ダイハツ「海外向け4車種」の側面衝突試験で不正 今後の対応はいかに

ダイハツは2023年4月28日、海外市場向け4車種で側面衝突試験の認証申請に不正があったことを明らかにしました。

■第三者委で詳細を究明へ

　ダイハツは2023年4月28日、同社が開発した海外市場向け4車種で、側面衝突試験の認証申請に不正があったと発表しました。

　不正が行われた車両は、ダイハツが開発・生産を担当しトヨタにOEM供給する東南アジア向けコンパクトカー「ヤリスエイティブ」と、マレーシアの自動車メーカー、プロドゥアに供給する「アジア」の計8万8123台です。

　また、6月生産開始としているトヨタ「アギア」や、現在開発中の1車種も不正が行われたといいます。

　不正の内容は、側面衝突試験において、認証する車両の前席ドア内張り部品の内部に不正な加工を施したことで、法定の試験手順・方法に違反していたということです。

　2023年4月に内部通報があり、不正を行った疑いのある担当部署や関連部署へのヒアリングを実施したほか、当該車種の現物調査や設計変更の履歴、開発過程においての試験結果など、開発経緯についても調査を実施。その結果、通報通りの不正行為を確認したといいます。

　ダイハツは不正の事実が判明した後、審査機関・認証当局に報告・相談し、供給先であるトヨタと協議したうえで、対象国への出荷を停止しました。

　なお、審査機関・認証当局に報告・相談する中で、不正部品ではなく正規の部品を用いた社内試験を実施したところ、側面衝突試験で定められた基準を満たしていることを確認し、報告したとしています。

　今後、関係当局の立ち合いのもとでの再試験などを行い、側面衝突性能が法規に適合していることが確認されれば、出荷を再開する予定です。

　また、再発防止に向け第三者委員会を設置し、今回の不正の内容解明と真因分析、再発防止策を取りまとめ、報告するとしています。

　今回の不正について、ダイハツ代表取締役社長の奥平総一郎氏は以下のようにコメントしています。

「弊社が開発しました海外市場向け車両4車種において、側面衝突安全試験に関する認証申請におきまして、不正行為が認められました。

　お客様をはじめとする、多くのステークホルダーの皆様の信頼を裏切り、多大なるご迷惑をおかけすることになりましたこと、誠に申し訳ございません。深くおわび申し上げます」