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トヨタ新型「プリウス」スポーティになっても燃費は優秀? リッター30km超も夢じゃない!? 実燃費を計ってみた!

くるまのニュース / 2023年3月15日 9時10分

5代目となるトヨタ新型「プリウス」はスポーツカーのようなデザインに刷新されるとともに、2リッターハイブリッドを新設して動力性能もアップしました。そんな新型プリウス(ハイブリッドモデル)の燃費を実際に走行して測定してみました。

■新型プリウスの燃費性能はどう?

 2023年1月に正式に販売がスタートしたトヨタ新型「プリウス(ハイブリッドモデル)」は、それまでの“エコカー然”としたスタイルからスポーツカー顔負けの低いシルエットに変貌しました。
 
 さらに、パワートレインも従来の1.8リッターハイブリッドに加え、2リッターハイブリッドを新設。スポーツカーに匹敵する動力性能も話題となっています。

 スタイリングやパワートレインが注目されるとはいえ、やはり新型プリウスの燃費性能を語らないワケにはいかないでしょう。さっそく実燃費をチェックしてみました。

 今回テストに使用したのは、2リッターハイブリッドを搭載する最上級グレードの「Z」(2WD)。カタログ燃費はWLTCモード燃費が28.6km/L(市街地モード26.0km/L、郊外モード31.1km/L、高速道路モード28.2km/L)となっています。

 ちなみに、テスト車両はオプションの「パノラマルーフ」を装着しており、カタログ燃費には影響を与えていないものの、車両重量が20kg増となっていました。

 今回は、東京都千代田区をスタート地点とし、首都高から東名高速道路を経由して、小田原厚木道路の小田原西インターまでの高速道路区間、そこからターンパイクを上り、大観山スカイラウンジを経由し、箱根新道を通って西湘バイパスまで下るワインディング区間、そして、国道134号線から国道246号線などを経由し、横浜市内へ戻る一般道区間を経由し、約180kmの道のりを走破しています。

 走行中はエアコンを25度設定のフルオート、走行モードはノーマルでアダプティブクルーズコントロールは使用せず走行しました。

 その結果、178.1kmの走行で燃費は25.88km/Lという数値になりました(車両の燃費計の数値から計算)。

 カタログ上での燃費数値はWLTCモード燃費で28.6km/Lとなっていますから、WLTCモード燃費には届かなかったものの、新型プリウスは排気量をアップして出力が向上してもなお高い燃費性能を持ち合わせているといえるのではないでしょうか。

■走行中にフロントガラスの傾斜がネックになるシーンも

 それでは、セクション別の燃費を振り返ってみましょう。

●高速道路
走行距離:81.0km
実燃費:28.1km/L

 千代田区内を出発し、霞ヶ関から首都高に乗り、東名高速から小田原厚木道路を通る今回のルート。テスト実施日が月末だったことも影響してか、東名高速の横浜町田インター付近で完全に停止してしまうほどの渋滞に遭遇するなど、交通量が多いなかでのテストとなりました。

 その結果、WLTC高速道路モード燃費(28.2km/L)とほぼ同じ28.1km/Lという実燃費を記録。

 渋滞にハマる前はリッター30kmを超える数値を表示していたため、もう少し流れが良ければカタログ値超えも不可能ではなさそうです。

トヨタ新型「プリウス」トヨタ新型「プリウス」

 走行中はハイブリッドならではの静粛性の高さに加え、Zグレードはフロントのサイドウインドウもすべて合わせガラスとし、遮音材もほかのグレードよりも多く使われているということもあってか非常に静かでした。

 一方で、日差しの角度によっては、非常に寝た角度となったフロントガラスにダッシュボードが反射することがあり、やや気になってしまった点は少し残念なポイントだといえそうです。

●ワインディング路
走行距離:41.3km
実燃費:20.8km/L

 ワインディング路は、小田原西インターを降りてターンパイクを駆け上り、箱根新道を経由して一気に下るというコース。

 これまでおこなった実燃費テストでは、多くのハイブリッド車が大観山までの上り区間で駆動用バッテリーを大きく減らしてしまうのが通例でしたが、新型プリウスにおいてはメーターをチラ見して確認できた範囲では、バッテリーの残り容量は4目盛り(満タンで8目盛り)を下回ることがなかったのが驚きでした。

 これは、排気量が拡大されたことで充電効率がアップした結果なのか、バッテリーのマネジメントがよりきめ細やかなものになったのか、理由は定かではありませんが、登りでアクセルを踏み込むとエンジンがけたたましく回るということがない点は静粛性に大きくプラスとなったといえるでしょう。

 ただ下りではやはり早々に満充電となってしまい、エンジンブレーキを使うためにエンジンが回り続けてしまう点は変わらないので、燃費的には20.8km/Lとやや悪化してしまいました。

 新型プリウスの進化したTNGAプラットフォームやパワフルなパワートレインはワインディングでは力を発揮し、従来モデルとは異なるシャープな走りを楽しむことができました。

 スポーツカー顔負け、というのは言い過ぎですが、こういうシチュエーションでも退屈ではないモデルに仕上がっていることは間違いありません。

●一般路
走行距離:55.8km
実燃費:27.7km/L

 ワインディング路の後は、国道134号から国道246号を経由し、横浜市内へ向かう一般道ルートを走行します。

 月末ということもあって一般道も交通量は多め。あからさまな大渋滞こそありませんでしたが、ノロノロ運転を強いられるシーンも多々ある状態での走行です。

 このルートでは55.8kmを走行し、メーター上の燃費計は27.7km/Lをマーク。カタログ燃費のなかでは市街地モード(26.0km/L)がもっとも低い数値となっていますが、新型プリウスは意外にも良好な燃費を記録することができました。

 街中での走行で気になった点は、やはり大きく寝たAピラーによって前方左右方向の視界が良いとはいえず、とくに交差点での右左折ではより気を遣う必要があった点は個人的にはマイナスポイント。

 また19インチの大径ホイールはスタイリッシュではありますが、街乗りではゴツゴツ感があるため、乗り心地を重視したいのであれば、オプションで選択できる17インチ仕様を選ぶのもアリかもしれません。

※ ※ ※

 デビュー間もない5代目となる新型プリウスの燃費性能をチェックしてみました。

 道中、延々と登りが続く箱根ターンパイクがあったためにトータルの燃費はカタログ燃費を下回る結果となりましたが、このような極端なシチュエーションがなければ、普段使いでリッター25kmを切ることはなさそうな印象。

 燃費に気をつかった走りをすれば、実用燃費でリッター30kmも夢ではないかもしれません。

 ハイブリッド車が広く普及し、ハイブリッド専用車としてのプリウスの特別感が薄れてしまったこともあり、新型モデルは開発途中では「タクシー専用車」になってしまうという岐路に立たされたといいます。

 しかし、「より愛されるクルマにする」というテーマが定められ、エモーショナルなデザインと高い走行性能を持つモデルへと生まれ変わったということもあり、確かに今までのプリウスとは明らかに違うクルマに仕上がっています。

 一方で、この変化を従来のプリウスを愛用してきたユーザーがどう受け止めるかは気になるところ。変えるために失うものがあるのは当然ですが、果たして新型プリウスは得るものと失うもの、どちらが多いのかということがふと気になってしまった燃費調査でした。

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