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東北道下りに「新しいオービス」が設置! 今までなかった“仙台エリア”に進出 新型の「半固定式オービス」どんな特徴がある?

くるまのニュース / 2024年3月30日 7時10分

2024年春頃より、栃木県内の東北道や北関東道、群馬県の関越道などで次々と「半固定式オービス」の運用が始まりましたが、その流れは宮城県にも及んでいるようです。従来の固定式オービスとは異なる仕組みや運用方法などについて紹介します。

■神出鬼没!? 最新「半固定式オービス」の設置が止まらない

 高速道路などに設置される速度違反自動取締装置、通称「オービス」に、近年「半固定式オービス」と呼ばれる新タイプの導入が進んでいます。
 
 これまで、首都圏を含む全国各地で設置が目撃されていますが、新たに宮城県内でも複数の導入があったようです。

 ゴールデンウィークはクルマで東北エリアへのお出かけを検討している人も多いかもしれません。

 そんなタイミングで、東北自動車道と仙台東部道路、それに三陸沿岸道路に、最新の速度違反自動取締装置である「半固定式オービス」の拠点が設置されました。

 新設された半固定式オービスの拠点は3か所で、全て宮城県内です。

A:東北自動車道 下り(盛岡方面):菅生PAの少し先[320.8キロポスト付近]

B:仙台東部道路 下り(仙台港方面):名取中央SICと名取ICの間[11.2キロポスト付近]

C:三陸沿岸道路 上り(仙台港方面):矢本ICの手前[32.6キロポスト付近]

 筆者(オービスガイド 大須賀克巳)が調査した2024年3月22日と23日時点では、3か所ともコンクリート製の土台とオービス設置台、それらを覆う金網のケージが完成していました。

 近くには送電用の鉄柱が立てられ、電力量計により通電も確認できました。

 ただしオービス本体が未設置なのはもちろん、手前にあるはずの「速度自動取締路線」などの文言が書かれた青い縦型の予告看板は設置前でした。

 他の場所の固定式オービスや半固定式オービスには例外なく予告看板が設置されているので、ここにも間もなく設置されるか、既に設置されていると思います。

■東北道・東部道・三陸道の各設置ポイントはこうなっている

 まず、東北自動車道下り方面の菅生PA先にできた拠点の場所は、最高速度が80キロの区間で、カーブが多いエリアです。

 それでも都市部の高速道路に比べて道幅などが比較的余裕があるせいか、最高速度以上のスピードで走るクルマが多く見られました。

 さらに走行車両の速度が速い理由として、この場所の近く(322.7キロポスト付近)に設置されていた固定式オービスが3年ほど前に撤去されたことも一因としてあるかもしれません。

 今回拠点が設置された下り方面とは反対の上り側には、現在も固定式オービスがあります。このようにオービスが多く、最高速度も80キロに制限されていることからも、事故が多い場所と推測できます。

B:仙台東部道路 下り(仙台港方面):名取中央SICと名取ICの間[11.2キロポスト付近]に設置された半固定式オービス拠点[撮影:オービスガイド]B:仙台東部道路 下り(仙台港方面):名取中央SICと名取ICの間[11.2キロポスト付近]に設置された半固定式オービス拠点[撮影:オービスガイド]

 仙台東部道路と三陸沿岸道路の拠点が設置された場所は、どちらも最高速度が普通車の場合100キロです。

 両方とも太平洋側の海沿いを走る道路なので、高低差が少なく直線が多い印象でした。

 調査日が休日だったためか、東北自動車道より走行車両が多く、スピードもさらに速い感じでした。

 仙台東部道路と三陸沿岸道路は、これまでオービスとは無縁の路線で、そのためオービスへの免疫が無いドライバーも多く、運用開始直後はオービスを作動させるクルマが多そうです。

 半固定式オービスの拠点は全国各地に設置されていますが、その多くは近くや同じ路線内に固定式オービスが存在している場合や、過去に設置されていた場所です。

 これは、既存の電源や通信設備などを利用しやすいためと筆者は推察しています。

 また複数ある拠点の位置も、例えば他県では比較的近くにまとめてあり、オービス本体の移動をしやすくしていると考えられていました。

 しかし今回宮城県に設置された3つの事例は、これまでオービスの設置例がなかった場所に新設したほか、拠点同士も離れているという点で、これまでのセオリーは無視した配置となっていることが注目されます。

■最新「半固定式オービス」は従来の「オービス」と何が違う?

