることが考慮されているといえます。

 もちろん、運転者は、歩行者の安全に配慮して走行する必要がありますが、片側1車線の道路に比べると、幹線道路は注意するべき点が多いため、注意が散漫になる可能性もゼロとはいいきれません。

 ただし、全方向への矢印が表示された場合でも、周囲の自動車や歩行者には、しっかりと注意し、安全確認を十分にしたうえで通行しましょう。

■全方向矢印は「時差式信号機」も表す 交通をわかりやすくアシスト

 矢印信号が全方向を示す状況はほかにもあります。それは「時差式信号機」であることを表す際です。

 時差式信号機は、主に交通が流れにくい右折車を円滑に促すためのものであり、「後発式信号」「先発式信号」「右折車分離式」の3種類があります。

「後発式信号」は、対向車側の信号機を先に赤にして、右折車側の信号機の青を延長するタイプ、「先発式信号」は、先に右折車側を青で促し、ある程度流れたうえで対向車側と青を切り替えるものです。

 また、「右折車分離式」は、自車側、対向車側ともに、先に直進と左折を矢印信号で促したあと、右折の矢印を点灯させ、右折車のみが通行できる時間帯を設けるものです。

 時差式信号機は、それぞれの交通がスムーズに進める一方で、とくに後発式信号と先発式信号では、対向車の信号機の色が確認できないため、自車が進んでも良いかわかりにくいというデメリットもあります。

「右折車分離式」の右折矢印信号「右折車分離式」の右折矢印信号

 そこで活用されているのが、全方向への矢印表示です。

 前述したように、赤や青の切り替えでは、通常の信号機と動作が変わらず、時差式が作動しているのか不安でなかなか右折に踏み切れないという運転者もいます。

 しかし、通常の青ではなく、あえて全方向へ進める矢印信号を表示することで、全方向へ進めるという運転者の意識を後押しするとともに、信号機が時差式のものであることも強調しています。

 このように、全方向へ矢印信号は進行できることについては、青信号と同様ですが、その意義は異なるものであるといえます。

※ ※ ※

 前出の神奈川県警担当者は、全方向矢印の信号機について「交通の安全と円滑のために、状況を見て、適切な場所に設置されています」と話しており、街中ではさほど設置が多くありません。

 いずれせよ信号が赤になっても、このように矢印信号が表示される可能性があるため、常に周囲の安全や交通の状況を意識して運転をするように心がけましょう。

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