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日産「新型エルグランド」いつ出る!? 元祖“ド迫力”スタイル復活か? 次期「高級ミニバン」に最も期待したいこととは

くるまのニュース / 2024年2月16日 14時50分

日産のラージクラス高級ミニバン「エルグランド」は、現行型が登場して10数年が経過しており、フルモデルチェンジの噂も絶えません。次期型はどうあるべきなのでしょうか。

■初代「エルグランド」の商品価値を最も正確に評価したのは「トヨタ」だった!?

 トヨタが誇るラージサイズの高級ミニバン「アルファード」は、2023年6月に登場した4代目が先代と比べて100万円近く価格が上昇したにも関わらず、2024年1月度の新車販売ランキング(軽を除く)で7位にランクインし、月に6777台も販売するなど、超「爆売れ」モデルとなっています。
 
 そんなアルファードが初代開発の際にベンチマークとしたのが、当時同クラスでトヨタを上回る販売実績を誇っていた日産の「エルグランド(初代)」でした。

 日産のラージサイズ高級ミニバンであるエルグランドは、1997年に初代モデルが登場しました。

「大人数が快適に移動できる空間」というコンセプトで登場した初代エルグランドは、全長4740mm、全高1940mm、全幅1775mmという背高な立派なボディサイズで登場。

 荷物を大量に積んでもトラクションがしっかりとかかるよう、後輪駆動をベースとしており、リアサスペンションにはマルチリンク式(コントロールロッド付5リンク式)を採用したことで、コーナリングと乗り心地を両立。

 高性能なV型6気筒ガソリンエンジンのパワーと相まって、評論家やクルマ好きからは「走りのミニバン」と評価されたほか、ユーザーからもこれまでにないコンセプトが評価され、一躍人気モデルとなりました。

 しかしこの「背高ミニバン」という初代エルグランドの商品価値(ウリ)をもっとも評価し、そのうえで「廉価な4気筒ガソリンエンジン仕様の設定がない」という初代エルグランドの欠点を補ってかたちにしたのが、2002年に対抗馬として登場した初代「アルファード」なのです。

 加えて、初代エルグランド最大のセールスポイントを取り入れたアルファードは、その点を4代目となる現行型にいたるまでしっかりと継承し、今も人気モデルの座を維持しています。

 ところが当のエルグランドはその後、最大のウリであるところの「背高ミニバン」という特徴をなぜか自ら捨てていきます。

 エルグランドは2代目以降、初代のもうひとつの良さであった「走り」にこだわりを見出しました。

 2代目でも後輪駆動と4WDは踏襲しながら、V35スカイラインや初代フーガにも採用した高性能なマルチリンクサスペンション(トーコントロールリンク付4リンクコイルスプリング式)を新開発。

 2トンを超えるミニバンなのに、俊敏なハンドリングを実現させています。

 そしてFFベースとなった3代目では、さらに走りにこだわるために低重心化を図り、全高は2代目の1910mmから1815mmへと一気に下げられました。

 実はこのことが、現行型エルグランドの人気の失墜とともに、アルファード(と兄弟車の「ヴェルファイア」)が市場を独占していった最大の原因だったと筆者(吉川賢一)は考えています。

■人気を得た「アルファード」とそうではなかった「エルグランド」の「致命的な違い」とは

 アルファードの全高は、2代目が1915mm、3代目(先代)は1950mm、そして4代目(現行)は1935mmもあります。

 背高であることは、ドライバーや乗員に優越感をもたらします。

 コーナリングの安定性なんていうのは、ミニバンを購入するユーザーにとって実は優先度が低いもの。

 高級なラージクラスミニバンには、走りの良さの前に、見晴らしの良い視界のほうが重要ということを、日産は見落としてしまったのです。

長寿モデルとなった現行型(3代目)の日産「エルグランド」長寿モデルとなった現行型(3代目)の日産「エルグランド」

 3代目エルグランドは、2019年にフェイスリフトを伴う大規模なマイナーチェンジをしましたが、このときも歌手の近藤真彦氏(最近はモータースポーツのチーム代表のイメージが強い)を起用し、ワインディングをスイスイと走り抜けるエルグランドのCMを放映しており、「走りのミニバン」を捨てきれないことがわかります。

 このマイチェンでは従来型に比べ高級感を強調したギラギラしたフェイスになり、販売数向上が期待されましたが、結果としては、進化するアルファードに追従するどころか、少ないときには月販100台という無残な状況に陥ってしまいました。

 エルグランドに関しては、近々新型(4代目)が登場するのでは、と期待されています。

 もしこの先新型エルグランドが登場するのであれば、何よりもまず、アルファード並みの全高(1935mm以上)を持った背高プロポーションは必須です。

 それによって、必然的にフロントマスクの迫力も今以上に増すことでしょう。

 2023年10月25日から11月5日に開催された「ジャパンモビリティショー2023」に出展されたコンセプトカー「ハイパーツアラー」が、ラージクラスの高級ミニバンを思わせるボディスタイルであったことから「次期エルグランドはバッテリーEVなのか!?」と話題になりました。

 ただ、こうしたパワートレインがどうなるかという議論の前に、まずラージミニバンの生命線は「背高」であることを忘れてはいけません。

 評論家に何をいわれようと、ユーザーが求める価値を大事にしていく覚悟が必要でしょう。

 極論を言えば、ミニバンにおける走行性能で必要なのは、高速走行でふらつかずに真っ直ぐ走り、乗り心地もクルマ酔いをしない範囲で柔らかければOKなのです。

※ ※ ※

 それでも日産が「走りのミニバン」を極めたいというのならば、ライバルよりも背高の姿で、コーナリング性能ナンバー1を目指すべきです。

 それができてこそ、古くから知られる「技術の日産」としての腕の見せ所ではないでしょうか。

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