 高速道路や幹線道路には、従来から固定式のオービスが設置されていました。

 固定式オービスは、立派な支柱の上にカメラやストロボが配置されているタイプや、路肩や中央分離帯に装置が自立しているタイプがあります。

 これらの固定式オービスは当然移動することができないため、位置を覚えられてしまうと速度抑制の効果が下がってしまうようです。また設置費用も高額だったり、機器が古くなり、メンテナンスの対応年数が過ぎた場所から撤去が進んでいます。

 よって最近は、固定式オービスが新しく設置されることがほとんどなくなりました。

A:東北自動車道 下り(盛岡方面):菅生PAの少し先[320.8キロポスト付近]に設置された半固定式オービス拠点を側道(一般道)側より撮影/天井には監視カメラが設置されています[撮影:オービスガイド]A:東北自動車道 下り(盛岡方面):菅生PAの少し先[320.8キロポスト付近]に設置された半固定式オービス拠点を側道(一般道)側より撮影/天井には監視カメラが設置されています[撮影:オービスガイド]

 そこで減りつつある固定式オービスの穴を埋めるべく登場したのが、半固定式オービスです。

 半固定式オービスとは、文字通り半分固定されているオービスで、その仕組みは、「拠点」と呼ばれるオービス本体をセットするための土台部分を複数の箇所に用意しておき、1台のオービス機器本体を各拠点間で不規則に移動させて使用するという運用になっています。

 拠点は金属のケージで囲まれた箱型の形状で、遠目には従来の固定式オービスのようにも見えます。

 その半固定式オービスの拠点をドライバーから見た場合、直前まで中に本体がセットされているのかの判別が難しく、そのためドライバーは全ての拠点の近くで速度に気をつけるようになるでしょう。

 高価な固定式オービスを3か所新設するよりコストパフォーマンスは高く、メンテナンス作業も効率的に行なえるのが設置側のメリットといえます。

 オービス本体は、移動式オービスの「LSM-310」という機種の派生形なので、持ち運びも設置作業も簡単にできると思います。

 半固定式オービスは車両の速度計測にレーザーが使われ、通説では最高速度を40キロ以上超過すると作動するといわれています。なおストロボの色は白色でカラー撮影されます。

 オービス本体が各拠点を移動する順番や期間に規則性はなく、いつどの場所に本体がセットされているのかは基本的にその場所を通るまでわかりません。

 まれにSNSなどで直近の情報がアップされることがありますが、このような情報を絶えずチェックするのは現実的ではありません。

半固定式オービスが導入される地域は全国で年々拡大しています[2024年3月現在/オービスガイド調べ]半固定式オービスが導入される地域は全国で年々拡大しています[2024年3月現在/オービスガイド調べ]

 2024年に入り、大阪府、栃木県、群馬県、宮城県と半固定式オービスの拠点が新設されましたが、今後も未導入の都道府県にも増えていくと同時に、導入済みの地域でも拠点が追加されるかもしれません。

 大阪府の阪神高速では、既に拠点が6か所となりましたが、たとえば県内に30か所の拠点が点在していたら、効率よく広範囲で速度抑止ができそうです。

※ ※ ※

 オービスは速度が出やすい場所や、事故の多い場所に設置されます。

 またオービス付近では、急ブレーキなど不自然な挙動をするクルマも多いので、車間距離と慎重な運転が求められます。

 特に新設されたポイント付近では、目新しい拠点に気づき慌ててブレーキを踏むクルマもいるでしょう。

 筆者もオービスの有無に関係なく、いつでもゆとりある運転を心がけたいと思います。

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