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走行距離「10万キロ超え」の中古車 どこに注意すればいい? めちゃ“激安”でも購入後「高額出費」に要注意? 「過走行車」選ぶ際のチェックポイントは

くるまのニュース / 2024年1月20日 20時10分

年式の割に走行距離がかさんだクルマを「過走行車」といいます。中古車では相場より安価に設定されていることが多いのですが、どういった点に注意すればいいのでしょうか。

■安い「過走行車」の購入 どこに注意すれば良い?

 中古車を選ぶ際に価格を見ることは重要ですが、その次にチェックしたいこととしてクルマの状態が挙げられます。
 
 なかでも、年式よりも走行距離が伸びている状態、つまり「過走行車」では安く設定されることがほとんどです。では、過走行の中古車を購入する場合、どういった点に注意すべきなのでしょうか。

 一般的なクルマの使い方として、1年あたり1万キロが目安とされています。つまり、5年落ちのクルマであれば5万キロ、10年落ちのクルマであれば10万キロが適正な走行距離といえます。

 その反対に、6ヶ月で1万キロ以上を走行するような場合は、指定自動車整備事業規則において「シビアコンディション」、つまり標準よりも過酷な環境で使用された車両として扱われます。

 中古車では、こうしたシビアコンディションに該当するような、3年落ちのクルマで10万キロを超えるものや、5年落ちで20万キロといったクルマも流通しており、いわゆる過走行車として相場より安価に扱われることがほとんどです。

 価格が安いことからこうした過走行車を選びたいという人もいるかもしれませんが、購入にあたって抑えておきたいポイントがいくつかあるのです。それが「どのようなメンテナンスをされてきたか」という点です。

 かつては10万キロがひとつの寿命として考えられていましたが、現在では新車の製造品質やメンテナンス性が向上したことや、エンジン補機類の機能や耐久性が高まったことなどで、適切にメンテナンスを実施すればそれ以上乗り続けられることもあります。

 とはいえ、10万キロもの距離を走行したとなると、年式の浅い新車であっても、数万から数十万点にもおよぶクルマのパーツのなかで、劣化や摩耗が進んでしまい交換が必要となる部品が多くあります。

 そのため、整備手帳や整備記録簿を参照し、どのようなメンテナンスをしてきたかの履歴を追ったほうが良いでしょう。

 なかには過去の整備記録を紛失してしまったり、一切の記録が残っていないクルマもありますが、こういったクルマでは過去の記録が不明なだけでなく、深刻なトラブルの修理歴や事故などによる臨時の修理歴などが隠されている場合もあり、避けたほうが賢明でしょう。

 もっとも安心できるのは、通常の乗用車であれば2年毎に実施される車検での整備記録と法定12ヶ月点検記録が残っており、すべての点検や整備が正規ディーラーで行われているクルマです。

 なぜならば、正規ディーラーではメーカー推奨の部品の交換サイクルをもとに整備を進めている場合が多く、一般の整備工場ではまだ大丈夫と、整備が先送りになる箇所でも手が入れられることがあります。

 また、整備に使用されるパーツも安価な社外品ではなく、メーカーから供給される保証付きのパーツが使われるため、過走行車でも大きなトラブルを予防できる場合があります。

 そのほか、ボディやエンジンルーム、下回りの状態などをざっくりと確認することも重要です。

 過走行車であっても、歴代オーナーが大切に扱ってきたクルマであれば、内外装に傷が少ないといった見た目が優れるばかりでなく、乗り方やメンテナンスもしっかり行なってきた可能性が高いといえます。

 こういった、「歴代オーナーからの扱い」をイメージすることも中古車を選ぶ上で大切です。

 反対に、ワンオーナーの新車なのに傷が多かったり、エンジンルームが泥だらけになっていたりする場合は、荒く乗られ、メンテナンスも行き届いていないことが多いのです。

■「数十万円の出費」に覚悟が必要!? どんな部品を交換すべき?

 メンテナンス記録が適切で、かつクルマも綺麗な場合は過走行車であれば、比較的トラブルが少ないといえますが、購入後に乗り続けた際にも走行距離相応のメンテナンスは継続していく必要があります。

 例えば、エンジン内部の機構を連動させるタイミングベルトは10万キロが一般的な交換サイクルで、交換を怠るとエンジン動作ができないばかりでなく、エンジンそのものに大きな損害を与えることになります。

 近年ではベルトに代わってタイミングチェーンが用いられることがあり、切れる心配は不要になったものの、たるみを取り除くテンショナーは交換を考えたほうがよいでしょう。

適切にメンテナンスすれば過走行でも乗り続けられる適切にメンテナンスすれば過走行でも乗り続けられる

 さらに、エンジンの熱を逃がす冷却回路も、10万キロ以上走行した場合は徐々にメンテナンスするのが良さそうです。

 特に、冷却水を循環させるウォーターポンプやラジエーターを冷やすファンなどは、現在は電動タイプが主流になっており、劣化が進むと突然動作しなくなるかもしれません。

 熱交換を行うラジエーターにつながるホース類も、ゴム素材が劣化している可能性があります。

 さらに、燃料と空気を混ぜて爆発させる点火系統も、火花を飛ばすスパークプラグといった部品も交換時期といえます。

 エンジンのみでもこのように多数の部品の交換が必要ですが、このほかにも多数あります。

 衝撃を和らげるサスペンションもさまざまな部品で構成されており、このうち各機構を接続する「関節」のような役割を持つブッシュや、バネの振動を止めるショックアブソーバーなども交換サイクルを迎えており、交換すれば新車の乗り心地を復活できるでしょう。

 タイヤやホイールをスムーズに回転させるハブベアリングや、ドライブシャフトブーツ、ホイールとともに回転するブレーキローターなども、交換の必要性が生じます。

 そして、近年の新型車で注意したいのが、ハイブリッドバッテリーの交換です。

 ハイブリッド車では、エンジン始動や電気系統を作動させる通常サイズのバッテリーだけでなく、モーターを駆動するシステムを作動させるための大きなバッテリーが搭載されています。

 10万キロではまだ交換しなくても良い可能性もありますが、使用状況によっては交換サイクルを迎えており、燃費が悪化しハイブリッドシステムが動作しない場合もあります。

 交換作業は多くの部品を外すことに加え、ハイブリッドバッテリー本体は数十万円とかなり高額なため、ハイブリッド車の過走行車は注意したほうがよいでしょう。

 過走行車ではこうした交換部品だけでなく、日頃のメンテナンスも重要になってきます。

 こまめなオイル交換や日常点検のみならず、定期的な洗車をして汚れが溜まらないようにしたり、急発進や急ブレーキを避けて、エンジンやサスペンションなどに負荷をかけないことも大切です。

※ ※ ※

 走行距離の長さは愛情の証だという人もおり、気に入っているクルマであれば永く乗り続けたいものです。

 1台のクルマを長く乗るということは、クルマとの思い出や愛情が深まるばかりではなく、廃棄物を抑制することにもつながり、環境保護へ繋がっていることも考えられます。

 大きなトラブルを避けてお気に入りの愛車を乗り続けられるよう、日々のメンテナンスは欠かさないようにしたいものです。

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