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車を安定させる「横滑り防止装置」なぜオフにできる? 通常は切っちゃダメ!? オフにすべき非常時とは

くるまのニュース / 2023年2月5日 18時10分

カーブの走行中や急ハンドルなどで発生する横滑りを自動で検知し、クルマの安定性をコントロールする「横滑り防止装置」は基本的には常に「オン」状態ですが、「オフ」スイッチが備えられています。オフにする必要はあるのでしょうか。

■横滑り防止装置を切るべきタイミングは?

 クルマがカーブなどを走行中に曲がりきれなかったり、とっさに急ハンドルを切ったときに前輪か後輪のタイヤが外側に流れる挙動の乱れを「横滑り」と呼びますが、この挙動の乱れをクルマが検知し、車体をコントロールして姿勢を安定化させる安全装備が「横滑り防止装置」です。
 
 メーカーによっては「VSC(ビークルスタビリティコントロール)」や「VSA(ビークルスタビリティアシスト)」、「ESC(エレクトリックスタビリティコントロール)」などと呼ばれています。

 クルマの挙動を安定させる装備ですから常に「オン」になっているべき、またはなっていないといけない装備なのですが、なぜか「オフ」スイッチが装備されています。一体どのような目的でオフにするのでしょうか。

 横滑り防止装置は「ブレーキアシストシステム(急ブレーキをクルマが検知してブレーキをサポートするシステム)」とともに、2012年から2018年までに搭載が義務化された「アクティブセーフティ(予防安全)技術」です。

 メーカーによって細かい部分で違いはあるものの作動状況はおおむね一緒で、車体に取り付けられた各種センサーが、ブレーキング時や発進、加速中などに不安定な挙動を検知した場合、タイヤロックを回避すべく4輪のブレーキを制御する「ABS(アンチロックブレーキシステム)」や、タイヤの空転を防ぐ「TCS(トラクションコントロールシステム)」などを統合的に制御。さらにエンジンの出力調整までおこなうことで、グリップ力の確保やふらつきを防止し、車体の安定回復と安全な旋回を実現してくれるシステムです。

 アクティブセーフティに寄与する横滑り防止装置にもかかわらず「オフ」スイッチが装備されているということは、制御を切るべきシーンがあるということです。クルマのプロであるT整備士に聞いてみました。

「走行中の車体を安定させる横滑り防止装置ですが、スイッチでオフにする必要があるシーンとして、泥などでぬかるんだ道や雪道などで動けなくなったときなどが挙げられます。

 スタックしているときに横滑り防止装置が作動すると、タイヤの空転を抑えてしまい、脱出に必要な駆動力が得られなくなります。スイッチを切ってオフにすることで、タイヤが空転してでもクルマを動かすことができる可能性が高まります」

 通常は走行中のクルマの挙動を抑えてくれる横滑り防止装置が、スタックしたときは逆効果というわけです。雪の多い冬場はスタックしてしまうこともありますが、そんなときはまずは横滑り防止装置をオフにして、脱出を試みるのが正しい使い方なのです。

 スタックしてしまった場合、横滑り防止装置をオフにしてもタイヤは空転するばかりですが、わずかながらでも少しずつ動くようになります。スタック状態から脱出するにはどうすればいいのでしょうか。

「多少タイヤは空転していても、前後に動けば振り子の要領で小刻みに前進・後進を繰り返します。すると、路面の雪が踏み固められていくはずですので、タイヤの下に摩擦力を生み出しやすい脱出用マットなどを敷いてゆっくりと前進(または後進)すればスタックから脱出しやすくなります。

 脱出用マットなどがない場合は、座席の足元にあるフロアマットで代用することも可能です」

※ ※ ※

 横滑り防止装置をオフにして前後に動き、敷物などを利用して脱出するという流れが正しい手順ですが、自力での脱出が難しい場合は無理せずロードサービスに救助を依頼したほうが良いでしょう。

 ほかにも、サーキットなどであえてタイヤを滑らす「ドリフト走行」をおこなうときも横滑り防止装置はオフにします。

 オフスイッチを押すべきタイミングは非常時ですので、普段の走行では常に作動させておきましょう。

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